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彼と彼女の日常 芽美・光

ずっとやりたかった事です。ずっとずっとやりたかった事を今、始めました。更新は不定期です。

申し訳ありません、今回はあまりヤンデレにはなっていません。ご注意ください。

鳥の甲高い鳴き声、眩しい日差し。

なんて事のない朝だ。

僕は鞄を肩にかけながら、通学路を歩いている。

「お、おはよう……月川、くん」

ふと、後ろから声をかけられた。

振り向けば、そこには髪を下の方で二つに結った上目遣いの女の子が。

「やぁ、おはよう。吹谷さん」

僕がニコリとわざとらしく微笑むと、彼女は少し不服そうに俯く。

「……その、なんで?」

言葉足らずなのはきっと自分でもわかっているのだろう。

まぁ仕方がない。彼女は昔からそういう子なのだ。

吹谷(・・)さんこそ、なんで?」

「だ、だって……もう高校生だし。その、特別仲良くしてるわけじゃ、ないし」

「あ〜あ、残念だったなぁ!僕はてっきり吹谷さんみたいな可愛い子と付き合えているのかと思っていたんだけれどそうかぁそうだったのかぁ特別仲良くしてるわけじゃないのかぁ」

「あ、そ、そのちがっ!違くて!!」

「何が違うのかなぁ?僕は悲しいよ……失恋はこんなにも辛いものなんだね」

目元に両手を当てて、おいおいと泣き真似をしてみる。

「だっ、だからっ、みんなの前では、特別仲良くしてるわけじゃ、ない、って言いたかった、だけで!!」

少し、いやかなり慌てて訂正をする吹谷さん。

頰から目元を通って耳まで真っ赤になっている。

「そうなの〜?じゃあ僕達の関係はぁ?」

笑いが抑えられない為、僕は前を向いたまま後ろから追いかけてくる吹谷さんに話しかける。

「そ、その、だからっ」

「だから?」

「だから、私達、は……」

「私達は?」

「わ、私達は……」

顔を真っ赤にして俯く吹谷さん。

「く、くくっ」

「つ、月川くん!!」

笑いに堪えきれなくなった僕が、彼女にぽかりと肩を叩かれる。

頰を膨らまして不服を訴える様は、まるで冬眠に入る前のリスだ。

リス、見たことないけど。

「いやぁごめんごめん。あんまりにも光の反応が面白くって、つい、ね。出来心だ。許して」

「も、もう!……それ、くらいなら、いいけど」

「けど?」

「名前は、呼んでくれなきゃ、やだ」

真っ赤になった頰のままに、軽く僕を睨む光。

「可愛い」

「?!」

「いや、いつも思ってるけどさ。可愛いよ、光」

ますます赤くなる光の顔。その頰がまた膨らむ。

「う、嘘つき。私、し、知ってるもん、皆川さんとか、色んな女の子に同じ事、言ってるの」

「確かに、僕は嘘つきかも知れないね」

「や、やっぱり!!私の事、本当は可愛いなんて思ってな」

「光が僕の中の『可愛い』の基準になったら、光以外の女の子には、お世辞を言ってしまった事になる。ああどうしよう、これでは他の子に褒めてと言われた時なんて褒めればいいんだろうか」

