甘い闇 アルス・ルレー
前回よりは、(おそらく)ヤンデレ度が増していると思います。ブックマークをしていただけたからですね。ほんっとうにありがとうございます!!基本はブックマークや評価点が増えるほどに、私のモチベーションとヤンデレ小説のヤンデレ度が増していくので、よろしくお願いします!!
あ、もちろん閲覧してくださっている方々にも感謝しています!!閲覧数の数はヤンデレ好きの数、同志の数だと思っているので、凄く嬉しくなりますし、ヤンデレ小説のヤンデレ度も増します!!友人や家族に勧めていただいてヤンデレ布教をしていただけるとなおの事嬉しいです!!
ヤンデレヤンデレうるさいですね、すみません。でもヤンデレっていいですよねっ?!ねっ?!
まぶたの上から、朝日が差し込む。
ゆっくりと意識が暗闇から浮上し始めた。
うっ……お腹が重いような。
「おはよ、アルス」
お、重い。
なんだ?腰が、いや、おへそのあたりが重い……?
「おはよ〜ってば!!アルス起きて〜!朝だよ〜〜!!!」
グイグイとのしかかる重さ。
「うにゅ……お、おも………」
「うるさい!!重くないです〜〜〜!!!」
腰から胸にかけて、順に重さがかかる。
特に胸。胸元に柔らかな重さが……。
僕はゆっくりと目を開けた。
「あ、やっと起きた!」
そこには、紫色の髪の、ショートカットの少女の顔が鼻の先に。
「……ルレー。近いよ」
「いいじゃん別に。夫婦なんだし」
軽く目元をひきつらせる僕と違い、彼女、ルレーは笑って答える。
「君が勝手に言っているだけだ。僕の記憶に間違いがなければ、夫婦はおろか恋人ですらない」
「じゃその記憶は間違いだ」
「間違いはない。僕は生まれてこのかた独身を貫き通しているはずだ!!」
「言ってて虚しくならない?」
僕の頰を両手で挟み込むように持つルレー。
「1人が好きなんだよ、僕は」
「嘘つき。もしも私がいなくなって、1人になったら毎晩泣くくせに」
両頰を引っ張られる。
「あひへはいね。 ぼふはころくがふきなんら!!」
僕の意図とは裏腹に、彼女はにんまりと笑う。
「またまた〜〜!そう言っちゃって、本当は私のために、私が社会復帰するために、嫌いになったフリをしてるんでしょお?無理して追い出そうとしてるの、知ってるんだから」
……おかしい。なんでバレてるんだ。ここ最近は彼女に対して冷たく接していたはずなのに。
「図星なんだ?」
「ち、違う!!というか、さっきから重い!下りてくれないかな?!」
仰向けで寝る僕の上にうつ伏せにして寝る形で、彼女は僕の上にのしかかっていた。
「重くないし」
「い〜や重いね。重いから下りてもらおう」
「お、重いのは、多分、胸のせいだし」
ふいに、僕の胸に伝わる柔らかな感触。布団越しでもわかるほど、彼女の胸は大きかった。
「ぐ……一理ある、のか?」
僕は納得した。ま、まぁ仕方がない……のか?
