その②
あれから数日が経過し、ここの主であるキルドにここ等辺りの地図を貰い何度も森から出ようと試みるも結局失敗に終わる。
・・・・何故ここからわたしは出られないんだろう、結界を解いたら解決するはずなのに・・・そもそも結界を解くことによって世界が滅ぶ危険性とは?もしかしてここの土地に何かがある?・・・・
机の上にある地図にペンで通った所に印を付けながらそんな事を考えていた。
コンコン!
部屋の扉をノックする音が聞こえてくる。
「は~い・・」
返事を返すとキィィっと音と共にいつも笑顔を絶やさないが胡散臭い男ディザードが入ってきた。
「キルドがご飯出来たから呼んで来いって・・・」
「あっ!!うん。わざわざありがとう。直ぐ行くね。」
「じゃ先行ってるから・・・」
言って彼は扉を閉め出て行った。
この屋敷にはキルドとディザードとわたししかいないのだが、ここの屋敷の仕事は全てキルドがこなしているらしい。
わたしも少しは手伝おうと最初手伝っていたのだけど・・・何故か、『触らないで欲しい』と懇願され・・・今ではただの居候・・・。何もすることが無いというのは退屈なものである。
小瓶に入っているインクの蓋を締め、地図を置いてわたしは部屋を後にした。
一階の玄関口の横の部屋がダイニングルームになっており、三人だというのにテーブルや椅子も沢山あり結構の広さなのだが、それがちょっと寂しさを感じる。
・・・が、そんな事は目の前のご飯の前ではどうでもよくシチューの良い香りに釣られ自分の席に腰を下ろす。
「では頂きます。」
キルドの言葉で食事が始まった。
食後キルドに食器を持って行かれ、ディザードと二人だけになってしまう。
彼は眠そうに欠伸を等して席を立とうとしていた。
胡散臭い男・・・・わたしはこ~いうヘラヘラしてる奴がどうも苦手だ。だが、わたしもここを出る手がかりになるものは一つでも多く知っておきたい。
「ディザードは知ってるの?ここの結界の理由。そして世界が滅ぶって一体・・・?」
突然かけられたわたしの言葉に彼は嫌な顔をして・・・
「それは僕が言うことでは無いんだよね・・・聞きたければ彼に聞いたら良いよ。答えてはくれないと思うけどね。世の中知らない方が良いことだってあるんだよ。平和に生きたければね。」
意味深な言葉を残し手をヒラヒラ降って彼は部屋を後にした。
・・・キルドが全て知ってるわけ・・・か・・・
「言っておきますけど・・・僕は何も話しませんよ?ここの森に結界を張ったのは僕で、そのせいであなたを閉じ込める形になってしまった事にはお詫びしますが、闇族がここにやってくる理由など教えてもあなたには無意味ですから。」
片付けから戻ってきたキルドはさっきの会話を聞いていたのかそう言うと冷たい目でわたしを見る。
・・・つまり、こちら側に踏み込むな!ってわけね・・・わたしだって、勝手に迷い込んで勝手に閉じ込められて世話になってる身としては面目次第もないけど・・・でも・・・ここから出られる手がかりがこうも無ければ一つでも何かヒントになる様なものが欲しいじゃん・・・・
頬を膨らませ何かモヤモヤしながら自室に戻る。
次の日、外の日差しは眩しくて今日も絶好の探索日より。
「さぁ!行くわよ。ディザード!!!」
地図を片手に持ちやる気満々のわたしを見るなり嫌そうな顔をする彼。
「何で僕なの?あいつもいるじゃん・・・」
嫌そうな顔のままわたしの横に並び森に向かって歩き出す。
「いや・・・だってね・・・キルドと違ってあなたメッチャ暇そうだし・・・」
更に彼は嫌な表情で・・・
「あのね・・・僕は僕で色々仕事があるの!」
「例えば?」
わたしの問に彼は・・・
「食料調達に街に行ったり、キルドの作ったお薬売りに行ったり他は・・・」
自信満々に話しだしわたしは心に色んな物が刺さりよろけて近くの木にもたれ掛かる。
それに驚き側で慌てるディザード。
「遊び人かと思ってたら結構真面目に仕事してて驚いたわ・・・」
弱々しく放った言葉にディザードのツボにはまったのか突然笑い出し必至にこらえていた。
「ミリエル・・・君本当に面白い!」
・・・いや・・・わたし全然面白いこと一つ言ってないんだけど・・・・この人のツボはよく分からんな・・・・
そんな事を思いつつわたしは再び歩き出そうとしたら・・・
「このままここにいてくれたら僕は嬉しいんだけどね。」
突然放たれる彼の一言。
「いや・・・・わたしはさっさとここから出て世界中回りたいんで!それに知られたくない事も沢山あるんでしょ?だったらさっさとわたしは外に出るべきなんじゃない?」
真顔で逆にそう言い返すが彼は笑みを浮かべて・・・・
「冗談冗談!珍しく人が入って来たからつい嬉しくて言っちゃっただけだよ。さっ!さっさと調べようか・・・半日なら僕が付き合ってあげるよ。」
笑ってはいるが何だか彼の表情は曇ってる様なそんな気がした。




