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白
「まぁ、綺麗…」
真っ赤な椿が咲き乱れる。
私の名前はお希沙。
江戸のとある村の娘。
「お希沙、話があるの」
今日は11の誕生日。
母上は何を言うのかしら?
「お希沙、お前ももう大人…」
大人、という言葉に少し嬉しくなる。
「この着物を着なさい。」
母上の取り出した着物は真っ白な美しい着物だった。
「何故?いいの??」
少し薄いのね、透けてるわ。
「…早く着替えなさいな。」
母上は悲しそうな顔をしていた。
とりあえず私は着替えた。
やっぱり、薄い。
そんなとき、男達が家に入ってきた。
「これか?」
私を指さし、母上に訪ねる。
「ええ。」
「へぇ…なかなか良いですねぇ」
男達は私を触る。
「嫌、母上…?!」
「お希沙、元気でね、すまないね。」
母上は泣いていた。