「もうっ、体重の話はいいから!!……それより、おはようのちゅーは?」
「は?なんで僕が君とそんな事をしなければならいんだ?」
わざとらしく首を傾げてみる。
「私がアルスを好きだから」
ストレートに言われた言葉に、思わず自分の顔が紅潮するのが感じられた。
「あは!照れちゃってぇ〜〜もう可愛いなぁ」
にたぁと笑ったルレー。
「……いや、照れてなんてなんんんっ?!」
直後、彼女は僕の後頭部を掴み、そして自分に引き寄せた。
「んんっ、んんっ」
驚いて空いた僕の口に迷う事なく入ってくるルレーの舌は、くちゅりと艶かしい音を立てながら僕の口内を侵略していく。
「んっ、ぱあっ、ちょ、やめ」
僕は寝た状態からなんとか彼女の肩をつかみ、無理やり遠ざける。
「ぁっ、逃げないれぇ!!」
彼女は僕の後頭部を掴み離さない。
「い〜や〜だ〜!!」
僕もまた彼女の肩を突き放して戻さない。
「「ぐぬぬぬぬっ!!」」
両者硬直。しばらくの沈黙の後、ルレーが言った。
「……120秒。あと120秒してくれたら離すからっ!!ねっ?お願いっ」
片目を閉じて可愛らしくおねだりしているつもりなのだろうか。
その目は座りきっていて、頰は紅潮。瞳孔に至っては完全に開ききっている。完全に人を襲っている奴の顔だ。
「嫌だよ120秒って僕を殺す気なわけ君は?息できなくなるから」
「大丈夫っ!」
ぐいっとルレーの腕に力がこもり、僕と彼女の顔が近づく。
「何がっ!」
が、僕も対抗しようと腕をめいっぱい伸ばす。
「息が止まったら人工呼吸してあげるから!」
「ふざけるなそれやってる事変わらないじゃないかっ!!」
その異常な発想に、僕は思わず冷や汗をかく。
「空気の口移しだよぉぜんぜん平気だってぇ!!」
「平気なもんか鏡で自分の顔見てみなよっ!!完全にヤバイ奴だよ!!」
「そんなに言わなくてもいいじゃん……」
ふと、しゅんと弱まるルレーの力。
「ご、ごめん。でも、あまりに怖かったから」
「そんなに私の事嫌い?」
彼女の目は、少し潤んでいた。
「……」
「ねぇ、答えて?」
「嫌いじゃ、ないけど」
「好き?」
「好きか、嫌いかで、言ったら……」
すっかり緩んだ彼女の腕に、僕も安心して腕の力を緩めた。
「好き、だけど」
ーー瞬間。
「うん知ってた私も大好きぃっ!!」
突如として満面の笑みに戻った、迫り来る彼女の唇を止める手段は僕には無く。
「んんっ、んぅっ、んんんっ!!」
「ん〜〜っ!!ん〜〜っ!!」
僕の唇は、彼女の宣言通り120秒ほど凌辱された。
「んぱあっ」
「はぁ、はぁ、はぁ」
やっとの事で離れた僕とルレーの唇の間では、涎が糸を引いていた。彼女は、唇についたそれを、少し寂しそうに舐めとると、ため息をついた。
「もう少ししたかったなぁ」
「ふざけるなよさっきのは演技なわけ?!」
「うん」
真顔で頷くルレー。悪びれる様子すらない。
「まったく、今回は120秒で離れたからまだ良かったけど、今後はこういう事はないようにしてもらえると助かるんだけどっ?!」
「えー」
不服そうに唇を突き出すルレー。
僕は表面上では怒って話す。
「もう、とりあえずどいて!!重い!」
「まだくっついてたい〜〜」
僕の身体をぎゅっと抱きしめるルレー。
「……っ、し、仕事があるんだよ仕事が!!」
「あ、今仕事に行くかこのままでいようか悩んだでしょ?」
「悩んでないっ!!」
心中を当てられた事に対してのあたりで少し怒鳴りながら、彼女をどかす。
僕はパジャマから着替えて、普段着になる。
リビングに向かって食事を作ろうとすると、後ろから、手を組んだルレーが笑って言った。
「食事はできてるよ」
にこりとした微笑みに、少し気分が高揚するのを、彼女にバレないように隠す。
「ありがとう。作らなくていいって言ってるのに」
「あの時助けてくれたのと、私をここに置いてくれてるお礼」
「そんなお礼をするくらいならさ、社会復帰したらどう?君はーー」
僕は、彼女の背中を指差す。
「天使なんだからさ」
ふわりという音を奏でながら、彼女の純白の翼は、一度だけ風を切った。
テーブルに置いてある朝食に向かい合うように席に着く。
「いいじゃん!奥さんとしてずっとあなたのそばにいたいんだもん」
彼女も、僕の正面の席に座る。
「それに……もうあんな所には帰りたくない。戻っても、また対悪魔兵として、道具として使われるだけだし」
