表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

始まりの終わり?

ゲームで例えると、ストーリークリア後のイベントやDLCからまた旅を始めて楽しんでいく、といった物語です。


もちろん今まで出会ってきた仲間や敵も登場します!


主人公は現実に帰ることができるのか・・・一応、頭の中に放り込んでおいてください。m(__)m

 俺たちの長い冒険に、ついに終止符が打たれた。



 これまで何度も挫折し、この手が地に着いては仲間に支えられ、俺は何度も立ち上がってきた。



 腕を失くし、剣を持つことができないこともあった。自分の力を過信して洞窟に入り、迷った挙句に利き腕を肩ごと噛みちぎられた。



 出会ってからそいつは、親友となった。何事でも、こんな俺の相談に乗ってくれてどんな時でも頼りになった。



 しかしそばにいて欲しい時に、隣にはもう、いなかった。俺を助けるために、あいつは命をかけて大罪の大魔女を討ち取ってくれた。



 村で殴り合いを止めようとしたが、誤解を招いて悪者扱いされ、村人たちから暗殺されかけたこともあった。



 すると勘違いをしたにも関わらず、村で厄介者にされている人が俺を匿ってくれたときは、自分が情けなくなり、純粋な優しさに気付かされることもあった。



 仲間だと思っていた奴に裏切られ、武器と金が全部なくなったことも。けれど、翌日に戻って泣きながら謝られ、理由を知ると俺は自分を抑えて許し、彼女とは深く打ち解けた。



 そして彼女とは、一生忘れられない関係になったことも、あった。



 まだまだ語り足りない数多の冒険の思い出が、頭の中で鮮明に、一斉に蘇る。


 今までの思い出が自身を作ってきたことを、今まで数えきれないほど出会ってきた仲間が、見えない力で自分を支えてくれていたことを。



 本当に今の俺には、感謝の言葉しか見当たらない。



 今までの冒険の全てに幸せを感じた俺は、柄にもなく、涙が零れた。



 それなのに。



「なのに・・・なんで現実世界に戻らないんだああああぁぁぁぁ!!!!」



 魔王討伐を終えて笑顔を取り戻し、祝祭のパレードが開かれているこの町の隅で、俺は絶叫した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