第30章 KAWASAKI Old Bike Meeting
新年あけましておめでとうございます!
遅れてしまいましたが今年も宜しくお願いします!
アルバイト翌日の金曜日。
由美と圭太は学校から帰宅路を歩きながら話していた。
「それでさぁ、私言ってやったのよ・・・『好きで寝てるわけじゃありません!睡魔が奇襲攻撃してくるんです!』って!」
由美が笑顔で言うと、圭太は「はぁ」とため息。
「そんなこと言うから、そんなに課題もらっちゃうんだよ」
パンパンに膨れた由美のカバンを指差して言うと、由美はぷーっ、と膨れながらカバンを蹴った。
「全く・・・日本史なんて無くなってしまえば良いのよ!」
そのままなんの罪も無いカバンをリフティングしながら抗議する。日本史と、日本史の担当ハゲ川に対する負の意識は高まるばかりらしい。
「別に刀狩とか知らなくても生きていけるわよね!?」
ちなみにスズキのGSX750Sカタナが発売された当時に流行ったセパハン改造を警察が取り締まった、俗にいう『カタナ狩り』では無い方の刀狩である。念のため。
「あーあ、圭太はいいわよ。頭も良いし寝ないし課題も出されないし・・・」
「別に、そんな・・・」
「よし!こんな時はゼファーちゃんに乗ってイヤなコトは忘れるに限るわ!!明日は土曜日!圭太、ツーリング行きましょう!?」
由美がニッコリ笑いながら言うと、圭太は「あぁ、また来週課題やってこないな・・・」とツッコミを入れたかったがなんとか堪えて答える。
「僕はいいんだけど・・・旭さんと美春さんは明日用事あるって、この前言ってたよ」
「嘘っ!?なんてこと・・・やられたわ・・・!」
由美が何やら悔しがる。圭太にはわからないが、明日2人の用事とはおそらく、誰にも邪魔されずにデートをする為の偽装であろうことは予想がつく。『ゆーちゃんもがんがれぇ♪』とか言ってる美春の顔が容易に浮かぶ。
「じゃあ対抗して、私達も明日は2人きりで・・・!!」
ピリリリリリ!ピリリリリリ!
由美が握り拳を作って宣誓するように叫んでいる途中、圭太のケータイの電子音が響き渡った。由美が「もう少しだったのに・・・誰よこんな時に・・・!」と舌打ちするが、それには気付かず圭太が電話に出た。
「はいもしもし・・・あ、真子さん、どうしたんです・・・ってうわぁ!!」
圭太が真子の名前を出した瞬間、由美が圭太からケータイを奪い取った。
「もしもし真子さん?電話代わって由美ですけどなんの用ですか?」
由美が言うと、受話器の向こうで真子が笑った。
『あら由美ちゃん?相変わらず独占欲が強いわね?』
「な・・・!?そんなこと無いわよ!!」
真子の軽い挑発を由美が否定すると真子はふふっ、と笑った。
「まぁそんな話はさておき・・・いったいなんの用!?」
『実は明日、あなたと圭太君を誘おうと思ってね?大黒のパーキングでカワサキ旧車のミーティングがあるの』
真子の言葉に由美と受話器に近づいていた圭太は目を丸くさせる。
「ミーティングって会議・・・?そんな教養は持ち合わせて無いわよ?」
由美が聞くと真子は笑いながら答えた。
『ふふっ・・・そんなに畏まったコトはしない。ミーティングって言うのは名ばかりで、実際は集まった同士がバイクについてお喋りするだけよ?集合時間も解散時間も個人の自由。何十台というカワサキ旧車が集まるのよ?』
真子の言葉をスピーカーモードにしたケータイが流す。
「楽しそうですけど、残念でした〜!明日は圭太と2人っきりで・・・」
「僕行きます!!」
「デートに・・・って、えぇ!?」
由美の言葉を遮り、圭太がマイクに叫んだ。
「カワサキの旧いバイクが集まるイベント・・・!!是非参加させてください!!」
