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第2回:『ストーリーの構築』

第2回:『ストーリーの構築』

 今回は『小説』の原案となる『ストーリー』の構築についてお話ししたいと思います。

 さてさて、前回は長々と『素材集め』の話をしてしまいましたが、今回からはいよいよ、実際に物語を綴る作業、手に入れた原石を加工していく作業に入っていきます。


1.『ストーリー』とは

 まず、根本的なところから説明したいのですが、一般的に、今のライトノベル業界では『ストーリー』と言うと『あらすじ』的な意味合いを持たされてしまっています。

 しかし、ここで言う『ストーリー』とは、物語の世界で起きている出来事を時系列に沿って並べたものであり、『物語の世界の歴史』であることを留意してください。

 前回から用いている『拾った宝石の原石を加工していく』という流れの中においては、『原石を宝石の域へ研磨していく』作業に当たります。


2.『テーマ』を『ストーリー』へ

 自分が「書きたいっ!」と思えるような『テーマ』があるのであれば、この作業は苦労しません。

 ただひたすらに、自分が思い描く世界を、起きた出来事の順番に書いていけば完成です。

 『書く』といっても、こまごまとした小説風の描写をぎっちりしっかり書き込んだ物を書くわけでは無く、おおまかな世界の流れをメモしていくと言った感じの作成で大丈夫です。なにしろ、あなた自身が描いた世界なのですから。

 

 なお、この段階で『テーマ』が『ストーリー』へと研磨できなかった場合、あなたが道ばたで拾った小石は「宝石の原石ではなかった」か「今の技術では加工できない」ということなので、延々そこで悩むよりは、新しい小石を拾い直しに行くことをオススメします。(第1回へ戻る)

 


3.『ストーリー』を構築する意味

 頭の中で描いてる世界をメモするだけなら、特に「この工程はいらないんじゃないか」と思ったあなたっ! 右から2列目、前から4列目のキミっ! それは大きな間違いですよ!

 頭の中で描いている世界というのは、常に変遷を繰り返し、少しずつ描いている世界は変わっていきます。

 

 なぜ、このようなことが起きるのかというと、私たちは「良い物を書きたい」と思って書いています。

 作品を改良するために色々と勉強をして、新しい作品を読み、いろんな分野に手を伸ばすことになるでしょう。

 そうすると、最初に思い描いていた世界はあれこれ矛盾が出てきて、その矛盾を直すために設定が変わる……結果的に、『テーマ』から大きく離れた『ストーリー』が出来てしまう。

 いわゆる、『後付け優先の法則』が幅を利かせてしまうわけです。


 書き始める前であれば、『ストーリー』が変わってしまっても、冷静に見つめ直すことで物語の全体像を修正することは可能です。ですが、書き始めてから、この状態に陥ってしまうと、目も当てられません。

 それ故に、今、あなたが頭の中で描いている世界をつなぎ止めるために、『ストーリー』をメモすることが必要になるのです。

 この症状は、熱心に勉強をされている小説家志望の方が発症することが多いので、必死に取り組んでいる方ほど気をつけてください。


 ちなみに、この『後付け優先の法則』を上手く使いこなして世界観をより豊かに、物語をより深くする技法もありますが、はっきりい言ってオススメできません。

 この技法を用いた場合に起きる弊害としては、まず、物語の『因果関係』が破壊されてしまうことが挙げられます。(因果関係については、『あらすじ』の回で触れます)

 例えば、物語序盤に「この魔法を使えば、何一つ例外無く、あなたは死ぬ」と言われて『最強魔法』を受け取った主人公が、その圧倒的な力を持てあまして、悩み苦しみながら、仲間と共に『最強魔法』を使うことなく試練を乗り越えていく。という話があったとしましょう。

 しかし、これが途中で、「なにかしらの方法」を使えば、一切の犠牲伴わずに『最強魔法』を好きなだけ使えるという設定に変わってしまったとしたら、物語は盛り上がるでしょうか。おそらく、三流のお話でしょう。


 次に、「最強」の敵だったはずの相手を倒したら、「超最強」の敵が出てきて……、という『強さのインフレ』を筆頭に、様々な『価値観のインフレ』が弊害として挙げられます。

 『価値観のインフレ』とは、読者は前作よりも今作に、今作よりも次作により強い興奮を求めてしまう傾向があり、作者側がそれを意識しすぎるが故に、物語のペースを早めてしまう現象です。

 少年誌のバトル系マンガをイメージしてもらえると、わかりやすいと思います。

 そして、この『価値観のインフレ』が発生してしまうと、当然のことながら『物語の終焉』も早まってしまうのです。

 なぜなら、「強さ」に限らず、世の中の全ての事象には『限度』があります。物語の序盤からこの『限度』を肉薄してしまった場合、『限度』がすぐに訪れてしまうからです。

 

 ……話がそれてしまいましたね。

 とりあえず、『ストーリー』を一度メモするというのは、『テーマ』を磨き上げ、『テーマ』に沿った物語を描くためにする作業、と考えましょう。


4.まとめ

4-1.まとめ

 それでは、今回のまとめです。

 最初からここを読もうとして飛ばしてきた方、最初から読みましょうね☆

 

○『ストーリー』

 『テーマ』を元に、あなたが思い描いている世界の出来事を時系列に沿って、書き出していく簡易なメモのこと。『テーマ』が『ストーリー』に昇華出来ない場合、『テーマ』を探す段階に戻って考え直すこと。


○『後付け優先の法則』

 『事前に出ていた設定』よりも『後から付け足された設定』が優先するというライトノベル業界に蔓延している悪い習慣。ネタ切れ寸前になると、これで乗り切る作者も多い。

 物語の『因果関係』を破壊し、『価値観のインフレ』を招く。


○『因果関係』

 詳しくは『あらすじ』の回で触れますが、物事の『原因』と『結果』の関係です。


○『価値観のインフレ』

 物語の中での『価値観』にインフレーション(高騰)が起きてしまうこと。

 

4-2.終わりに

 第2回:『ストーリーの構築』をお読みいただき、ありがとうございました。

 拾った『小石』を選別して『原石』を探し、その『原石』を研磨する作業が終わって『宝石』があなたの手元にあると思います。

 次回はこの『宝石』を具体的にどう加工して『作品』にしていくかの道しるべとなる『プロット』について語らせていただきたいと思います。

 

4-3.次回予告

 次回は第3回『プロット(基礎知識)』について書かせていただきます。



一部、難解な表現を変更いたしました。

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