神という者のがいるらしい事は、なんと無く知っていたけれど。そんなに無慈悲なものだとは知らなかった。
俯く彼女は、言葉を続けた。
「私、あんな所よりもこっちでアルスと暮らしたいな。アルスが、どうしても嫌って言うなら、その、私、出て行くけど……ダメ?」
上目遣いに、困ったような笑いを浮かべるルレー。
まったく。こんなの、断れるわけないじゃないか。
「いいよ、僕の事は気にしないで。そんなに居たいなら、もうしばらくうちにいるといい」
僕はナイフとフォークを持つ。
「アルス……ありがとうっ」
少し涙目の彼女を見て、僕は彼女との出会いを思い出す。
白い白い、純白の翼と、綺麗な服を。そしてそれらが、真っ赤に染まっていた光景を。
「……食べよう。冷める」
「う、うん!!」
僕らは共に食事をして、一緒に汚れた皿の片付けをした。
「それじゃあ」
一通り身だしなみを整えた僕は、ロングコートを羽織り、玄関の扉に手をかける。
「ついていっちゃ、ダメ?」
「そんな羽を生やした女の子が来たらうちの店に変な噂が流れる」
「いい噂かも?」
「……君の身を案じてるんだよ。天使は悪魔に狙われてるんでしょ?」
「逆もまた然りだけどね?」
「とにかく、危険なんだし出ない事!」
僕が少しきつく言うと、彼女は小さく頷いた。
「私はアルスに他の女が寄り付く事を心配してるのに……」
僕の耳に入るか入らないかくらいの音で、ルレーが何か言った気がした。
「何か言った?ごめん、よく聞き取れなかった」
「何も言ってないよ?」
笑顔のルレー。
「そっか。じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい」
僕は外に出て、森に出る。
そこからは、1時間ほど歩き、森を抜ける。
町についてからは、そう遠くない距離のところにあるカフェに入る。
すると、箒を持って掃除をしていたツインテールの女の子が、こちらを向く。
「あっ、店長!おはようございます〜〜」
長髪の女の子は、僕を見て笑顔になる。
「おはよう、ミルトちゃん」
「今日は少し遅かったんですね?もうすぐ開店ですよ?」
「ごめんごめん、ちょっと家で色々あって」
「色々……え?店長、いえ、アルスさんて、18歳ですよね?」
「うん、そうだけど」
「結婚、されてはいないですよね?」
なぜか少し不安げなミルトゼリアさん。
「してないよ?断じてしてない。独身を貫いているよ?」
僕は今朝のルレーの言葉を思い出しつつ、笑顔で答える。
「ど、同棲していらっしゃる恋人さんが?」
「いないいない!絶対に断じていないよ!!」
フラッシュバックするルレーの笑顔。
「そ、そうなんですか?」
「なんでそんな事を?」
「い、いえ、一人暮らしなのに色々あった、って、何があったのかな、と」
ルレーの事は人には言えないので、心苦しいが一人暮らしだと嘘をつく。
「あはは、朝寝坊だよ。まどろんでたら遅くなっちゃって」
ぱあっと明るい表情になるミルトちゃん。
な、なんだろう。僕の言葉をやたらと気にしているような……まぁいいか。
「あはは、可愛いです!店長さんは、お寝坊さんなんですね?」
「面目無い、いつもはそんな事無いんだけどね」
僕は後頭部に手を当てる。
「わ、私が起こしに行っちゃおっかなぁ〜〜……なんて」
なぜか頰が赤いミルトちゃん。
「ここからだいぶ距離あるし、森とか雪とか危険だから、ミルトちゃんにはさせられないよ」
「そ、そうですか、ですよね〜、あ、あはは」
なぜかがっくりとうなだれてスタッフルームへと入っていくミルトちゃん。
何かあったのかな?
僕は彼女との会話を終えたので、厨房に入る。
「おはようございます、カリーナさん」
僕が声をかけると、厨房でコーヒーを注いでいた長髪の女性が、僕を見て微笑んだ。
「あらあら、アルス君。おはよ」
「すみません、遅くなっちゃって」
「聞こえたわよ?寝坊したんですって?」
「ええ、すみません。店長なのに」
「いいわよ。今、淹れたの。コーヒー、飲む?」
「はい!頂きます!!」
差し出されたカップを受け取る。するとそこには、ミルクでハートが描かれていた。
「……こ、これは、深い意味はないんですよね?」
「さぁ、どうかしらね?あるかもしれないわよ?」
「あ、あはは。カリーナ先輩は冗談なのか本気なのかわかりませんよね」
苦笑いをしながらミルクコーヒーに口をつけると、それはとても甘かった。