うきうきとした顔で圭太が言うと、某パラガス並みの擬声を発した由美が慌てて圭太の肩を掴む。
「ち、ちょっと圭太・・・!」
電話越しの真子に聞かれぬ様、耳元で話す。
「明日は私達2人でって言ったじゃない・・・!行くなら2人で行きましょう!?」
「え、でも人は多い方が・・・」
「ダメ・・・!!明日は2人なの!」
由美が凄まじい剣幕で言うと、圭太はまるで捨てられた小さな仔犬のような、それはそれは母性本能を擽る様な悲しそうな顔で由美を見つめた。
「よくわからないけど・・・由美がそこまで言うなら、残念だけど・・・」
意識はしていないが、上目遣いで見られる。圭太の形の良い顔でそんな悲しそうな表情をされた由美はたまらない。今にも泣きそうな(由美にはそう見えてしまう)圭太を目の前に、由美は判断を誤った。
「し、仕方無いわね!じゃあ私も行ってあげるわよ・・・!!」
「え・・・いいの・・・?」
圭太がたずねると、由美は照れ臭そうにして言った。
「別に・・・!?私達はいつだって2人でいるし・・・!?ツーリングなんかいつだって2人っきりで行けるもの、明日は真子さん達と一緒に行くわよ!!」
由美が受話器の向こうにいる真子に聞こえる様に大きな声で言うと、受話器からくすり、と笑い声が聞こえた。
『由美ちゃんは可愛いわね?フフフっ・・・』
由美の話を聞いていて、真子は笑ってしまった。由美は何気に真子に対して失礼なコトを言っていたが、それには好きな男の子を取られたくないと言う可愛らしくも素直じゃない愛情を感じたので何も言わなかった。ただ・・・
『まぁ、負けないけど・・・!』
真子も聞かれないように呟いた。
『話はまとまったようね?そしたら、明日午後12時に高速の入り口で待っているわ』
真子はそれだけ言うと、『じゃあ明日ね』と言って電話を切った。
「由美ありがとう・・・!!」
圭太は明日の予定を変えてくれた由美に満面の笑みでお礼を言う。そして由美はと言えば、まんざらでも無さそうだった。
「別にいいわよ。その代わり、次こそ2人きりなんだからね!?」
腕を組ながら言い放つ。そこで圭太は、先ほどから聞きたかったコトを言った。
「それだけど・・・由美はなんで僕と2人で走るコトにこだわるの?普段学校でも一緒なんだし・・・痛っ!!」
圭太の質問を、由美は圭太の頭に空手チョップを繰り出すコトで阻止した。その時の由美の顔は真っ赤になっていたとか・・・
斯くして後日土曜日。
「高速の入り口って言ってたわよね・・・?」
由美が安物の腕時計を見ながらたずねると、圭太も頷いた。
「うん。しばらくここで待てばいいんじゃないかな?」
2人は高速入り口ですでに待機していた。端にバイクを寄せて待っているが、休日ということもあって車通りは多い。また1台、大型トラックが2人の横を排気ガスを撒き散らしながら高速に入っていった。
「それにしても、また大黒ねぇ・・・」
由美が苦笑いする。その訳は、真子と大黒で初めて会った時に行われたインチキレースの時。調子に乗っていた由美が自爆しかけた際、奇跡の2輪ドリフトを決めた時のコトを思い出したからである。
「今日は絶対に安全運転だよ?また飛ばしたら僕だって怒るから」
圭太が念を押すと、由美は苦笑いして返事をした。圭太が怒るとどうなるか、長い付き合いなだけあって由美は心得ていた。
そんな感じで、今日のミーティングとはどんな物なのだろうと2人が話していると、車やトラックの音をかき消して、聞き覚えのあるサウンドが近づいてきた。
ギャワァァァァァア・・・・!!!クァンクァン・・・!
ブァッパァァァァァァ・・・!!ゴァンゴァン・・・!!
