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旧車物語  作者: 3気筒
31/71

第31章 ドタバタ!

 ねぇ真子さん・・・!?」

 大黒の広いパーキングエリアを走る由美が真子に話し掛ける。

「もしかして・・・!凛ちゃんは男勝りなの昔から気にしてたの!?」

 しばらく走っていなかったので息を上げながらたずねる由美に真子は道行く人を1人1人確認しながら悪態をついた。

「原因は・・・全て祖父にあるのよ・・・!!」

「祖父って・・・おじいちゃん!?」

「そう・・・それは後に話すとして、二手に別れましょう・・・!見つけたら誰か呼んでから声を掛けて・・・!」

「わ、わかったわ・・・!」

 そして2人は左右に別れた。走っていく由美を見て、真子は舌打ちした。

「まさか・・・あんなことをまだ気にしていたなんて・・・」

 そして心の中で今は亡き祖父に悪態をつきながら、真子は混雑する駐車場を駆けた。








「はぁはぁ・・・!待って凛お姉ちゃん・・・!」

「凛ちゃん!」

 紗耶香と圭太が息を荒げながら叫ぶ。前にいる凛は走る足こそ止めないが、息が上がったのかペースは次第に落ちていき、ついに駐車場の行き止まりで来てしまい、3人はそこで止まった。

「はぁはぁはぁ・・・!」

「凛・・・お姉ちゃん・・・」

 肩で息をしながら呼吸を整える凛を気遣い、紗耶香が声を掛ける。

「まだ、気にしてたんだね・・・?」

「・・・!?」

 紗耶香の言葉に、凛がビクッと身体を震わす。するとその場で崩れるようにして泣きはじめた。

「うぅ・・・!ち、ちくしょう・・・!お、オレが・・・!オレ達が、何をしたって言うんだよぉ・・・!?」

 そこに居たのは、いつも強気で笑顔な凛ではなく、心に傷を負った1人の少女だった。

「紗耶香ちゃん・・・それって・・・」

 泣き続ける凛を見て、理由がわからない圭太が紗耶香にたずねると、紗耶香は複雑な顔で説明を始めた。

「実は・・・凛お姉ちゃんが今みたいな男勝りな話し方になったのには原因があるんです・・・」

「原因?」

 圭太が聞き返すと、紗耶香は肩を震わせて泣く姉の肩をそっと押さえながら説明を始める。

「今泣いている原因・・・祖父にあるんです・・・」

 すると、凛が肩に置かれた紗耶香の手を握りながら、まだ涙が溢れている瞳を圭太に向けた。

「オレは・・・!き、気持ち悪いって・・・!ひ、必要無いって・・・いらないって・・・!」

「凛ちゃん落ち着いて・・・!?誰もそんなこと思ってない!」

 圭太が言うが、凛は首を横に振って「いらないんだ・・・!オレは、オレは・・・!」と言うだけだった。

 すると紗耶香はそんな双子の姉を抱き締めながら圭太を見る。

「さっきの2人組が言った『性同一障害』なんかじゃ無いですよ・・・?こうなってしまった理由と言うのは、そんな簡単な話じゃ無いんです・・・」

「さっき祖父って・・・じゃあ原因てまさか・・・」

 圭太の顔を見て、紗耶香は首を縦に振った。おそらく圭太の推理は間違えていないと思ったのだ。そしてそれは正しかった。

「祖父は・・・アカギ建設創設者、赤城一朗は・・・私達の父の次・・・3代目の跡継ぎに男が生まれなかったことを酷く嫌っていました・・・」

 そして紗耶香は話始めた。双子として生まれ、家柄をこだわる祖父に邪険に扱われた過去を・・・








 最初の孫である真子が生まれた時、赤城一朗はまだ上機嫌であった。女ではあるが、まだ子供を作らせればいいだけの話と思っていた。

 が、次に生まれてきた双子を見て、一朗は怒り狂った。双子は元気な姉妹だったのだ。そのコトで彼は息子や息子の嫁に激しく憤慨したが、彼女はもう子供を産める身体では無くなってしまったのだ。

 息子達家族は気にせずとも、一朗はそれが気に食わなかった。自分がここまで築き上げてきた会社を、将来どこの誰とも知らない男に取られるコトを嫌ったのだ。

 それからというもの、彼はこの3姉妹・・・特に双子を徹底的に無視した。

 物心ついた小学校2年の時。凛は偶然祖父の部屋の前を通った時に祖父の電話を聞いてしまった。

「全くだ!修一も華恵さんも役にたたん!!1人も男の子を産めないとは全く・・・!」

 それを偶然聞いてしまった凛は思った。

「私が男の子になったら、おじいちゃん優しくなるかなぁ・・・」

 普段優しくもされなければ、話し掛けるだけで睨まれていた。それが怖くていつも怯える気弱な妹を想い、凛は決意した。

「男の子みたいになれば、おじいちゃんも優しくなるんだ!」

 その日から、凛は変わった。もともと活発でわんばく少女だった凛は、学校で今まで以上に男子と交ざって遊ぶことが多くなり、言葉使いも真似した。たまに男子とケンカして泣いてしまうこともあったが、小学校を上がる頃には男子にも女子にも人気のある明るい少女になっていた。凛はそれで楽しかったし、紗耶香もそんな姉が自慢だった。

