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「すごい、海が見えるよ!」

 ガキかこいつは。前々から探して予約を取っていた旅館に着き、部屋に入ったら荷物を投げ捨てこれだもんな。気持ちは分からなくもないが。

 しかし、海に来るのなんて何年ぶりかな。プールなら友達とかと何回も行ったが海に来た記憶は遠く昔にしかない。旅館に泊まるなんてのも小学校の修学旅行以来かもしれん。果たしてこいつはその記憶を持ち合わしているのだろうか。特に知りたいとは思わんがな。

「で、これからどうするんだ?」

「え、海でしょ?」

 だろうと思ったよ。来て早々だもんな。その解答が来ると思って少し早くこっちに来たのだが少しぐらい休ませてほしい。ちなみに二泊三日だ。

 かと言って朝からここでダラダラするのももったいない。せっかく遊びに来たんだ。遊び倒してやるさ。

 自分の体に鞭を打ち、立ち上がる。

「んじゃ、さっそく行くか」

「どこに?」

「海でしょうが」

「え、あ、うん!」

 必要最低限のものを持ち出し部屋を後にした。


 暑い。太陽が今日も一段とがんばっているようだ。足元からの熱気も素晴らしいな。

 それにしてもなんで着替えって男はパパッと終わるのに女は時間かかるものなのかね。そんなに着替えに時間がいるのだろうか。いまいちわからんな。

 暇で地面にちょっとした砂山を作り始めた時ぐらいに空がやって来た。

「お待たせー」

 水着自体はGWに買ったもので特に目新しさは覚えなかったが、その上からピンク色のパーカーを着ている。普段まとめていない髪も結っている。こいつ、なんていう恰好をしてきているんだ。俺の好みど真ん中じゃないか。

「どうしたの?」

「いや、なんでもない」

 見惚れていた、なんて言えるわけ無かろう。

「シートとかやってくれた?」

「あいつらがな」

 俺の指差した所にはいつぞやのバカップルがいた。前偶然会った時に俺が海に行くと口を滑らせてしまったのだ。案の定ついてきやがった。

「んじゃ、行くか」

「うん」

 自分たちの荷物を持ってバカップルに合流した。


「初めまして、かな。私は遼くんの友達の」

 毎度毎度自己紹介お疲れ様です。と、思っていると

「なにふざけてるの。初めましてじゃないでしょ。優姫ちゃん」

 覚えているだと。俺を含めた三人は呆気にとられた表情をしていた。周りから見たらただのバカだ。

「あれ、名前間違ってた?」

「いや、いいんだよ。合ってる合ってる」

 なんで覚えているんだ。わからんことばっかりだな。これは回復、なのか?

「ああ、じゃあ俺は?」

「アホの昂希くん」

「え、え!?」

「合ってる合ってる」

 うむ、いまいちわからんな。このことも一応次の定期検査の時に報告しておくか。

「遼、なに難しい顔してるの?」

「ん、ああ、すまん。考え事だ」

 さて、泳ぎに行きますか。荷物番はバカップル二人が自分たちがやると言ったので、お言葉に甘えて空と一緒に海に走って行った。

書ける時間が無い、泣きたい

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