「ぅ、うう……ばか」

ぽかり。本日2度目の肩たたきであった。

「それで?」

「……なに?」

「光はいつになったら、昔みたいに僕の事を下の名前で呼んでくれるのかな?」

「え、っと、それ、は……」

人差し指同士を合わせてもじもじとする光。

「他の子達には、付き合ってる事、知られてないし、地味な私が、月川くんの事を名前で呼んだら、みんな、びっくりする」

「まぁ確かに、人気者の僕の名前を呼ぶのはハードルが高いかもね」

「なるしすとめ……」

「でも光?ここには僕ら以外の生徒はいないと思うけど?」

「突然、来るかも知れない」

「言い訳だね。本当はこの通路から高校に行くのは僕らだけだって知ってるくせに」

「し、知らないし!」

僕は立ち止まって光の両肩を掴む。

「へぇ?人の嘘を糾弾するのに自分は嘘つくんだ」

そして、光の目をじっと見つめる。

「つ、月川くん……その、目」

「目が、何?」

「は、恥ずかしいから、み、あんまり見ないで」

そっぽを向いて目をそらす光。

「ほほう?僕は恥ずかしがっている君が見たい」

「へ、変態!」

「ぐふっ?!」

ここでまさかの『変態』だと?!光からそんな言葉が出ようとは……。僕の心がえぐれた。

光は、僕の腕を振り払ってスタスタと歩いていってしまった。その足取りは、どこか怒りっぽい。

……いじめすぎたかな。

僕は少し反省して、光の後ろを追いかける。

「ごめんごめん、僕が悪かった。恥ずかしがり屋さんの光が、あんまりにも可愛いものだから」

「また、そう言う……!」

「あ、ごめん今のは素」

僕の言葉に動きが止まる光。

「っ!!……も、もう!月川くんなんて、知らない!!」

顔を真っ赤にしながら、ロボットのようにぎこちない動きでカクカクと歩いて行く光。

ま、光が可愛いのが悪いよね。可愛さも度が過ぎれば罪だね、うん。

いや光は全く悪くないんだけれども。

「これが10年間続いてんるだから不思議なものだよね」

「月川くんの、Sっ気は、少しくらい、抜けてもいいと思う!!」

光さんは、珍しくご立腹のようだった。

やがて他の生徒が通学路に混じり出す頃、僕は泣く泣く光から距離をとる。

光が、僕と付き合っている事がバレたら恥ずかしいから、と言うので、僕と光は表立ってはカップルどころか友人のように会話する事さえ無い。

「っはよー芽美(めぐみ)

「おはよう、タク」

僕が教室に入るのと同時に、男子が一人近づいて来る。

「はぁ」

「んだよ朝から辛気臭ーな!なんかあったのか?」

背中をバシバシと叩かれると、光の優しい肩ぽかりが恋しくなる。

「まぁ、ね」

「彼女の事でも考えてたのか?」

「まーねー」

窓際の1番前の席の僕は、廊下側で1番後ろの席の光を見つめる。

うわ、また読書してるよ……友達作ればいいのに。お節介したいけど、後で本人に余計なことするなって怒られるんだよなぁ。

「お、おい、嘘だろ」

「え、なにが?」

「み、みんなァ!!あの芽美が彼女いるって言ったぞ!!」

僕がしまったと思うより先に、タクの大声が教室に響き渡り、クラスにいる生徒全員の目が僕に向く。

「え、え?!嘘!芽美君彼女いるの?!だれだれだれだれ?!」

「ちょっとマジで気になるんだけどっ?!」

「芽美って彼女は作らない主義だから告白されても断ってるんじゃなかったか?な、芽美」

「う、うん!そうそう」

「え?でもさっき彼女の事でも考えてるのか、って聞いたらさ、廊下側の後ろの席見ながら、まーねーって言ってたぞ」

「ばっ、ばか、タク!なに言ってるんだよ!!」

僕は自らのミスを必死に拭おうとする。

「後ろ見てたのは偶々だよ!偶然!」

「廊下側の後ろの席……」

「あ、由利じゃん?可愛いし」

「え、わ、私?!ちょっとやめてよ恥ずかしいんだけど!」

おいおいお前らちょっと待て。1番後ろの席の廊下側!!ドンピシャの席に読書してる滅茶苦茶可愛い子がいるだろうがっ!!タクも気づけよそこはっ!!

