喧嘩のよる
君が怒った。
「もういい!」と家を飛び出した。
僕も、その時は怒っていたから無視をした。
そのことを今では後悔。
君がいない部屋は、こんなにも広い。
君がいない夜は、こんなにも寂しい。
でも僕はまだ電話をかけていない。
なんでなのか、自分でもわからない。
「…ごめん」
誰もいない部屋に向かって謝る。
この言葉を君にかけられれば良いのに、言えない。
君の笑顔、匂い、仕草。
全てが今では思い出。
「…ごめん」
また言ってみる。
でも誰にも、隣の隣人にも聞こえない。
時刻は深夜5時。
寝る気にもなれず、携帯を眺めてみる。
なにも言わない携帯を眺める。
段々と空が赤に色づく。
朝日が昇る光景を眺める。
僕は携帯を手に取り、耳に当てる。
「…ごめん」
今度は君に伝える。
君は「ーーーーー。」