定期検査
さて、またGWの一日の始まりである。今日は必ず行かなければいけないところがある。それは、
「空、行くぞ」
「えぇー、やだ」
「やだじゃありません。ってか、朝に行ったろ」
「そうだけど、なんでGWの日にまで病院に行かないといけないの」
そう、今日は空の定期検査に行くのだ。あの記憶が戻って(多少改ざん)いるのも気になるしな。
「昨日、一昨日みたいにまた、どっかにいこーよ」
「だから病院に行こうって言ってるんじゃねえか」
「病院やだー」
お前は子供か。
「ほれ、行くぞ」
俺は空を置いてけぼりにして玄関に向かう。
「あぁ、待ってよー」
結局空はついてきた。
病院に着いたのはいいのだが、待合室で空はムスッとした態度から戻らない。ガキかお前は。
「子供じゃないもん」
「そうかい」
とか、言っておきながらやはり態度は直らない。
しばらく二人の間で沈黙が続いていると、空の名前が呼ばれた。
「行って来るね」
「あいよ」
そして、空は検査室に入っていった。
……この待ち時間は俺は一番嫌いだ。空がいるときは話していたりもできるのだが、検査中は俺はやることがなさすぎる。本でも持ってくればよかったかな。とか、毎回思うがいつも次の検査には忘れているため、何の意味はない。
暇だ。暇すぎる。
周りが白の建物にいて何をしろと言うのだ。それともあれか、ナースでも見て、目の保養でもしてろってか。
うん、寝よう。
「起きろ」
「へぶっ!」
空に顔をはたかれた。
「何寝てるのよ」
「暇だから」
「はぁ」
なんだその溜め息は。俺への不満か?言ってみろよ。なるべくそこ直さないように努力するから。
「結果は?」
「もう少し待ってからだって」
そりゃそうか。今の技術・医学でもすぐに結果が出たら驚きものだ。ノーベル賞でも取れるんじゃないか?
「んじゃ、また呼ばれたら起こしてくれ」
「わかった」
お、すんなりとOKしてくれた。意外だ。
「呼ばれたよ」
「いでっ」
今度は頭をはたかれた。いたい、こりゃまた一つバカ近づいたぞ。
「わかった、んじゃ、行ってくる」
結果を聞くのは大体俺だけだ。空は聞いてもすぐ忘れるしな。と、思ったが今は覚えられるのか。まあ、いつも通り俺だけしか結果を聞かないが。
ドアを開けて、部屋に入る。
「こんにちは」
「こんにちは」
お決まりのあいさつをかまし、イスに座る。
「では、さっそく検査の結果を言おう」
「お願いします」
「まず、君に聞いた記憶を覚えていることに驚いた。私も記憶を持つことができるなんて予想もできなかったからね。その点はやはり検査ではさっぱりだ。しかし、これはいい方面として捉えようではないか」
医者は書類をペラペラとめくる。
「あとは、これは悪い知らせだ。空さんの脳に腫瘍があった。今のところ命に別状はない。ひとまず、薬を投与しながら動きを見てみよう」
「わかりました」
この後もいろいろとペラペラ言われたが、俺の頭じゃさっぱりだった。
まあ、言われたことをまとめると、記憶を持つことになったのはいいが、脳に腫瘍ができた。これからの動きによれば死ぬかもしれない。って、感じか。
腫瘍ね。考えただけでもいやだな。空には、……正直に言っておくか。もう子供じゃねえもんな。