ほとばしる怒りの感情から、こめかみがヒクヒクしてしまう。

「あ〜、由利この前、部活の合宿で芽美が好きだって言ってた〜〜!」

「え、ちょ、嘘マジで?!」

「ちょっと沙耶、なに言ってるの!!ち、違うからね!!芽美君違うからっ!!」

「お似合いじゃね?美少年と美少女のカップルとか」

「あーね!わかるわ〜!!」

「もうみんなぁ〜〜!!私そんな可愛いく無いって!!」

「芽美は由利の事どう思ってんだよ?!」

「……可愛いんじゃ、ない?かな、あははは」

騒がしい朝の中で、グシャリ、という紙の音がした。みんなは気づいていなかったが、僕は気づいた。

「だってよ由利!!やったな!告ればいけるぞ!!」

「ちょっと匠!!なに言ってるの?!」

ゆっくりと、自分の身体から血の気が引くのを感じる。

人目を忍んで、ちらりと光の方を見た。

「いっ?!」

光の読んでいた本が、2センチほどの厚みがあるにもかかわらず、縦方向に真っ二つに折れ曲がっていた。

「お?どうかしたか?芽美」

「い、いやなんでも……」

ここで、予鈴が鳴り響く。

「ほ、ほらみんな、こんな話してないで席に戻りなよ」

「だな〜」

匠の言葉を皮切りに、みんなが自分の席へと戻っていく。

こうして、少し騒がしい朝が終わった。

学校の中で光と話す事は、光の意向でできないため、弁解をするのは帰宅時間の放課後以降となる。

やがて本日終業の号令がかけられ、ホームルームが終わる。

さて、と……光に弁解をしないと。帰りの準備を始めている光のところへ行こうとした時だった。

「芽美君、今、ちょっと、いいかな……」

そこには、由利がいた。

「うん?いい……けど」

逡巡した後に後ろの席を見ると、すでにそこに光はいなかった。

「……芽美君?都合悪いなら今度でも」

「いいっていいって、気にしないで。それで、話ってなにかな」

僕が尋ねると、顔を赤らめる由利。

「その、ここじゃ話しにくくて……できれば人のいないところに」

「わかったよ。えーと、屋上は入れないから屋上の扉の前でどうかな」

「うん、大丈夫。ありがとう。なんかごめんね」

「いいって」

僕らは屋上に続く扉の前、人気がないところへと移動した。

光の事が気になっていたけれど、今は仕方がない。

「それで、話って?」

「その、芽美君、私、私ね!?」

「うん」

「め、芽美君の事……好きなの!!」

少しだけ大きな声で叫ばれた声は、廊下に反響した。

「そっか、ありがとう」

ニコリと笑ってみる。

「……そ、それで、返事、は?」

「返事って、僕と付き合いたいって事?」

「そ、そう!」

「ごめんね。僕、彼女は作らない主義なんだ」

僕は少し神妙な面持ちで言う。

まずいな……時間が経てば経つほど光の機嫌も悪くなる。早く弁解に行かないと。

「な、なんで?!私の事嫌い?」

「いいや。嫌いじゃないよ」

「じゃあ好き?」

「好きか嫌いかで言えば好きだよ」

「ならどうして、付き合ってくれないの?」

じりじりと迫ってくる由利。僕もそれに合わせて後ずさる。

「言ったでしょ、彼女は作らない主義だから」

「なんで?!」

「なんでって言われてもなぁ……」

「私、告白したんだし、聞く権利があると思う!」

光がいる事は極力話さないようにしていたんだけど。まぁ、仕方ないか。

「……誰にも言わないでよ?隠してるから」

「うん。言わないから教えて」

僕は軽く深呼吸をしてから、小さく呟いた。

「彼女がいるんだ」

「……嘘」

「嘘じゃない、本当」

口元に両手を当てる由利。その目には涙が浮かぶ。

「彼女、作らないだけでいないって言ってたじゃん!騙すなんてひどいよ!!私馬鹿みたい!!」

「ごめんね。でも彼女に恥ずかしいから隠してくれって言われてるから」

「誰」

「え?」

「その彼女、誰なの?この高校の人?」

「同じクラスだよ」

「美咲?」

「違う」

「麗華?」

「違うよ」

「じゃあ誰?!」

「ごめん、流石にそれは……」

ここで光の名前を出すと、光に何かあるかもしれない。例えば、いじめとか。自分で言うのもなんだけど、僕はモテる。そんな僕が光にぞっこんだなんてバレたら。それこそ光はリンチにあってしまうかもしれない。

