なにげない1日
さて、今日はいつのことを話そうかな。休み中はほとんどぐーたらしていたからな。そうだな……じゃあ、俺の休みの最終日のことでも少し話すか。
これはだれでもわかるだろうが休み最終日というのは本当に嫌なものだ。明日から学校・会社となれば誰でも嫌であろう。おまけに明日ははじめての通勤になる。通学とは明らかに違う。なんだかしらんが緊張している。
明日になると忘れてしまうが一応今日のうちに空にも伝えておくか。
「空、俺明日から仕事だから、留守番よろしくな。土日は家にいるけど」
「わかった。メモしとこ」
空を覗き込むと手帳には一番上に明日の日付を書き『リョウは土日以外仕事』と書いていた。遼という漢字は面倒くさいのでいっつもカタカナで書いてある。
「明日も一応私に言っておいてね」
「わかってるよ」
今は2人でゲームをしているが、明日からはこういう時間が少なくなるんだろうな。そう思ってしまうとなんとなく寂しくなる。
昼前の時間はこんなもので終わってしまった。
昼になりご飯を作らなければいけない時間になってしまった。ゲームを中断して俺は空に何を食べたいか聞いた。
「えっとねー、なんか麺類」
あいまいだな。なんか麺類は麺類でもラーメンとかパスタとかそういう種類を言ってほしかった。
俺は空の要望に応えるため麺を探し始めた。
「なんかあるかなー。……うどんだけか。空、うどんでいいか?」
「んー、別いいよー」
ゲームに必死なのか俺の質問に適当な返事を返す。
「じゃあ、今作るから、ちょい待ってろよ」
俺は空の「わかったー」と言う返事をなんとなく聞いた後、さっそく作り始めた。
当たり前だが大して時間がかからなかった。ほとんどゆでるだけだしな。
「できたぞ、麺がのびる前にさっさと食えよ」
「いま、食べるー」
ゲームをポーズ画面にしたあと、イスに座り俺を待たずして食べ始めた。
「おいおい、少しぐらい待て」
「え、でも、さっきさっさと食えよって言ったじゃん」
「確かに言ったけど俺が食いはじめるときぐらいまで待てよ」
「わかったー」
ズルズルー、と感じでうどんをまた食べ始めた。俺もその後すぐに食べ始めたけど。
食べ終わった後は当たり前だが片づけがある。これもまた面倒くさい。大体空が手伝ってくれるんだが、いまはゲームに必死だ。ついでになんのゲームかというと、バトルフィールドたる戦争もののゲームだ。CODというゲームも置いてあるが今はバトルフィールドをやっているらしい。
早く片づけして寝よう。と心に決め、片づけをはじめた。
ここからはわかると思うが、片づけを終わらせ寝た。
貴重な休みの最終日だ。別にいいだろう?
「……ん」
ふと目に入った外の風景がすでに夜だ。かなり寝ていたらしいな。起き上がると毛布がかかっていることに気づいた。空がかけてくれたのだろう。その空はと言うと、キッチンで料理をしている。俺も手伝いに行くか。
「なんか手伝うよ」
「あ、起きたんだ。じゃあ、お皿運んで」
すでに終わりの段階だったらしい。
「あいよ」
俺は返事をし、皿をテーブルの上に並べ始めた。
この日はこんなもんかな?一応最終日と言うので話してみたがとりとめもない普通の休みの1日だったな。この後は飯を食い、風呂に入り、寝た。寝るときは空が俺の部屋に乱入してまた一緒に寝た。そしてなぜか空は俺の胸に顔をくっつけて寝た。いつもよりなかなか眠れなかった原因は昼寝をしただけではなさそうだな。