 そして、中学に上がる時に事件は起きた。

 皆の行く市立中学では無く、私立の女子校に通うことになった凛と紗耶香。その日は2人の進学祝いで親族も集まってパーティーが行われた。

「凛、紗耶香!おめでとう!」

 父が2人に祝福の言葉を贈ると、2人は照れ臭そうに笑った。

「ありがとうお父さん!」

 紗耶香が父に抱きつくと、凛が呆れながら言った。

「おいおい・・・オレ達もう中学生だぜ?いつまでも父さんに甘えたりすんなよなぁ?」

「えぇ?ダメなのぉ!?」

 紗耶香がたずねると、凛は腕を組んで堂々と頷く。

「大人はもう甘えちゃいけないんだぜ?」

「まだ胸無いもん・・・」

「そーいうもんだいじゃねー!!」

 2人が騒いでいると、姉の真子も笑顔でやってきた。

「確かに凛の言ってることも合っているけど・・・甘えちゃいけないなんてことは無いわ?」

「あ、真子姉さん!」

「姉貴!次からまた同じ学校だからな!!」

 2人がそれぞれ言うと、そんな可愛い双子の妹達の頭を撫でながら真子は「まだまだ子供ね」と言った。

「な、なんだと姉貴・・・!オレは大人だ!」

 凛が叫んだ時だった。

「うるさいのぉ・・・!ちっとは静かにせんか!」

 奥で酒を呑んでいた一朗が凛に怒鳴った。

「ご、ゴメン・・・」

 凛が謝るが、一朗は一杯煽るとまた口を開いた。

「大体、お前のその言葉使いはなんなんだ・・・?男の真似事なんてして・・・」

 久しぶりに自分に向けられた祖父の言葉に、凛は笑顔で答えた。

「じいちゃんが昔『男がよかった』って言ってたから、それでオレもそんなこと考えてたらこうなってたわ」

 はっはっはと笑う凛。その笑顔には邪心ひとつ無い。が、それを聞いた一朗は次の瞬間凛を怒鳴り付けた。

「バカたれがぁ!!」

 それだけで、辺りがシーンとなる。怯える紗耶香を真子と2人で隠す。が、一朗の狙いは最初から凛だった。凛の目の前に来ると、酒臭い息を撒き散らして声を荒げた。

「いくら男の真似事をしても!男じゃなかったら意味が無いんじゃこのダラズがぁ!!」

 言って、凛を突き飛ばした。飛ばされた凛は何が何だかわからない。すると今度は胸ぐらを捕まれた。

「人を不機嫌にさせてくれるのぉ・・・!普段見てるだけでも頭に来るというのに・・・気持ち悪い!お前なんて役立たずのいらん子じゃ!!!!それに・・・!!」

「か、会長・・・!落ち着いてください・・・!!」

 すぐに一朗の部下が止めに入る。2人係りで一朗を引きずり部屋を出ていく。が、一朗は部屋を出ても叫んでいた。

「凛・・・!」

「凛お姉ちゃん!?」

 真子と紗耶香が凛の肩を叩く。が、その瞬間。

「気持ち・・・悪い・・・?」

 バタっと音をたててしゃがんでしまった。その顔には、涙があふれていた。

 集まる家族、姉妹、親戚が見守る中で、凛は大泣きした。ただ優しくして欲しかったのに・・・それだけすら、自分が男で無かったから叶わなかった・・・そう想い、凛は悔やんだ。自分がいくら真似事をしても、意味が無いのだと悟った瞬間だった。

