無気力な悪魔の身体。
ちょっと説明してます。魔法理論はぶっ飛びです。細かい事はぶっ飛びます。
おはようございます。
こちら異世界です。今日も一日、元気でいきましょう。朝の脳内放送はバッチリだ。良い目覚めだ。
実を言うと前回寝た時から数日は経っている。太陽が数回昇っては沈むのを観測した。
ここで俺がいる場所を説明していこう。
ここは鬱蒼とした森の中、少し歩いて周囲を観察してみたが、地面の岩石の割合が多く木々の間に大きな岩がごろごろある。岩の上に森ができた。そんな感じだ。日本の森しか見たことないから新鮮だ。
そして、空は中々に青い。空気が澄んでいるのか。気分が良い。こういう時は寝たくなる......。
続けよう。少し歩いただけだから規模は分からないが、何となく相当な広さの森林だろう。木々の間には木と岩しか見えず人工物らしきものは見えない。
そもそも人間は存在しているのか。いや、いるらしい。悪魔の身体が本能的に知っている。いつか人間に会ってみたいものだ。布団が欲しい。
今の寝床は正直言って最悪だ。比較的柔らかい葉っぱがついた枝を木からむしりとりそれらを支え合う様に地面に斜めに刺してお粗末な寝袋、シェルターを作ったものだ。
人間の身体だったらこの環境に耐えられていなかっただろう。悪魔の身体は強靭なのだ。小川を見つけた時に水面に写った自分の姿を確認した。悪魔というが見た目は人間だった頃とそんなに変わっていない。ただ、額の左右から筋張った角が外向きに生えていた。あと、瞳も赤い。中々に悪魔的だ。あと、人間だった時に比べて身体が筋肉質になっていて力が強い。力こそパワー、筋肉は大事だ。
力強い悪魔の身体と環境適応能力それて気怠さでなんとか文明社会とかけ離れた異世界の厳しい自然の中で生きている。
しかもこの身体、食べ物や水が必ずしも必要ではないようだ。悪魔の身体は魔力を糧にしている。魔力。魔法を使う燃料だ。そう、この世界、魔法がある。異世界っぽい。異世界だ。
悪魔の身体が魔法について知っていた。簡単に説明すると魔法はゲームにあるような属性に分かれているわけではない。因果の法則を超えるもののようだ。
例えば、火を起こすには火を起こす素の燃料が必要でその燃料が発火するには熱が必要だ。また、燃え続けるためには酸素がいる。この3つの要素があって始めて火が起こるわけだが、魔法はこの3つの要素の代用となり火を起こせる。
つまり、原因があり結果があるがその因果の法則を魔力を使うことで飛び越えて原因がなくとも結果を出せるというぶっ飛び論理を可能とするのが魔法だ。悪魔の身体が知っていたが、中々信じられない。現実離れした力だ。
この世界、魔力はそこら中に漂って溢れている。しかし、漂っている魔力を使う事はできない。外から身体の中に溜まった魔力しか使えず、それに許容量があるようだ。しかも外から魔力を引き入れる時の変換率が悪いようで魔力がすぐ溜まる事はない。普通の生物は好き勝手に魔法が使えるわけではらないようだ。
しかし悪魔の身体、魔力との親和性が高いようですぐ溜まるし許容量も多い。魔法が使い放題だ。
強靭な肉体に、実質無尽蔵な魔力、それにより食べなくても生きていける身体。。。あれ中々強い気がする。少なくともタフではある。この身体はずっと寝ていても生きていられるのではないか?
煩わしい俗世から解放されて好きに寝るという俺の夢がまさに叶った。ありがとう、悪魔の力。。。
気分が良いのでもう寝床を作らず岩の上で寝ます。おやすみ。
読んで下さりありがとうございました。
悪魔の身体は何でも知ってますね。便利。