やがて開店準備が整うと、僕は店の札を、オープンの文字が書かれた方に裏返した。
僕がお店の扉を開けるのと同時に、お客さんがぞろぞろと入ってくる。
本日の来店してくださったお客様お一人目は、白いマントを背中にかけた、三つ編みの女の人だった。
「あ、いつもありがとうございます」
名前はわからないから呼べないけれど、もう長い事、開店初めに僕の店に来てくれている。そして、閉店まで彼女はずっと角の席に座っているのだ
「おはようございます、店長さん」
その時、なぜかはわからないけど、僕の頭にルレーが浮かんだ。
そういえば、彼女がうちの店に来たのって、ルレーを助けてからだなぁ。
前髪が垂れていて顔がよく見えないが、目を見ているつもりで話す。
「おはようございます」
「いつもの、店長さんのオススメで」
口元しか見えないが、笑顔で話す常連さん。
「あっ、あの!今日は新作があるんですよ〜〜!!」
こので、ミルトちゃんが笑顔で出てくる。
「私ミルトゼリアと〜〜」
ミルトちゃんが、僕の腕をぎゅっと抱く。
「店長のアルスさんで作ったんですよ〜〜!」
「こらこらミルトちゃん?カリーナさんを忘れちゃダメでしょ?あの人のお陰で完成したんだから」
「あっ、そうでした〜〜!カリーナ先輩ごめんなさい!」
その時だった。ギリッ、という何かが破けるような音がした。音が聞こえた方を見つめてみる。
そこでは、白いマントを羽織った常連さんの握られた手から、机から垂れ落ちるほどの血が流れていた。
深く食い込んだ爪が、皮膚を貫通しているのだ。
「きゃっ?!」
血を見て驚くミルトちゃん。
「だっ、大丈夫ですかっ?!今手当てします!!」
僕は、慌ててポケットからハンカチを取り出して、細長い包帯代わりになるように破いた。
「こんなもので申し訳ありませんが、しないよりはマシだと思うので……」
僕は常連さんの手のひらをハンカチで結び、応急処置をした。
「お手数おかけしてすみません。でも、店長さんのハンカチをまいていただけるなんて嬉しいです」
「そ、そうですか?不快にさせてしまっていないかと思ったんですが」
「ぜんぜんですよ!!店長さんにまつわるものなら大体は大好きですよ!!私」
ふと、立ち上がる常連さん。
彼女は、僕がいるのとは反対側のミルトちゃんの耳元に、囁いた。
「私の彼につきまとう女は大嫌いだけど」
彼女は、僕に聞こえないような小さな声で何かを言うと、再び角の席に座った。
「お騒がせしてすみません。今からは、大人しく待ってますね?」
口元しか見えなかったけれど、彼女は笑っていた。
しばらくして、注文の品が出来上がる。
「こちら、新作のりんごラテになります」
カリーナさんは笑顔でカップを差し出す。
それを、ハンカチの巻かれた手で受け取る常連さん。
熱いそれをゆっくりと飲む彼女は、幸せそうだった。
「はぁ、店長さんの味がする」
彼女は僕に聞こえないような小声で独り言を言うと、微笑んだ。
それからは、徐々に忙しくなって来て、僕もミルトちゃんもカリーナさんもフル回転で働いた。
やがて閉店時刻になったので、僕は荷物をまとめて、店を出る準備をする。
「お疲れ様でした〜〜」
僕は2人にそれだけ告げると、店の鍵をカリーナさんに渡して帰った。
ーー
ミルトゼリアは、一人夜道を歩いていた。
「はぁ、アルスさん全然なびかないなぁ……やっぱり、あれだけかっこいい人は彼女でもいるのかな?でも、いないって言ってたし」
髪を揺らしながら、一人で悶々と考えるその様は、恋する少女そのものだった。
「やっぱり、諦めないでがんばろう!!そうすればいつかはきっと……」
「諦めてもらえるかな」
ふと、頭上から響いた酷く威圧的で高圧的な声に、ミルトゼリアは驚いて動きを止めた。
「……ど、どちら様でしょう?」
どこからともなく聞こえた声に話しかけると、そのあと彼女は目の前に起きている現実を疑った。
白い翼の生えた少女が、翼を羽ばたかせながら降りて来たのだ。
「アルスはね?私のものなの。悪いけれど、手を出さないでもらえる?」
ニコリとしているのに、全く優しさを感じない、抑揚のない言葉。
「あ、アルスさんは誰のものでも……というか、あなたは誰、ですか?」
「私?私は、そうだねぇ」
白い翼を生やした少女は、翼を畳むと、白いマントを羽織った。
「あ、あなたはっ……」
ミルトゼリアが言いかけた瞬間、彼女は首元に冷たい塊を感じた。
「さしずめ、悪魔ってところかな」