 それからしばらくの間、凛はひどく落ち込んでしまった。学校では今まで通りの振る舞いをしていたが、家ではそれをするまでにかなり時間がかかった。

 しかしそれから復活してからは、そんなコトでへこんだり傷つくようなコトは全く無かった。









「そんなことが・・・」

 話を聞いた圭太はその複雑な環境が悲しくなった。

 なぜそんな理由で凛が辛い想いをしなければならなかったのか。彼女の健気な心に傷をつけた彼女達の祖父を、圭太は呪った。

「どうせ圭太も、心の中で笑ってるだろ・・・?普段生意気なクセに、こんなことで泣くオレを・・・」

 涙を拭いた凛が圭太に言った。地面を見ながら時折嗚咽を漏らす。

 そんな弱々しい凛を、圭太も紗耶香も見たくなかった。

「誰も・・・そんなコト思ってない・・・!」

「え・・・?」

 突然、圭太が叫んだ。凛は驚いて上を向くと、そこにはいつになく真剣な顔の圭太が立っていた。

「僕は・・・君がそんなに頑張っていたなんて知らなかった・・・もし僕が同じ境遇だったら、絶対に耐えられなかったと思う」

 そこまで言って、圭太は凛の手を取って言った。

「でも、もうそんなコトで悩まなくたっていいんだよ・・・君は今のままでいいんだ・・・」

「わ、私も・・・!今の凛お姉ちゃんが1番好きだよ!?だからもう泣かないで・・・!」

 紗耶香も凛の後ろから抱き締めて言った。

 そんな2人の励ましを受けて、凛は下を向いて黙ってしまった。表情もなにもわからないが、恐らく泣いているのだろうか。肩が震えていた。

「凛お姉ちゃん・・・」

 紗耶香が凛の顔を覗き込んだ、まさにその時だった。

「・・・ふふっ・・・ふふふ・・・!ふはははははははは!!!!」

 突然、凛が豪快に笑いだした。

「へ・・・?」

「は・・・?」

 今までなぐさめていた2人は唖然として凛を見ていると、凛は「ははははは!あーあ、ちっくしょう・・・へへへ・・・」と笑いながら続けた。

「いやぁ!お前らの言葉聞いてたらさぁ、悩んでるの馬鹿らしくなっちまったぜ・・・!考えてみりゃ、あのジジィは今ごろ地獄だし・・・悩むのはオシマイ!サンキューな!!」

 2人の肩をパンパン叩きながら笑う。もはや完全復活だった。

「よぉし!そうと決ればさっきの2人組をぶっちめに行こうぜ皆の衆!!・・・・ってあれ?」

 1人叫んでいたが、2人の視線に気付いて黙ってしまう。2人共怒りと呆れの交じった顔で凛をじっと見ている。

「まぁいいや・・・それでこそ凛ちゃんってことで・・・」

「ご迷惑をかけてしまって・・・圭太さんすみませんでした・・・まぁ、確かに凛お姉ちゃんらしいですけど・・・」

 圭太がため息まじりに呟くと、紗耶香が圭太に頭を下げた。

「お、おいちょっと待てよ・・・!!なんだよその目は!?」

「「別にぃ〜?」」

 2人の反応を見て、凛は何か腑に落ちなかったが、取り敢えず心の中に閉まっておいた。

「ま、圭太と紗耶香のおかげできれいさっぱりしたし・・・本当にありがとな・・・」

 そう言って、凛は2人に頭を下げた。2人がいなかったら、きっと今頃まだ泣いていただろうことは、凛が1番わかっているのだ。

「オレさ・・・バカなクセに1人で溜め込んで、1人で考えるから実はいっつもストレスが溜まってたんだ・・・だからさっきもあんなになっちゃってさ・・・これからもしこういう事があったら、その・・・頼ってもいいか・・・?」

 凛が恥ずかしがりながらたずねる。すると同じ顔をした妹が凛に抱きついた。

「凛お姉ちゃん?私達は姉妹なんだから・・・なんでも溜め込まないで相談してよ・・・」

 紗耶香がぎゅっと抱き締めると、凛は照れながらも頷いた。

「僕や由美、旭さん達も・・・みんな友達だから・・・困ったらみんなで助け合おう。僕に出来ることがあったら、いつでも言ってよ」

 圭太も凛と紗耶香を見つめて笑いながら言うと、凛はふと、前から気になっていたことをたずねる。

「前から言いたかったんだけどよぉ・・・その『凛ちゃん』てやめてくんねぇか?なんかよくわかんねぇけど男に『ちゃん付け』って昔っから苦手なんだ・・・」

 凛が言うと、圭太は少し首をかしげる。

「オレなんか年下なのにお前らのこと呼び捨てなんだ・・・オレの事も呼び捨てにしてくれよ」

 笑いながら言うと、圭太は少し考えてから「うん、わかったよ」と言って首を縦に振った。

「じゃあそんなわけで、これからもよろしくな圭太」

「よろしくね、凛・・・」

 2人は握手して、笑った。そして3人はもとの場所に戻るべく、他愛の無い話をしながら歩き始めた。









「あーもう!なんでこんなに人だらけなのよ!」

 その頃由美は駐車場内にあるファーストフード店を駆け回っていた。さすがに土曜日は人が多く、人ごみの中を探すのは至難だ。

 エスカレーターを下ると、下で真子と合流した。

「由美ちゃん、そっちは?」

「いないわよ・・・!?もう人がいっぱいで・・・」

「取り敢えず一回戻ってみましょう・・・もしかしたらもういなくなってるかもしれない・・・」

 真子の提案で、2人は一度駐車場に戻ることにした。真子はあたりをキョロキョロ見渡しながら2人組のバイクを探す。

「あの2人は青の玉虫カラーに3段、風防のゼファーで来てたから、見つけたらそこで待ち伏せする・・・!」

「わかったわ真子さん・・・同じゼファー乗りの私に任せて!」

 由美はぐっと親指を出して答える。が、すぐに申し訳なさそうにして真子に呟く。

「あの・・・真子さん」

「なに?」

「普通のゼファーって、その・・・どんな形だったかしら・・・?」

「・・・はぁ」

 真子は呆れてため息すると、由美は両手をブンブン振りながら弁解する。

「ち、違うのよ!?別に忘れちゃったわけじゃなくて、だからその、ホラ・・・!私のゼファーちゃんはFX仕様だから・・・!!」

「とりあえず青色で白の3段つけてるバイクを見つけて・・・」

 すると由美はまた少し考えてから。

「あの・・・3段って・・・?」

「もういいわよ・・・」

 真子はもう諦めて、自力で探すことにした。

 しばらく2人は辺りを早足で歩きながら並ぶバイクをしらみ潰しに見ていく。真子は途中、「Z−STYLE」のメンバーに情報を聞いたり、見つけたら教えてもらうように話をした。