パァァァァァ・・・!パンパン・・・
車種は同じでも、マフラーの違いから別々の音がする。が、間違いなくどれもマッハの音である。
「お待たせ圭太君、待ったかしら?」
革ツナギを着た真子がヘルメットを脱いで言う。
「いえ、全然待ってませんよ」
「真子さん、昨日は来てくれてありがとうね!」
圭太と由美が挨拶すると、真子の後ろから、凛と紗耶香もヘルメットを脱いだ。
「よぉ由美!一昨日は邪魔したな!!」
「一昨日はご馳走様でした」
「うん!凛ちゃんは、次回からはもうちょっと静かにしてくれたら嬉しいわ。じゃないと・・・」
「ゆ、由美!わかってるから・・・!許してくれよぉ!!」
一昨日の激辛モンブランと、由美の脅しを思い出して必死に謝る凛を、何も知らない真子が不思議そうに見つめるが、気にせずに本題に入った。
「今から高速に入るわけだけど・・・圭太君達はそんなに高速経験は無いって聞いたから、今日は私達も普通の流れで走る。安全運転で気持ち良く大黒入りしましょう」
「はい!」
「楽しく走りましょう!!」
2人が良い返事をすると、真子は2人が本当に仲が良いのだなと思い、クスっと笑ってしまう。が、同時に自分も遅れを取らぬようにと気を引き締めた。
「それじゃあ、こんな場所で長話もあれだしそろそろ行くわよ?圭太君、私についてきてね?」
それだけ言うと、真子はヘルメットを被って入り口に走りだした。
「圭太、真子さんなんかについていったら、FXがオイル塗れになっちゃうから近づかない程度でいくわよ?」
由美が真子にジト目で視線を送りながら言うと、圭太はよくわからないがとりあえず頷きながら高速に入る。後から凛と紗耶香も続く。
こうして一同は大黒埠頭パーキングエリアに向けて走りだした。
5台はのんびりとしたペースで高速を進む。前を走る真子は後ろを走る圭太達に気を使って少しズレたレーンを走る。2スト車は白煙とオイルの飛沫を後続ライダーに掛けないように気を使わなければ先頭を走れないのだ。
「真子さんって、やっぱり気遣いが出来るのねぇ・・・旭さんや美春ちゃんなんて後ろの人のコトなんか気にしないもの」
由美が感心して呟く。育ちや性格が現れるのか、確かに旭は後ろに人がいようがいなかろうがアクセルを吹かしまくるし、美春も気にしない。それに比べて真子はかなり気を遣っていて、走るレーンもそうだが、アクセルも一定に開けたままで無駄な吹かしをしない。
「さすが社長令嬢・・・でも、圭太は渡さないんだから・・・!」
由美が目の前にいる恋敵を睨み付ける。そして睨まれている真子はと言えば・・・
「私のテクニックで、圭太君にオイルも跳ねない・・・私にこれだけ気を遣わせるなんて、罪な人・・・・・・責任取ってね・・・?なんつって!?」
いつもの真子からは想像も出来ないようなコトを口走っていた。これが凛の言う「姉貴が壊れた!」状態である。
「いつか・・・いつか圭太君の目を私に釘付けにしてみせる!」
バックミラーを見ながら呟くその顔は、もう緩みまくっていた。
それから何事も無くレインボーブリッジも通過して、一同は大黒埠頭入り口に差し掛かった。真子が左にウィンカーを出すと、皆もそれに従ってウィンカーを出す。後方確認をしながら圭太がFXを左に傾けると、すぐ後ろに凛のマッハが走っていた。ミラー越しに圭太と目が合った凛は、手を振りながら軽くアクセルを吹かす。今日も赤いマッハは好調のようだ。
入り口に入ると、大黒名物の渦巻きに入る。行ったことのある人ならわかると思うが、初めてあそこを走ると馴れていないので目が回ってくる。作者だけだろうか?すみません。
「ここって前も思ったけどどれくらい倒して走ったらいいのか分からないんだよね」
