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緊張
翌日、僕は莉央さんに言われた通り、
放課後、地学室にいた。
三十人くらいはいるだろうか、
この中からたった十人が........天文班に、
入れる.......
隣の波も珍しく緊張していて
少し震えていた。
『ねえ、ちゃんと、入れるかなあ?』
こういうとき、どう返そうかすごく悩む
安易に安心感を与えて、もし、
入れなかったとしたら............
「分からない、けど....きっと入れるよ」
僕にはこの返し以外、思い浮かばなかった
その時、扉が開いた
『えー、お集まりの諸君!こんにちは!』
莉央さんだ。いつになくテンションが高い
のが分かる。
『今から振るい落としをはじめまーす!』
その後のことはもう思い出したくない。
プレッシャーに押しつぶされそうだったが、なんとか、僕と波は、天文班に入る
ことができた。
ほんとに大変だったが、この事実は
もう、変わらない。入れたのだ、やっと
やっと.....。