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第22話 アジト発見

村長の案内で山賊どものアジト付近まで来たが、詳しい場所までは特定出来ていないようで、仕方なく自力でアジトを捜索することになった。本隊と捜索部隊に分け、本隊にはソフィア、ロゼ、村長、護衛の為に蛮族が五名。捜索部隊には北条泰時が隊長を務め、隊員は残りの蛮族が担うことになり、捜索部隊は意気揚々と山賊探しに出発した。まるでピクニックに出かけるかのように……


(山賊探しに、あそこまでハイテンションで行くなんて、戦闘狂にも程があるわ。本当の戦闘が始まったらどうなるのかしら)



――一時間後



「姫様。只今戻りました」


「泰時、随分と早かったわね? それで山賊共は?」


「ここからさほど離れていない所に、ヤツ等のアジトを発見いたしました」


「それで、ソイツ等の様子はどうだったの?」


「チ、チ、チキショォォーー!! アイツら アイツら……」


「――!? や、泰時! 一体何があったの? 拉致された人達に何があったの?」



「……………………」



泰時はソフィアの問いかけにも答えず、下を向いて涙を流していた。泰時の後ろに控えていた蛮族も、


「「「うおおおおおお!! こんなことがあってたまるかぁぁぁぁ!!」」」


蛮族どもは大粒の涙を流し絶叫していた。ソフィアは蛮族達の姿を見て、想像できる最悪な場面が頭を過ぎる。


「泰時! 答えなさい!! 早く拉致された人達に何があったのか教えなさい!!」


ソフィアは涙を流す泰時の肩を揺らし叫んだ。


「アイツら…… 人間じゃねぇー 人としての大切なものが欠けてやがる」


「「「……………………」」」


泰時の言葉にソフィア、ロゼ、村長の顔は一瞬に青ざめ、次の言葉を失った……


「ア、アイツら…… 町から酒を奪って……」


『ゴクリ』


ソフィア、ロゼ、村長は緊張のあまり固唾を飲んだ。


「アイツら 奪った酒で宴会してやがったぁー! うおおおおっ!! 許せん! 絶対に許さんぞ!」


「「「チクショォォー! よりによって我等の前で宴会をするとは! 生半可には殺さんぞ! 皆殺しの生首祭りじゃー!!」」」


「「「……………………」」」


蛮族共の叫びに、ソフィア、ロゼ、村長は真顔になった。そしてソフィアは声も出さず、おもむろに泰時の後頭部を掴むと、


『ガスッ ガスッ ドゴォ ドゴォ グシッ グシッ ガツンッ ガツンッ』


泰時の急所を的確に捉えた頭部へのエルボーのラッシュが火を噴いた。


「人質はどうしたんじゃい! なんで酒よりそっちの方が優先なんじゃい! このボケナス! 死にさらせっ!! 死ね 死ね 死ね 死ねぇー!! オラァーー!!」


『ドカッ!! ドサッ』


ソフィアは泰時に最後のトドメとして殺人技の一つ、ワンツーエルボーからのローリングエルボーで仕留めた。


「次は誰じゃい! お前かぁ!」


『ガスッ ガスッ ドゴォ ドゴォ グシッ グシッ ガツンッ ガツンッ ドサッ』


ソフィアは次々と捜索部隊の隊員に地獄のエルボー制裁を加え、続々と血祭りに上げた。


「ふぅ~、お前ら次はこんなものじゃ済まさんぞ! ふざけた事しやがったらエメラルドフロウジョンでブッ殺すぞ!」


屍の上で絶叫するソフィアだったが、捜索部隊の隊員にはソフィアの声は届かない……


「お、お嬢様! いつの間にそんな殺人技を収得したのですか!? もうお嬢様のバケモン級エルボーは斬首刑に等しい破壊力です」


ロゼは美しく、そして破壊力とキレのあるソフィアのエルボーに酔いしれるのである。


(あらっ!? うっかり泰時達を予想以上に〆てしまったわ。これじゃ人質救出が遅れるわね。仕方ない……)


『ドカッ ドスッ ドガッ ドズッ』


「お嬢様ッーー!!」


顔を真っ青にしてロゼはソフィアに呼掛ける。


「ハエ?」


返り血浴びまくりのソフィアは真顔でロゼに振り向く。


「お嬢様ッ! それ以上は追い討ちはガチで死んでしまいます」


「そう? 寝てるコイツらを起こそうと思ってやってるんだけど。ダメなの?」


ソフィアは早く人質救出を急ぐあまり泰時達に気付けとして、ケンカキックを喰らわしていたのである。


「お嬢様! それでよけい泰時さん達が目覚めません! お嬢様、ここは一旦落ち着きましょう」


「ロゼがそこまで言うなら止めとくわ」


(折角、起してあげようとしたんだけど、優しさが仇になるなんて……)


お読みいただき誠にありがとうございます。

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