圭太が呟く。先頭を走る真子と、前を走る由美と自分の走りを見比べる。真子は綺麗に円を書いて、安定した走りを見せるが、自分達は真っ直ぐ走ってまた倒してと下手くそな走りを繰り返している。これは馴れるまで時間が掛かりそうだと圭太はため息をついた。
そしてやっと大黒埠頭パーキングエリアに到着した。先頭の真子についていくと、そこにはかなりの台数のバイクが集まっていた。その数は軽く50以上にもなるだろうか。
真子はある場所でバイクを停めると、由美や圭太達もその横に順番に停車していく。
「圭太見て見て!!すごい台数よ!!」
由美がサイドスタンドを立てながら圭太に言う。
「ここにいるのは、ほとんどがカワサキの旧車よ?」
「わぁ・・・これが・・・!」
真子の言葉に、圭太はなんと言っていいのか分からなくなってしまった。右を見ても左を見てもバイクばかり。そして辺りではそのオーナー達が自分達の愛車を自慢したり、他のバイクを見て笑顔で話している。中にはチームがあるのか、それぞれのチーム名が入ったジャケットを着ている人もちらほら。
これが、首都圏で1番カワサキの旧車の集まるミーティング。『KAWASAKI OldBike Meeting』だ。
「いやぁ、何度来たってワクワクするぜぇ!カワサキの名車がたくさんいるんだぜ!?」
「ワクワク・・・!ワクワク・・・!」
凛が笑顔で言うと、紗耶香がツインテールをひょこひょこ揺らしながら何時に無くウズウズしている。紗耶香にとって、この場は自分の教養を得るための場と言って過言ではない。
「圭太見て見て!!あそこに旭さん家にあったカモノハシみたいなヤツ付けてるバイクがいる!!」
意味不明なコトを口走る由美の指差す先を見ると、圭太は思い出した。旭と出会って次の日、初めてのツーリングの後で由美のゼファーに使えそうな部品を貰うために旭の家に行った時にあったテールカウルだ。名前はその時に起きてしまった騒動と美春の暴走で忘れてしまったが・・・。
「あれが会長さんのZよ」
「会長?ぜっと?」
説明する真子に由美がちんぷんかんぷんになっていると、圭太は思い出した。
「あ・・・確かZ750RSでしたっけ?」
圭太が言うと、真子はフッと笑いながら言った。
「あれはカワサキの900Super4・・・通称Z1」
「Z1・・・?」
圭太が復唱すると、真子は「そうよ」と言って説明を始める。
「カワサキはマッハを超える最速市販車を世に送り出すべく、当時最先端の技術だった4サイクル4気筒ツインカムのエンジンを搭載したバイクを造った。それがZ1。最高速は200キロオーバーのモンスターマシン。ただ、当時国内ではナナハン以上のバイクは売らないと言うメーカーの自主規制があったの。そこでカワサキが国内に合わせたのが今圭太君が言ったカワサキZ750RS、通称Z2よ」
「その通りなんだゼェェェェット!!!!」
「うわぁ!?」
真子が説明を終えた直後、見知らぬ男が圭太と由美の後ろで雄叫びを上げた。
「な、なんなのよこの人!?」
由美がまだ驚いたまま真子にたずねると、真子は笑顔で彼に挨拶した。
「あら会長さん、今日も元気ですね」
「会長!?この変な人が!?」
由美が言うと、由美に変な人と言われた彼はそんなコトを気にせずに続けた。
「カワサキの伝説が集まるこのミーティングにようこそ・・・楽しんで欲しいんだゼェェェェット!!!」
「だから!叫ばないでよおじさん!」
「ま、待って由美・・・!!」
「どうしたのよ圭太・・・?」
「この人・・・!!」
圭太は目の前にいる中年の男を凝視する。首に巻かれた真っ赤なスカーフ、横に流した変な髪型、そして革ジャン、特徴のあるどこかで見たような顔・・・
「ま、まさか・・・!?」
圭太は息を呑んだ。口調からなにまで全て似ている・・・まさか!?