「教えてくれたっていいじゃん!」

「本当にごめんね、それは」

ツカツカツカと、靴の乾いた音が地面に当たって響く音がした。

「私」

「「え?」」

振り向くと、そこには光がいた。

「私が、芽美の彼女。恋人だよ」

肩にカバンをかけて、冷ややかな表情で薄ら寒さすら感じる笑みを浮かべている。

「えっと、吹谷、さん?だっけ」

由利の目が、明らかにそれまでのものとは変わる。しっかりと光を睨んでいる。

「そんな敵意むき出しで睨んでも何も変わらないと思うけどね。私は芽美の恋愛対象。あなたは対象外。この事実は変わらないから」

「ひ、光……」

いつもよりも饒舌だ。間違いない。彼女は、光は、かなり怒っている。温厚な光がここまで敵意をむき出しにするなんて滅多にない事だから。

「……芽美君、本当にこの子が芽美君の彼女なの?」

まぁ、光から認めたんだし、僕も認めていいよね。

「うん。そうだよ」

「あなたには残念だろうけど、これは事実。あなたは泥棒猫。私が正妻。あなたは夫に言いよる不埒者」

「ちょ、光さん?僕ら結婚してないよ〜〜」

「確かに、まだ、結婚はしてない」

「あ、結婚する事は決定なんだ」

僕がその一言を発した途端、光が目を見開いて僕の元へ歩み寄る。

「嫌なの?」

「え、い、いや」

「ねえ、芽美?私、今、プロポーズしてるの」

僕は壁際まで追い詰められ、下から顔を近づけられる。

「へ、へえ?このタイミングで?凄いね」

顔は上を向きながら、目線は下に。光がとても近くにいる。

身体が密着して……うっ、いい匂いが。

「少し、いつもより慌てているの」

頭がクラクラするのを堪えながら、光と話す。

「な、なるほど、饒舌なわけだ」

今のは皮肉。まったく、なんでテンパると饒舌になるのか……普段からこう喋ってほしいものだ。

「いつもは、二人きりだと恥ずかしくて、話せない」

「なら今度から脇に誰かにいてもら」

瞬間、鈍い音が場に響いた。

「っだぁぁあああ!!、」

光の右足が、僕の両足をまとめて粉砕した。

思わずその場にうずくまる。

「ねぇ芽美?どうして二人きりの場に、他の女を置こうとするの?」

「じょ、女性を置くとは一言も発しておりませ」

再び響く鈍い音。

「っぅぅうううううっ!!」

や、やばい。2度目は冗談抜きで痛い。

僕は、光が本気で怒ってる事をよく理解した。

「屁理屈は聞いていない」

屁理屈じゃない、なんて言おうものなら3度目の足踏みだ。今度こそ骨まで粉砕される。

「ふ、吹谷さん……!!あなた、何してるの?!芽美君、痛がってる!!」

こちらに来ようとした由利を手で制する。

「僕が悪いんだよ、僕が」

「……」

光の目元に影がさす。可愛らしかったはずのそれは、鬼の形相へと変わり、僕を睨みつける。

「わ、悪かった。僕が悪かったよ。今は二人の時間だ。他の女の子の話はしない」

「そうしてくれると助かる」

何が起きているかわからない、といった様子の由利。

「由利、悪いんだけど帰ってもらえるかな?告白の返事は悪いんだけどノーで。断らせてもらう」

「い、いや、でも。その、吹谷さんが……」

「大丈夫!これはいつもの事なんだ。約束を守らなかった僕が悪いだけでさ!」

僕の必死の説得で、由利は渋々と階段を降りていく。途中、彼女は何度か振り向いていたが、僕は微笑んで大丈夫だと言う事を示した。

「さて……光」

僕はゆっくりと立ち上がって、光を見つめた。

「なに、月川、君」

急にしおらしくなった光は、先ほどまでの鬼の形相からは一変、可愛らしい女の子になっていた。

「今回は僕が悪かった。いや、今回も(・・・)、か」

「うん。それで?」

「……光が怒ってるのは、あれだよね。僕が由利を可愛い、って言ったから」

「それで?」

やばい、可愛い顔をしてるのに声に抑揚が無い。

僕は、体の芯から冷えていくような錯覚に陥る。

「その後、告白を受けに女の子と二人きりになった」

「それで?」

