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奴等は公害だ~Public Harm の存在意義~

作者: within

 (注:ネタです。)

 フードコートで駄弁っていると奴等は現れる。奴等の職業名を調べようと思ったが、そんな価値もないと英断を下したゆえここでは奴等と便宜上呼称する。奴等は我々の楽しげな姿を見ると驚異的な速さで接近してくる。その姿はさながら自らの職業に矜持を抱き、迷惑客を罰するという大義名分という「オモチャ」を与えられ、目を爛々と輝かせ胸を張って歩く5歳児ばかりである。「他のお客様のお邪魔になりますので何もお買いにならないならおどきになってください。」奴等はまるで神託を賜らんと言わんばかりの態度でいい放つ。その言葉の隅々にはまるで公害を浄化せんばかりの軽蔑を含ませ、我々の純情な心をズタズタにする。その天明は我々の和気あいあいとした空気を、劣化ウラン弾で砲撃したかのごとく粉々に打ち砕く。まさしく権力の羽衣を纏う偽りの天使(クズ)である。


 我々は断固として抗議する。奴等の言う公害は断じて我々ではない。公害とは正にその腐りきった虚栄心のはてにある「醜悪奸邪」をその身で以て体現する奴等自身の成れの果てのことである。奴等は自らの正義が地球を回すと言わんばかりの態度であるが、奴等の正義などカドミウムよりも凶悪な大気汚染物質かつ水質汚濁物質でしかない。奴等は経済利益を保護するという天命を授かっておられるのだろうが、我々には全くその天命を全うしているようには思えない。我々には経済の専門的な知識など甚だないが、一消費者として言えることもある。奴等など我々の利用頻度を著しく下げ、結果的に買ったかもしれない商品をどぶに投げ捨てる社会的搾取者、寄生虫である。奴等に払う利益と我々を討伐することで得られる報酬がどうとかは知らないが、我々の共通認識で天敵であることには間違いない。経営者がどのような経済的理論を駆使し彼らを雇ったところで、我々に見えないフラストレーションが溜まるばかりである。経営者諸君が、見えない損失を、無視し、歪な非人間的な論で踊らされていたとしたら忠告しよう。奴等は搾取を生業とする寄生虫であると。奴等というフードコートの付属品に利用価値など一銭もない。今すぐ奴等に騙されることを止め英断を下すべきである。


 ここで我々も子供ではないので譲歩というものをしてみよう。確かに我々が席を占領し、本来食べ物を買うはずたった非常に善良たる市民様々(この方々が我々よりも良識において優れているのは当然の摂理である)が座れなくなったのだとすれば、これに勝る咎はなかろう。だが我々にも言い分がある。週二回は確実に食事を買い、利益に貢献しているにも関わらず、着いてからさりげないお喋りに興じている(当然後には買う予定である)だけで、御声聞き候うとは何事だ。そして何より、「他のお客様が座れませんので」と言いたいならば、それだけの客を集めてからにしろよ。がらがらのフードコートで数少ない常連にクラスター爆弾を嬉々として投下するくらいなら、青年海外協力隊にでも参加した方が断然ましである。無注文で勉強とか馬鹿げたことはしないのだから、奴等はいなくてよい筈である。それなのにも古くさい風習に掴まり、蝋でできた羽で飛びあがり、虚飾の権力を振り回す奴等はイカロスの如く墜落していくであろう。そうでありたくなければ余剰な欲望は捨て給へ。


 ここからは奴等の存在意義の是を問う。今まではフードコートという境地的ゲリラ戦の様子をリポートしてきた次第だが、これはもう全日本不可侵条約機構連盟大国家群の来年度最重要案件として熟考せざるを得ない。悲しきかな。奴等を非難すればするほど奴等の存在を前提として話すしかなくなり、よりいっそう奴等の存在を強く肯定することになる。だからこの話はこれっきりにしよう。奴等の承認欲求を満たすのはもはや時間の無駄でしかない。そんな奴等にこんなにも時間かけてしまったわけだが、これはしょうがない。奴等にはK2から落下するくらいの尋常ならざる衝撃が必要なのだ。そして完全に素粒子レベルまでに分解されコラプスせよ。我々はそのためのお膳立てを買ってでる善き犠牲者であらねばならん。我々のような被害者をこれ以上に出さないために、ここに奴等の存在意義を否定しつくすための詔を告げん。


 一.奴等の肥大なる虚栄心とあからさまに相手を見下した態度、言動は、青年教育上最も好ましくない立像である。よってその形相、質料全てにおいて今すぐの撤廃を求む。

 二.奴等は経済営者達を欺き、迷惑客を追い出し正当な客を増やしているかのように報告し、その利益を搾取しているが、実際は無実な市民をいたぶり、自分の退屈を紛らわさ、また、仕事をやっている自分という理想像をねじまがった手法で強引に作り上げ、自らを納得させ満足しているだけのアンタッチャブル達である。よってその消滅を国家レベルで奨励する。

 三.我々の友好的な会談の場をことごとくブルドーザーのように踏み潰して経面笑う奴等など天敵でしかない。よってその他者を貶めて相対的に低い場所から自分を引っ張りあげることに必死こいてる奴等に天罰メギドが下らんことを。

 

 我々は団結している。奴等を滅す事が我々の最大目的である限り我々は結束し続ける。同胞よ奴等の存在意義など一欠片もないことが理解できただろう。経済の停滞を招く古びた芥塵などはもはや必要とせん。ここに協力を宣言してほしい。さすればフードコートというバルカンの未来は明るく輝くであろう。



<a href="http://ncode.syosetu.com/n5049fk/" target="_blank" style="text-decoration:none">あらすじ</a>

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[一言] 作者の心の奥が見えた気がする。
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