「紹介するわ、この人はこの『KAWASAKI Old Bike Meeting』を主催しているツーリングクラブ、『Z−STYLE』の会長、水木一郎太さんよ」
「だぁっ!?」
「あら?」
真子の紹介を聞いて、由美と圭太はマンガのようにすっ転んだ。
「一郎太・・・?一郎じゃなくてですか!?」
なんとか立ち上がりながら圭太がたずねると、彼、水木一郎太は豪快に笑った。
「間違えるのも無理は無い・・・が、聞け少年少女よ!!オレは偽物では無い!テレビで歌ってる一郎がオレの真似をしているんだゼェェェェット!!!!!」
「まぁ、ちょっとテンションが高い人だけど、みんなヨロシクね?」
叫ぶ一郎太を真子が制止しながら言うと、2人は苦笑いするしか無かった。
「おーい姉貴ー、圭太達ー!先に行ってるぜー?」
一方、そんなことに慣れているのか凛と紗耶香は先に行ってしまった。
「少年少女よ!!せっかく来たんだ、じっくり見ていくんだゼェェェェット!!!!」
一郎太もワケの分からない叫びを上げて、どこかに去っていった。
「なんか・・・元気な人だね」
「美春ちゃんと互角に濃いキャラね・・・」
圭太と由美が呆気に取られていると、真子が2人の目の前に立って改めて説明を始める。
「もうわかったと思うけど・・・ここでは情報交換やパーツ売買、コミュニケーションを取ったりする場よ。だから2人も、今日はたくさん楽しんで行ってね。私は少し挨拶がてら回ってくるから、しばらくは自由行動にするわ」
「わかりました」
「じゃあ圭太!早速見て回りましょう!?」
「ち、ちょっと由美・・・引っ張らないでよ・・・!」
由美に襟首を捕まれて後から引きずられていく圭太を見て真子は呟いた。
「引きずられる圭太君・・・可愛い・・・」
しばらくの間、真子は動かなかったとか・・・
「あ!圭太これ見て!圭太と同じFXよ!?」
「本当だ・・・!」
見回っていると、すぐに圭太のと同じFXを見つけた。ライムグリーンのE4ラインアレンジで往年のエディ・ローソンを彷彿させるカラーリングに、コミネのロケットカウルを低く装着。セパレートハンドル、トマゼリ生ゴムグリップ、バックステップ、白いセミシングルシートがシブみを効かせたシンプルなスタイルだ。
「この前についてるパーツカッコいいわ!色も綺麗ね!」
由美はロケットカウルを眺めながら圭太に問うと、圭太も次第に興味深げに相づちを打つ。
「これが僕のFXと同じだなんて・・・カッコいい・・・」
普段は改造に無頓着な圭太も、初めて見る自分以外のFXに興奮気味。ハンドル周りを中心にじっくり眺める。
「もしかして・・・!圭太もやっと改造に興味を持ったり!?」
「少しね・・・僕のと同じバイクって見た時無かったし、興味は沸くよね・・・」
カウルのスクリーンを見れば『Z−STYLE』のステッカー。どうやら一郎太のチームの所属らしい。
「Z−STYLE・・・ていうことは、さっきの変なおじさんのチームよね?」
「そ、あれが自分達の愉快な会長さ」
「へ・・・!?」
「あの・・・あなたは・・・?」
由美が驚いて振り向くと、人が良さそうな恰幅の良い中年の男が立っていた。圭太がたずねると、おじさんはニコニコしながら続けた。
「僕はZ−STYLEのメンバーにして、このFXのオーナーだよ。よろしく」
彼は軽く頭を下げて、一旦ズボンで拭いてから右手を差し出す。2人は迷うことなく彼とがっちり握手した。
「ところで今、偶然立ち聞きさせもらったんだけど・・・君もFXのオーナーなのかい?」
圭太と握手しながら彼が問うと、圭太は苦笑いして頷いた。
「旧車會や暴走族には決して見えないが・・・君達みたいな普通な若い子は珍しいよ」
笑いながら言うと、圭太は少し離れた場所にある自分の愛車を指差した。
「あそこにある青いのが僕のです。まぁ見ての通りノーマルですけど・・・」