「わかりました・・・見つけたら連絡してください、ありがとうございます」

 挨拶をしてまた早足で探しに行こうとした時だった。ガススタンドの前にあのゼファーと2人組を見つけた。見ればガスを給油し終えたのか、すでに2人はゼファーに乗って発進する寸前だった。

「居たわ・・・!あんな所に!」

 真子が走りだすと、由美も後に続いた。

「あ!思い出した、あんな形してたわね・・・!」

 ぽん、と手を打ちながら呟くが、すぐにマジメな顔になって追い掛けた。

「凛ちゃんを泣かすなんて、ゼファー乗りの風上にも置けないわ・・・待ちなさい!!」

 由美が叫ぶと、2人組のうち、リアシートに乗っていた1人が慌てて発進を促した。

「やべぇ!さっきの女だ!」

 するとハンドルを握っていた男が振り向いて言った。

「だったらどーしたん?フラれたじゃ・・・」

「さっきちょっかいかけて1人泣かしちまったんだよ!!早く出せよ・・・!!」

「ばっ・・・!この野郎は・・・!」

 言って、男はアクセルを開けた。ゼファーはカットされた集合管から汚い音を吐き出しながら発進する。

「ちっ・・・気付かれたか!?待ちなさい!」

 真子が走りながら叫ぶが、待てと言われて待つバカは無しとばかりに出口へとゼファーは走っていく。人間が走ってバイクに追い付けるわけも無く、ゼファーはどんどん出口に向かって走っていく。

「なんとか逃げ切れたな・・・」

 男がアクセルを吹かしながら呟く。しばらくは大黒は来れないなと、1人考えていると突然、目の前に真っ赤なバイクが出口を封じるようにして飛び出してきた。

「うわぁ!!」

 叫びながらフルブレーキ。ゼファーは車体を暴れさせながらも、なんとかギリギリ停車した。

「んだよテメェあ!?」

 後ろに座っていた男が文句をつけると、目の前の赤いバイクのリアシートにいた革ジャンの男が降りてきた。運転している男もアクセルを吹かしながら彼らに言った。

「正義の味方!ただいま参上!」

 追い付いた真子と由美は、その赤いバイクに乗る2人の男を見て驚きの声を上げた。

「な・・・!?」

「なんでここに!?今日は用事があるって・・・!?」

 真子と由美が言うと、ゼファーの2人組はそんな真子達を無視して、目の前に現れたバカ2人を威圧的な目で睨みながら叫んだ。

「正義の味方ぁ!?ザけんなよタコぉ!!」

「横濱の『舞闘會』舐めてんかよ!?」

 言いながら、ゼファーの2人組が降りてきて自称正義の味方に殴り掛かる。

「ぶとうかいだぁ?知らねぇなぁ!」

 革ジャンを着た男が言いうと、『舞闘會』を名乗るゼファー乗りの男が殴り掛かる。

「クシャにしてやんよ!」

 右の拳を振り上げながら叫ぶが、拳は革ジャンの男に当たる前に捕まれてしまう。

「クシャになんのはオメェだよバァカ!!」


 ドスッ・・・!


 掴んだ相手の腕を引き付けて、革ジャンの男は相手の腹に蹴りを一発入れる。

「おぇ・・・!?ぶひゅ・・・!」

 腹に入れられた男は、その場でうずくまるようにして崩れ落ちた後、胃液を吐きながらのたうち回る。

「て、テメェあ・・・!!」

 やられた仲間を見て、もう1人は少し戸惑った。

(こ、コイツら・・・バカだけど強ぇ・・・!?)

「おいそこの悪党の下っぱ、今ひどいこと考えただろ?」

 男の思考を読んだように、自称正義の味方が睨みながら言うと、男は焦りながら叫んだ。

「テメェらナニモンだぁ!?これ以上ジョートー切んなら、テメェら『舞闘會』と戦争だぜ!?」

 自分達のバックの名前を出しながら男が叫ぶ。

「ウチのチームは武道派のケンカチームだからよぉ?テメェら囲んでクシャにすんくれぇ・・・!!」

 そこまで言うと、自称正義の味方はヘルメットを脱いだ。

「舞闘會?ケンカチーム?だったら?」

 全く余裕な顔で頭を掻きながらたずねる。

「オレ達正義の味方がそんなチンケなチームに負けるって?バカじゃん。なぁ正義の味方の部下その1?」

 すると革ジャンの男が自称正義の味方を睨み付ける。

「誰が部下だこの野郎、オレの方が偉いに決まってんべ」

「あれあれあれれ!?ここまで乗せてきてやったの誰だっけぇ!?」

「うるせぇバァカ!カンケーねぇべ!?」

「デートの約束破って美春ちゃんにビンタくらって腕噛まれた挙げ句・・・単車の鍵取り上げられた甲斐性無しのバカを乗せてきてやったこのオレ様に、そんな口きいていいのかなぁ?」