「光が来てからも、由利の方を何回か気にした。光を最優先にするべきだった」

「……まぁ、許してあげる。私は、優しいから」

「あ、ありがとうございます?」

僕の両足を踏み抜いておいてよく言うよ。

「文句でも?」

軽く睨まれた。

「ございませんとも」

僕は苦笑いをした。

する事ももう無いので、僕らはそそくさと校舎を出た。

「ねぇ、月川君」

「何?」

「月川君が18歳になったら、結婚しようね」

「あはは。僕まだ高校1年生なんだけどなぁ」

「しようね?」

ぎゅっと手を握られた。

「思いが重い」

「約束、破るつもり?」

「……幼稚園生の時の?」

「そう」

「いや、あれはノーカンじゃあ」

「は?」

ギリギリギリッ。僕の手に、光の手の爪が食い込んだ。

「……わかったよカウントするよ。しますします結婚します」

「本当、に?」

僕を見てにんまりと笑う光。

「うん。約束しちゃったものはしょうがない」

「ふふっ、ふふふっ、やったぁ」

僕の言葉に、光は緩んだ口元が戻らない様子だ。

「あ、月川君」

「何?」

「明日、付き合い始めて、10周年、だね」

「……この歳で10周年っておかしいと思うんだよね僕」

嬉しくないわけではないけれど、どうしても笑顔が引きつってしまう。

「明日、二人きりで、ずっと、一緒に、いたいな」

「…………そ、それは、どういう」

「文字通りの意味、だよ?」

「学校を休め、と?」

僕の言葉に、光は不思議そうに首を傾げた。

「そうしなくちゃ、邪魔な女とかが目障りだよ?」

「め、目障りですか……」

「大丈夫、足が骨折したから、学校に行けないのであって、ズル休みじゃ、ない」

「……補足しておくけど、僕、現時点では足の骨は折れてないよ?」

「うん、知ってるよ?」

にんまりと、闇の深い笑みを浮かべる光。

内心も身体も冷や汗が止まらない僕。

「はぁ、わかったよ。そんなに僕がモテてるのが気に食わないのね」

「うん。モテるのはいいんだけど、女とか男とか、みんな邪魔。消えればいいのに」

さらっと言いのける光さん。

「……光って、友達いないよね」

「だって、いらないもん」

「わかったよ、大人しく告白された報いを受けますよ。何?僕足折られるの?」

「そ、その、いっぱい、私の事好きって言動を示したら、やめてあげる」

顔を真っ赤にして、俯く光。

可愛いなこの野郎。

「あーあー、なんでこんな問題だらけの女の子と付き合ってるんだか。まったく、光が可愛くなかったらとっくのとうに別れてるよ」

僕は、軽く光の頰に口づけをした。

一瞬、握られた手から力が抜けて、すぐに僕の右腕全体に重さが加わる。

「こんな事して……恥ずかしいんじゃないの?」

ふるふると首を振る光。

「………そう」

恥ずかしいから普段は月川君と呼ぶ?みんながいるから学校では話さない?

違う。僕は知っている。彼女は、僕を監視しているのだ。僕が浮気をしないように。自分のいないところで、浮気なんかされたらたまったものじゃないから。だからいつも僕を一人にさせて、徹底的に自分が監視されている事を僕の脳に植え付けようとしているのだ。いざ、僕が誰かと二人きりになろうとすれば、監視をやめて自分の存在を誇示する。

僕の腕に抱きつく彼女は、一体どこまで計算しているのだろうか。

芽美(・・)大好き」

彼女の目が、怪しく光っている事には、もうだいぶ前から気づいている僕である。

全然ヤンデレじゃなくてすみません。話としてすら成立していないかもしれないですね。下手ですみません。長編ならばヤンデレを描けていたのですが(自分で言っているだけです)、短編となると難しいですね。これからはもっともっとヤンデレになっていくように頑張ります。コメントなど何かしらして頂けるとヤンデレ度合いが高まると思います。これからも宜しくお願いします!!

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