「あ、因みに私のはその隣にあるあの赤いゼファーちゃんよ!」
由美が後から続くと、彼は顎に蓄えた髭を指でイジリながら感心した声を出す。
「そのコは君の彼女かい?ゼファーのFX外装とは、またマニアックで良いセンスしてるよ!」
「いや、別に彼女でも何でもないです。ただの・・・痛!!」
質問に対して否定の言葉を述べる圭太の足を由美が踏み潰した。それを見ておじさんは「なるほど・・・」と苦笑い。彼は由美の恋が結ばれることを祈りながら、また圭太に向き直った。
「ノーマルは良いものだよ。僕のこのFXはもうここまでやってしまったから戻しようがないんだけどねぇ」
言いながらカウルに手を置く。ここまでやってしまえば、確かに今更ノーマルに戻す手間も掛かるので難しい。圭太は「あの〜」と言ってから質問する。
「この・・・大きなカウルとか・・・マフラーを戻したりすればノーマルに戻るんじゃあ・・・?」
すると彼は「んー・・・」と言って首を傾げる。
「出来ないことは無いけど、僕のはエンジンがゴンゴーなんだ」
「「ごんごー?」」
聞き慣れぬ言葉に圭太と由美が声を揃えて言うと、彼はそのことにクスリと笑いながら続ける。
「550ccのコトを、ゴンゴーって言うんだよ。下からニーハン(250cc)サンパン、またはサンゴー(350cc)ヨンヒャク(400cc)ゴンゴー(550cc)そしてナナハン(750cc)ってね?」
彼が得意顔で説明を終えると、2人はここでも声を揃えて「「おぉ・・・!」」と言って拍手を送った。
「あ、だから旭さん達のはジーティーサンビャクハチジュウじゃなくてサンパチなのね!」
今さらながら、由美がポンと手を叩く。どうやら今まで『GT380』を何故サンパチと呼ぶのかを考えた事が無かったらしい。また1つ知識を得たとばかりに手を打つ。
そんな由美に圭太はまた呆れ顔。すると、おじさんが会話の軌道修正のために話を戻す。
「このFXはしばらくはこのまま・・・実はまだ2台、家に部品取り用不動車のJとノーマルフルレストアのFXがあるんだ」
「えぇ!?」
「2台も!?」
圭太と由美が悲鳴をあげる。すると、こういう反応を待っていたのか、彼は得意になって話を続ける。
「やっぱりFXはどこから見ても不満が無い素敵なバイクだからね。何台あったって足りないくらいだよ」
笑顔で言うおじさんを前に、2人は苦笑いするしか無かった。
それからしばらく話していたが、やがておじさんは誰かに呼ばれて向こうの集団に行ってしまった。とりあえず握手してその場を立ち去った。
「いやぁ・・・やっぱり大人はお金があるのねぇ・・・」
由美が感心しながら呟く。まぁ、実際は少ない小遣いをやりくりしてやっている人がほとんどだが・・・
しばらくいろいろなバイクを見ていると、あるバイクの目の前に立つ凛とそのバイクの前にしゃがみ込む紗耶香を発見した。
「凛ちゃん紗耶香ちゃん!」
「おぉ、由美と圭太か・・・」
由美が声をかけると、凛だけが顔を上げて返事を返す。
「ちょっとお前ら2人からも言ってやってくれよぉ・・・」
ため息混じりに言う。凛の視線の先には、そのバイクを隅々まで眺めている紗耶香がいた。
「紗耶香ちゃんがどうしたの?」
圭太がたずねると、両手を上げて「参った」と言わんばかりに説明した。
「紗耶香のヤツ・・・この単車にへばりついて離れねーんだよ」
その先にあったのは、またまたライムグリーンの、赤城姉妹の乗るマッハに似たデザインのバイクだ。
「これって・・・?」
圭太がたずねると、凛はシート後部に書かれた文字を指差す。
「ケー・・・エイチ・・・?」
「KH・・・だね」
由美と圭太が言うと、凛が珍しくバイクについて説明した。
「そ。コイツはKHのヨンヒャク。通称『ケッチ』。マッハのモデルチェンジ版つーか、なんつーか・・・」