 自称正義の味方が言うと、革ジャンの男はヘルメットを脱いで自称正義の味方の胸ぐらを掴む。

「テメェ、覚悟の上で言ってんだべなぁ・・・!?」

「覚悟の上は覚六覚七覚八覚九・・・」

「ぶっコロす!!」

「ジョートーだぁ!!」

 突如仲間割れを起こす2人組を見て、真子と由美は完全に呆れてしまう。

「ねぇ由美ちゃん・・・」

「なに真子さん・・・」

「あの2人、仲悪いの・・・?」

「ただのバカだと思うわ・・・」

 そんなこんなで仲間割れをし出す2人のバカを見ていると、忘れ去られたゼファーの男がキレた。

「て、テメェら無視してんじゃねぇよ!舞闘會ナメてんなよ!!」

 言いながら2人めがけて殴り掛かると、2人は同時に振り向きながら右ストレートを繰り出した。

「「邪魔すんじゃねぇ!」」

 2人同時に言って、男の顔面を左右から挟むようにしてぶん殴ると、ゼファーの男は顔面を押さえて崩れ落ちた。

「あ、なんか当たっちった・・・」

「弱っ・・・!」

 2人が言いながらゼファーの男を見下ろしていると、ようやく真子と由美が2人に声を掛けた。

「助かったわ・・・2人とも」

「旭さんも洋介さんも・・・なんでここに!?」

 由美が話し掛けると、自称正義の味方・・・洋介が手を上げながら近づいてきた。

「よぉ!真子ちゃんに由美ちゃん!!元気!?」

「ま、まぁ元気だけど・・・それよりどうしてこんな所に?」

 由美がたずねると、革ジャンの男・・・旭がぶっ倒れてるゼファーの男を、どこからか拾ってきた木の枝で突きながら言った。

「そりゃあこっちのセリフだ・・・なんだってこんなダサ坊なんて追っ掛けてたんよ?」

 旭の質問に、由美は聞きたいことが沢山あったがとりあえず答えた。

「ま、まぁいろいろ・・・その2人が凛ちゃんを泣かして、それで謝らせようと真子さんと追い掛けてたら・・・」

「あなた達が出てきたってわけよ」

 真子も言うと、洋介は笑いながら旭を指差した。

「所で聞いてくれよ・・・コイツさぁ・・・!」

「あ、バカテメェ・・・!?」

 旭が洋介の口を封じようと身を乗り出すが、すでに遅かった。洋介は某いっこく堂の操る腹話術人形のようにペラペラと話しはじめた。

「コイツさぁ・・・今日美春ちゃんとのでぇとの約束すっぽかしてこのイベント行くっつったらさぁ、美春ちゃんに『あっくんのバカぁ!』ってビンタくらった後手ぇ噛まれて、おまけにサンパチのキー取り上げられてさぁ!!」

「わーわー!!や、やめろこの野郎!!」

 旭が叫ぶが、洋介はしっしっしと笑いながら続ける。

「そんでオレに電話してきてさぁ・・・『頼むよぉ・・・連れてってくれよぅ・・・洋介様ぁ!』とか言っちゃってさぁ・・・!」

「なに脚色してんだよバカヤロウ!!んなコト言ってねぇだろ!!!!」

 旭がキレると、洋介は「まぁまぁ、そんな怒るなよ」と言いながら逃げる。そんな逃げる洋介を、旭が鬼の形相で追い掛ける。少し危険な鬼ごっこが今始まった。

「バカね・・・」

「真子さん・・・とりあえず、2人のゼファーと洋介さんのヨンフォアどかしましょう?後ろが・・・」

 言いながら振り返れば、後ろは車やバイクが渋滞していた。出口を封鎖されていたので、出るに出れなかったのだ。2人は車のドライバーに頭を下げつつ、バイクと男達を移動させた。









