帰宅
惣菜を適当に買って家に帰る。さて、空は何をしているのだろうか。
「ただいまー」
返事がないな。何をしているのだろうか。
「空ー?」
リビングに入って名前を呼びかけても返事がない。鍵は開いていたから家に入るはずなんだが。電気もついてたし。
「どこいるんだ?」
カバンとビニール袋を適当にテーブルに置く。ひとまずテレビをつけようとリモコンの電源ボタンを押す。……つかないな。しょうがない、主電源でつけてくるか。テレビを付けた後、キッチンに戻ろうとしたら空がいた。寝てた。そりゃあ見つからないはずだ。ソファの背であちら側から見えねえもんな。
俺は毛布を持ってきて空に掛けてやる。さて、軽く夕飯でも作るか。まあ、ほとんどが惣菜だがな。
あっという間に夕食の準備ができた。惣菜の力恐るべし。
さて、空起こすか。
「おい、空起きろ」
「ん?」
空はむくりと起き上がった。
「あ、遼オハヨー」
「おはよーさん」
まだ寝ぼけているのか顔がぼーっとしている。
しばらく俺の顔を見つめていると急にハッとなった。
「あっ、遼!」
「目覚めたか?」
飯の事でも思い出したか?
「お帰り!」
「お、おう。ただいま」
何言うのかと思ったらおかえりかよ。いや、言ってもらえること自体ありがたいし、嬉しいことなのは百も承知だ。だけどよ、なんか。……うまく口に言えない。
「そういえば今日帰ってくるの早かったね」
「早いって。帰ってきたのは7時半でいつも通りなんだが」
「あれ、そう?じゃあ、今何時?」
「もうちょいで8時だな」
時計を見ながら答える。
「えっ!?ホント?」
「こんなんで嘘つかないだろ」
「あぁ、どうしよ!?」
なんか急に慌てふためいているぞ。あれか?飯作ってなかったことをついに思い出したか?それならな……
「お昼にゲームしてないよ!」
そこかよ。大事なのはそこじゃないだろ。同じゲーマーとしては俺もゲームできる日に昼寝してしまいゲームができなかった時はなんとなく憂鬱になってしまう。それはよくわかるぞ。でも、今考えることは違うと思うぞ。
「お前もうちょい他の事思うことないのか?」
「他のこと?」
しばらく空が考える。
「あっ!」
「思い出したか?」
「夕ご飯!」
やっと俺と同じことを思ってくれたか。
「どうしよう。全然準備してない」
「代わりにしておいたよ」
「え、ホント?」
「早く食うぞ。もう腹減った」
テーブルに向かい、座る。空もとことこと歩いてきて向かいの席に座る。ごはんもすでに準備完了だ。味噌汁忘れてたな。まあ、いいか。
「んじゃ、いただきます」
「いっただっきまーす」
二人で買ってきた惣菜に箸を伸ばしご飯を食べ始めた。
……買い過ぎたか?なんか全部食える気がしない。その時はその時で明日の朝ご飯にするけどな。