「「???」」
どもる凛の説明に2人が?マークを浮かべると、その視線に気付いた凛が頭を押さえて上手く説明しようとする。
「えーっと・・・なんつーか・・・モデルチェンジって要は進化形じゃん?でもマッハシリーズって何故かだんだんエンジンスペックが下がるんだ・・・オレには難しいことはわかんねーけど、それだけマッハが危険なバイクだったんだろ?で、そのマッハが名前を変えて新しくなったのが・・・・・・・・・コイツ?」
ビシっとKH400を指差す。が、自信は無いようだ。
「へぇ・・・性能が下がるって確かに珍しいかもしれないわね・・・?」
由美が納得しながら頷く。今説明した凛を含め、この3人には見ただけでは違いがわからないので、凛の説明でも十分な納得が出来てしまうのだ。しかし、そんな時。カワサキを語らせたら右に出る者はいないと言われる紗耶香がガバッと顔を上げた。
「凛お姉ちゃん!!今の説明じゃ何も伝わらないよ!!」
「し、しまった・・・!?」
凛があちゃーっと手を額に乗せるが、もう遅い。なにかのスイッチが入ったのか、紗耶香は3人に1から説明を始めた。
「こほん・・・KHはですね?マッハシリーズの後継車で、確かにエンジンの出力は下げられてます。ちなみに初期型350SSマッハは45馬力。S2と呼ばれるマイナーチェンジ版350SSマッハは1馬力ダウンの44馬力になりましたが、フロントブレーキがドラムからディスクへ。フロントフォークのボトムがアルミになり近代化します。そしてS3・・・お姉ちゃん達の400SSマッハになって排気量が上がったにも関わらず馬力は42馬力にダウン・・・!しかし!!足回りの見直しやフィンの大型化によって、より信頼の置けるエンジンに進化・・・!!エンジンはパワーが落ちても、中型クラスではそれでも依然としてずば抜けた性能!!ゆえに素人には扱えず事故が多発する始末・・・!!カワサキトリプルはいつしか腕に覚えのあるものしか選べないモノになって行ったんです・・・」
「そ、そんなに危ないバイクだったんだ・・・」
圭太が呟いた。紗耶香は頷いてまた説明を始める。
「しかし・・・!!初期型からS3マッハまでは暴力的加速が乗り手を選んでいたのを、いろんな人が乗れるようにとデチューンしてそれ+車重増加でカワサキトリプルを誰もが気軽に楽しめるようにしたのが・・・このKH400です・・・!!」
ズビシ!!!!と目の前のKHを指差す。
「最高出力38馬力、トルク3.9!車重は162キロですから、パワーウェイトレシオから考えてもクラス中ならトップクラス!!それでいて誰もが気軽に楽しめたKHは瞬く間に人気になり、79年まで生産、新車販売はなんと81年まで続けられたベストセラー!!長いトリプル時代に幕を閉じた名車なんです!!!!!!」
3人に極限まで顔を近付けて力説する。いつもの可愛いツインテールは恐ろしげにゆらゆらと揺れていて、迫力がある。
「わ、わかったわ紗耶香ちゃん・・・」
由美が言うと、紗耶香は満足げに笑って顔を離した。
「わかって貰えましたかぁ・・・よかったぁ・・・」
先ほどの恐ろしい顔から一変、いつもの気弱な顔で胸を撫で下ろす紗耶香を見て、凛が2人に耳打ちする。
「アイツ・・・カワサキの話になると急に迫力が増すんだよ・・・。前なんかオレの部屋で話し出したら、コイツ朝までノンストップで話すから、オレ途中で寝ちまったもん」
こそこそと耳打ちする。
「でも紗耶香ちゃん・・・このケッチ、何か珍しいとこでもあるの?」
圭太がKHを見ながらたずねる。別段、マフラーが旭のサンパチと同じようなショットガンチャンバーになっている以外あまり派手な所も無いし、改造具合なら真子や凛の方が凝っている気がするのだ。
すると紗耶香は無言でエンジンを指差した。
「エンジンがどうか・・・?」
「よぉーく見てください」