 そんなこんなで、4人はゼファーの2人を連れて自分達の愛車のもとへ歩いていくと、すでに圭太達が戻っていた。

「あ、おかえり由美」

 圭太が言うと、由美は「はぁ・・・」とため息をして愛車のシートに腰を下ろした。

「大変だったわよ全く・・・」

「さっきの2人組は?」

「あそこ」

 言いながら指差した。圭太がその場所を見れば、見覚えのありすぎる2人の男がゼファーの2人組を蹴飛ばしながら歩いていた。

「な、なんで旭さんと洋介さんが!?」

 驚きながら圭太がたずねると、由美は説明しようとして・・・面倒になってやめた。

「おう圭太、調子はどーよ?」

 ゼファーの2人組を蹴りながら旭がたずねると、圭太は「ま、まぁ・・・」と言った。

「凛・・・連れてきたぞ」

 真子が自分のマッハに座る凛に言うと、凛は苦笑いしながら謝った。

「ごめんな姉貴・・・」

「気にするな、姉妹だろう?」

 真子が言うと、凛は恥ずかしそうに笑った。

「ほら、早くワビ入れろやコラァ」

 旭がゼファーの2人組を凛の目の前に連れてくると、まるで引き立てられた囚人の様に2人は凛の前で土下座した。

「「す、すんませんでしたぁ!!」」

 そんな土下座する2人を見て、凛は笑った。

「別に?オレはもうなんとも思ってねぇよ」

「いいのか凛?」

 真子がたずねると、凛は清々しく笑った。

「だってよぉ、コイツらのおかげでオレは吹っ切れたし、なんていうか・・・大事なモン手に入れられたし、なによりあんまりワビとか好きじゃねーし」

 言いながらポリポリと頬を掻く。そんな凛を、皆は暖かい目で見つめる。

「じ、じゃあオレ達は・・・?」

「ゆ、許してくれるんですか・・・!?」

 男達は土下座したまま顔を上げると、凛は頷いた。が、最後にひとこと付け加えた。

「これからは人にちょっかいかけんなよ?もういいよ」

「「は、はい・・・!!」」

 言いながら、2人は立ち上がってもう一度頭を下げてから立ち去ろうとする。すると、旭と洋介がその2人を呼んで、なにやら遠くでひそひそと耳打ちをした。すると男達は顔を真っ青にして旭達に頭を下げて走り去っていった。

「何を話してたんですか?」

 圭太が旭にたずねると、旭は「なんでもねーよ」と言って誤魔化した。

「じゃあ問題も解決したことだし!またバイク巡りしましょう!!」

 由美が言うと凛と紗耶香、洋介が「おーっ!」と叫んだ。時間はまだまだある。7人はそれぞれに『KAWASAKI Old Bike Meeting』を楽しむことになった。








「洋介これすげぇな!」

「あぁ、車種からしてセンスいいな!」

 旭と洋介は1台のバイクのを舐めるように見ていた。

「隠れ名車、Z400RS族仕様!この赤いショート管がなんとも・・・!」

 洋介が呟くと旭も頷く。当時のカワサキ4ストミドルの主力マシンであるZ400RSは2気筒のシングルカムと、メカ的な要素は普通だが、当時人気絶頂だったZ750RSを似せたそのスタイルは、当時Z2を買えなかった高校生達を中心に人気を集めた玄人好みのバイクだ。

「FXのアルフィン流用とか、なかなかだよなぁ」

 2人はそんな感じでバイクを見ていると、そのすぐ近くで赤城姉妹が白いバイクの前でうっとりしていた。

「あぁ・・・このバイクこそ、マッハの名にふさわしい・・・」

「オレのマッハの次にカッコいいバイクだよな・・・!」

「エグリが!CDIが!全てがぁ!!」

 うっとりする真子と凛。興奮のあまり叫ぶ紗耶香の目の前には、説明不要の伝説の名車。カワサキ500SSマッハⅢがその威風を漂わせていた。

「私も、BEETチャンバーからこのデンコーチャンバーに換えようかな・・・」

 真子が惚けながら見つめるのは、真っ黒に塗られ真っ直ぐ後ろに伸びるチャンバー。カミナリマッパと言えばデンコーチャンバーなのだ。

「いやぁ、デンコーは高いぜ!?」

「探す・・・!いつかかならず・・・!」

 凛の言葉に、真子は何かを誓ったらしい。ぐっと拳を握る。

「エグリ・・・タマゴウィンカー・・・一文字ハンドル・・・最高のエンジン・・・止まらない曲がらない・・・」

 その横で、紗耶香は何かに取りつかれたかのようにずーっと呟いていた・・・・・・








「やぁ!少年少女達!!楽しんでるかね!!!???」

「あ、また出たわね!」

「どうもです」

 由美と圭太の目の前に、水木一郎太が現れた。一郎太は豪快に笑い2人の肩を叩きながら言った。

「オレのゼェェェェット!!も見てくれた!?」

「い、いえ・・・まだ」

 圭太が言うと、一郎太はそんな2人の背中を押しながら歩き始めた。

「じゃあ是非見てくれ!?オレの自慢のゼェェェェット!!」

「お、押さないでよ!うるさいわね・・・!」

 由美が文句を言うが、一郎太はまるで気にせずに2人を自分の愛車の前に案内した。

「これだゼェェェェット!!」

 そこには、真っ黒にオールペンされたZ1が堂々と鎮座していた。『鞍シート』と呼ばれる純正アンコ抜きのシートに、少し絞りを入れたハンドル。手曲げのヨシムラショート管に5本キャストホイール等、まさしく『Z1カスタムの手本』のような代物だった。

