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1ノ2
前世について尋ねると、確か女神らしい一応女神の女神は言っていた。
「えー。ゲンジツ?行きたいのなら、探しに行くか、魔王倒せば願いが叶うかもよー?」
そう言い捨てて女神は拗ねたまま異世界への手続きを済ませ、俺をこの世界へ放り込んだのだ。
天国から降りて来たとはいえ、死後の世界と感じることはなかった。
しかし、何もない。
よりによって草原の中心と思わしき場所から旅立つことになるとは。
しばらく歩いて小さな村を見つけ、情報収集してみると意外なことが判明する。
話している言葉は日本語と全く同じだが、この世界ではセイム語と呼ばれ、世界共通で使われているらしい。
それから俺は新たに村や町、洞窟や神殿を探しては、出現したモンスターを倒して死なないように工夫して生きた。
何万との人や魔物と出会い、何百との仲間と共に出会いと別れを繰り返しては、旅を続けた。
そう。ラスボスを倒して現実世界に戻るために。
最終回のクライマックスで途切れて観ることができなくなってしまったアニメ「生まれ変わったら魔王でした!」の最後のシーンをこの目に焼き付けるために!