細長いナイフを、ミルトゼリアの首筋に当てる少女。
「いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも見ていてはらわたが煮えくり帰っていたんだけど……もう限界なの」
「限界って、なに、が?」
震えるミルトゼリアを構うことなく、淡々と述べていく少女。
「私、もうおかしくなっちゃいそう。あなたみたいな奴らがアルスと接触する事が、いいえ、同じ空気を吸っているだけで耐えられないの。今までアルスのために耐えて来たのが信じられないくらい」
「も、目的は……?」
「目的?そんなの決まってるじゃない」
少女は、ミルトゼリアの首元にナイフで線を描く。
「私のアルスから手を引いて。具体的には、あのお店をやめて。アルスには2度と関わらないで。さもなければ」
ナイフを少し横にずらす少女。
ミルトゼリアに、鋭い痛みが走る。
「……ッ!!わ、わかりました」
「そう。残念。わかるんだ。
「……え?」
「歯向かってきたら、遠慮なく殺せたのに」
それだけ言うと、少女は白い翼を羽ばたかせて空に消えていった。
ミルトゼリアは、首筋から流れた血に顔を青くし、アルスから手を引くことを決めた。
「ふふ、アルスにひっついていた子を殺せなかったのは残念だけど、まぁいいや。あと数人。今、アルスにまとわりつく邪魔な女どもを消すね。待ってて、アルス」
少女は、一人不敵に笑うのだった。
ーー
金属音が響き、扉が開く。
「あれ?アルスどうしたの?お店は?」
ひょっこりと廊下から現れたルレーが、僕の顔を見つめた。
「それがさ、従業員の人がみんな突然辞めちゃって……僕一人じゃ開店できないから、店を閉めて帰って来たんだよね」
僕は暗い気持ちから俯いたまた寝室へと向かう。
「そっか、それは大変だったね」
ルレーは、僕の両脇から手を入れて僕を抱きしめると、優しく微笑んだ。
「次は、絶対にやめないような子を雇うといいよ。私みたいな、ね?」
「でも、君には翼があるから悪魔に狙われるんじゃ」
「翼を隠す方法を見つけたんだ」
「翼を隠す?って、どうやって?」
「マントを使うの」
「あ、なるほどね」
マントと聞いて、僕は常連さんの事を思い出した。あの人には申し訳ない事をしてしまったな。また来てくれるだろうか、彼女は。
僕が寝室に行って倒れると、ルレーも僕の隣で寝た。
「大丈夫。2人だけでやればうまくいくよ、きっとね」
耳元で囁かれて、思わず僕は彼女を抱きしめた。
「そう、それでいいんだよ。それで」
僕は彼女の胸の中で目を瞑った。
やがて、僕は眠りについた。
ーー
眠りについたアルスに、ルレーが抱きしめながら語りかけていた。
「あ〜〜!!私の可愛いアルスぅっ!今まではアルスのために我慢してたけど、もう我慢しなくていいんだよね?アルスを独り占めできる!!嬉しいなぁ」
眠るアルスの頭を撫でるルレー。
「長かったなぁ。天界でこんなにかっこよくて可愛い子を見つけられてから、もう半年……これでこそ、悪魔に殺されかけたフリをした意味があったものだよね?今じゃ私の事を心配してくれるし、キスしてもまんざらでもない。私を妻って認めてくれるのも時間の問題ね?アルス」
ルレーは、アルスの額にキスをすると、自らも眠りについた。
短編だと中々うまくいきませんね。難しいです。次回は、自分で書きためていた長編を区切りの良さそうなところで終わらせたいと思います。
繰り返しくどいようで申し訳ありませんが、ブックマーク、本当に嬉しかったです。
読んでいただきありがとうございました。
コメント、ブックマーク、してくれますよね?え?しな、い?ねぇ、ちょ、ちょっと、どういう事?!ねえ、聞いてるの!?私、言ったよね?前に何回も言ったよね?!ブックマークとかコメントをしてくれるとヤンデレ度が上がるって!!どうして?ねぇ、どうしてしてくれないの?!私の小説好きなんじゃないの?!好きだから読んでるんでしょ!?ねえ答えてよ!!どうしてブックマークしてくれないのっ?!やっぱり……浮気してるんでしょ!!ツンデレとか先輩キャラとか!!そういうのばっかり見て!!私の事なんてどうでもいいんだ?!離さない、絶対にあなたを掴んで離さないから!!離してなんて、あげないからっ!!
ここまで真面目に全部読んだあなた様はヤンデレが好きなんですね?そうですかそうですか。ありがとうございました。読んでいただけて嬉しいです。