「うわぁ・・・大きいなぁ・・・」

 ナナハンの存在感に圧倒された圭太が言うと、由美も興味深く見つめる。

「でも・・・タンクになにか書いてあるんだけど・・・『Z』?」

 由美がタンクを上から覗くと、そこにはエアブラシで薄く『Z』と描かれていた。

「よぉく気付いた!オレのZにはカスタムペイントが施してあるんだゼェェェェット!!!!」

 1人叫ぶ一郎太を2人は無視して観察していると、やはりそのスタイルの良さに気付いていく。

「なんだろう・・・このタンクからテールまでのラインは、全然形は違うんだけど僕のFXと雰囲気が似てて本当にカッコいいなぁ・・・」

 圭太が少し離れて見ていると、由美もなにかを呻きながら言った。

「んー・・・やっぱりカワサキのバイクは1番カッコいいわね・・・センスが・・・」

 そんなことをつぶやきながらZ1を見ている。

「『これがバイクだ!!』って見せれば、今のバイクみたいにごちゃごちゃしてないからみんな納得するゼェェェェット!!!」

 一郎太が得意になって言う。その言葉はかなり説得力がある。確かにカワサキが嫌いな人間はいるが、Zが嫌いという人はあまりいない。それほどバランスのいいデザインなのだ。

 しばらくすると、一郎太は誰かに呼ばれてどこかへ去っていった。主催者なだけあって忙しいらしく、かなり動き回っていた。

「そろそろ僕達も戻ろうか?みんな帰ってきてるだろうし」

「そうね、そうと決れば早く行きましょう!」

 2人は戻り際も沢山のバイクを眺めながら歩いていった。

 戻ってくると、前からは赤城姉妹が。横から旭達が合流した。皆いろいろ見回れたのか、満足そうな顔だ。

「圭太君も由美ちゃんも、今日は楽しめたかしら?」

 真子がたずねると、2人は笑顔で頷いた。

「本当に今日は誘ってもらって嬉しかったです」

「ありがとね真子さん!」

 すると凛と紗耶香も笑って答えた。

「オレも楽しかったぜ!まぁ迷惑も掛けたけど・・・圭太達のおかげで吹っ切れたしな!?」

「本当に今日はありがとうございました!」

 そんな感じで話していると、旭と洋介も笑って頷いた。2人はカワサキ乗りでは無いが、メーカー問わず旧車が好きなので満足のようだ。

「それじゃあ、暗くなる前に帰るわよ?」

 真子が言うと、皆それぞれ自分の愛車に跨がってエンジンを掛ける。それぞれの『音』を奏でながら出発の準備をしている。

 圭太も自分のFXに火を入れてアクセルを開けて吹かすと、横から凛が歩いてきた。

「あ、あのさ圭太」

「ん?どうしたの?」

 たずねると、凛は少し顔を赤くさせて頭を下げた。

「き、今日は本当にありがとうな・・・!?そ、それだけだ・・・!」

 すると圭太は笑いながら言った。

「僕は大したことしてないよ。でもなんか困ったコトがあったら誰でも良いから、相談してよ?」

 すると、凛は少し下を向いて「わ、わかったよ・・・」と言った。

「僕も困ったら凛ちゃんに相談することもあるかも知れないしね」

「圭太・・・!さっきも言ったけどその『ちゃん付け』はやめろって!」

 凛が言うと、圭太は「あ、忘れてたよ」と笑いながら訂正した。

「ゴメンね、凛」

 すると、凛は満足したのかニコニコ笑いながら立ち去っていった。

 圭太がそんな凛を見ていると、後ろから殺気を感じた。振り向くとそこにはかなり殺気だった由美がいた。

「圭太ぁ〜!?」

「な、どうしたの・・・?」

 圭太がたずねると、由美はじとっと睨み付けながら言った。

「いつのまに呼び捨てで言い合う仲になったのかしらぁ?」

「なんか男にちゃん付けされるのが嫌なんだってさ」

 すると、由美は圭太の頭をヘルメット越しに打っ叩いた。

「痛っ・・・!?な、なにすんだよ由美ぃ!?」

 圭太が涙目で訴えるように言うと、由美はふんっ!とそっぽを向いて無視。なにやら怒りを買ってしまったらしいが、鈍い圭太には全くなんのコトかわからなかった。

「それじゃあ出るわ!洋介君、後ろよろしく」

 真子が言うと、ヨンフォアに跨がる洋介が「任せろ!」と張り切る。後ろに座る旭がつまらなそうにしているのは、やはり自分が走れないからだろう。

「それじゃあ、出発よ!!」

 由美が叫ぶと、皆ギヤを入れて発進した。先頭を真子が、後から紗耶香、凛、圭太、由美、そして洋介が続いた。

 入り口同様に特徴的な道を走り高速に乗る。レインボーブリッジに差し掛かる6台の旧車は、それぞれに景色を楽しみながら走っていく。途中、圭太達の目の前を走る凛のマッハがゆっくり左右にロールした。どうやら気分が良いらしい。

 夕日に照らされた橋の上を進む6台は、愛車が愛車同士、それぞれの音で会話でもしているようだとに思える。

 今のコンピューター絡めのバイクでは感じ取れない、まるで意志を持っているかのようなその『声』を圭太も由美も僅かだが感じていた。そしてその全てを感じ取った時が、旧車乗りの最大の喜びであり、自分の分身になりうるのだ。

 圭太と由美の愛車が2人の分身になる日が来るのも、近いかも知れない。


試験放送!

『翔子と紗耶香のマニアック旧車談議!』


この放送は『旧車物語』の読者の皆さまの提供でお送りします。



翔子「あの・・・その・・・よくわからないんですけど・・・?」

紗耶香「その・・・聞くところによると何かバイクについて私たちが話せばいいみたいです・・・」

翔子「いや・・・それはわかるんですが・・・き、緊張でうまく喋れるかどうか・・・」ガタガタ

紗耶香「だ、大丈夫ですよ!で、今日のバイクはなんですか!?」

翔子「き、今日はその・・・このバイクです!!」



SUZUKI RE-5

1974年~1976年まで発売




紗耶香「ちょ・・・!いきなり・・・!?」

翔子「ききき、今日紹介するバイクを必死に考えていたら・・・き、緊張のあまりなぜかこのバイクを選んでしまいました・・・」

紗耶香「しかしまた・・・すごいバイクを・・・」

翔子「と、とりあえず進めましょう・・・!!その前に深呼吸しましょう!!」

紗耶香「は、はい・・・!」


すーっ・・・はーっ・・・


翔子「で、では・・・・・・このバイクはですね、世界的に見ても珍しいロータリーエンジンを積んだバイクなんです!70年代に発売され、それ以前は国内4メーカーがそれぞれロータリーエンジンの研究、試作をしたのですが、販売にこぎつけたのはなんと意外なことにSUZUKIだけでした」

紗耶香「まず滅多にお目にかかれないバイクですよね・・・!なんでですかねぇ・・・」

翔子「その理由としては、ロータリーエンジン特有の理由があります」

紗耶香「理由ですか?」

翔子「このRE-5・・・総排気量は約500ccなのですが、これを普通のエンジンに置き換えて計算すると、750ccを超えてしまうんです」

紗耶香「あ・・・!?もしかして・・・」

翔子「そうです・・・当時の国内では『750cc以上は売らない』という自主規制があって国内では販売できなかったんです・・・」

紗耶香「不憫ですね・・・かわいそう・・・」

翔子「さらに当時、75年には世界的なオイルショックが起こります。日本ではティッシュや紙製品を買いだめする人が増えたりして、2ストエンジンにも黄色信号が灯りました・・・」

紗耶香「あ!もしかしてRE-5も!?」

翔子「そう、ロータリーエンジンの弱点である燃費の悪さが災いになってしまい、主要輸出国であるアメリカでも受け入れられず・・・画期的だったロータリーエンジンを載せた夢のバイクは、わずか2年間で生産を打ち切られてしまいました・・・」

紗耶香「か、悲しすぎます・・・」

翔子「では実際に見てみましょう!悲運の名車、RE-5です!」

バン!!←写真

紗耶香「何度見てもすごく無骨なデザインですね・・・」

翔子「どちらかというと当時併売されていたGT750のような雰囲気がありますよね」

紗耶香「今は見慣れていますが、エンジンの前にこんな大きなラジエータがあるんですから当時はGT750と並んで驚かれたでしょうねぇ・・・」

翔子「エンジン以外の特徴としては、初期型に見られるこの『茶筒メーター』ですね」

紗耶香「本当に画期的というか・・・今にも昔にも無いデザインですよね」

翔子「私がスズキで1番評価しているところは、今言ってくれた『今も昔もオンリーワンなデザイン』ですね」

紗耶香「確かに、特にスズキはそういうバイクが多いですよね」

翔子「それだけに好みははっきり分かれますが、私はそういう個性的なスズキは好きですね」

紗耶香「私もですね!」

翔子「さて、それでは今回はこのあたりで締めましょうか」

紗耶香「最初は緊張しましたけど・・・話してたら忘れていましたね!」

翔子「そうですねぇ、次回は紗耶香さんですけど、大丈夫ですか?」

紗耶香「がんばります!次回はカワサキの名車を紹介します!」

翔子「それではみなさん!次回をお楽しみしていてください」

紗耶香「放送中に間違ったことを言ってましたら、作者さんにそっと教えてあげてください。それと、私たちに紹介してもらいたいバイクや知りたいバイクがありましたら、是非お便りを!」

美春「そして!!『真田美春のオールナイトニッポン』にも愛のお便り!待ってるよぉ♪」

翔子&紗耶香「うわぁ!!??」

翔子「な、なんで美春さんがここに!?」

美春「ふっふっふ・・・!しーちゃんとサヤリンばっかり目立ってたから、お邪魔に来たんだよぉ♪」

紗耶香「まぁ、よくわかりませんが、それではまた次回!ごきげんようです!」





そんなわけで、31章です。

実際にこういう感じのミーティングに行くと、いろいろの人たちとに交流が持てて、情報などが入りやすくなるので自分はよく行きますが、RE-5は未だに対面したかとは無いですねぇ・・・汗

感想やご指摘、両ラジオのお便りなど随時受け付けております!それでは!!


追記

今回登場した団体、名称は実在しません。もし被っていましたら、連絡をください。修正致します。

3気筒

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