紗耶香に言われて、3人はエンジンを凝視する。プラグコードの色が赤色な以外に不審な箇所は無かった。
「実はですね・・・このエンジン・・・!なんとH2・・・750SSマッハのエンジンを積んでいるんです・・・!!」
「え・・・?」
「ナナハンって・・・?」
「乗らねーだろ・・・?」
紗耶香の言葉に、3人は驚きを隠せなかった。排気量が2倍近く違うエンジンを載せるなど不可能だと。
由美が手を上げて説明を求めた。
「紗耶香ちゃん・・・?私よくわからないんだけど・・・そんな大きなエンジンが載るって・・・あり得るのかしら・・・?」
すると紗耶香はキッパリと言った。
「はい、無理です」
「無理って・・・じゃあこのKHはなんで・・・!?」
由美がまた質問すると、紗耶香は改めてこの改造の凄さを思い知ったかのように、ゆっくり説明を始めた。
「KHもマッハも、250ccに400ccエンジンを載せるのなら車体が同じなのでエンジンの積み換えは簡単に出来るのですが・・・400クラスの車体に大型・・・それもナナハンのエンジンを載せようと思ったら、普通は無理です。400クラスのエンジンスペックに設計された車体に、それより大きくて重いエンジンはフレームに収めるのも載せるのも難しいですし、何よりもし載ってもマトモには走れないんです」
紗耶香が言うと、由美はふむふむと頷いた。
「つまり焼き肉で例えるなら・・・まだ弱い火の上にたくさんお肉を敷いちゃったら真ん中のお肉しか焼けなくて、端のはいつまで経っても半焼け状態・・・しかもそれはホルモン系・・・つまり火力不足+お肉の選択ミスっていうコトかしら?」
「待って由美・・・初期設定がおかしい・・・」
圭太がツッコミを入れると、紗耶香は説明を続けた。
「まぁ、当たらずとも遠くは無いですが・・・もっと簡単に例えるなら凛お姉ちゃんがあの成績で東大入試を受けるのと同じくらい無謀であり得ないコトというわけです」
「おい待て紗耶香?」
凛がツッコミを入れるが、バイクの話の時の紗耶香はキモが据わっているのか、いつものひ弱さをどこかに吹き飛ばして話を続ける。
「でもこのケッチは、フレームをかなり理想的な方法で溶接、補強していてですね・・・?特にエンジン周りのフレームなどはもう化け物のような補強が入っているんですよ・・・」
そして紗耶香の指す場所を由美達が覗くと、確かにエンジン下のフレームにはかなり溶接されたプレートがエンジンを支えているし、ピボットフレームもかなりの溶接を施されていた。
さらに2人には分からないのだが、紗耶香も凛も驚いたのがただ『ナナハンマッハのエンジンを載せた』ワケではないと言うことだ。
ナナハンマッハとKHではエンジンのフィンの型がまるで違うのだが、このナナハンマッハのエンジンはわざわざKH同様にフィンの角を立たせたデザインにされているのだ。これによりパッと見ただけではどうしたってKHにしか見えない。由美のゼファー改FX仕様よりもバレにくい仕上がりになっている。
「これを作った人は、よほど遊び心がある人か、よほどのKH好きなんでしょうねぇ・・・」
紗耶香がうっとりしながら呟く。が、3人はついていけなかったのかさほどテンションは高くない。むしろカワサキのバイクの話をするときの紗耶香の気迫に引き気味ですらあったのだが、紗耶香は気付かずに話しまくったとか・・・
「さて、みんなはどこにいるかな・・・」
挨拶周りを終えた真子が歩きながら呟く。いつものことだが、このイベントは集合時間も解散時間も個人の自由なので会場になっている大黒は常にバイクの出入りが多いのだ。また1台、ガラの悪そうなゼファーが入ってきた。コルク半にジャージを着た2人組で、おそらくこのイベントを知って見に来た地元の族関係の人間だろう。
「硬派は好きだが・・・彼らは違うな・・・」
このイベント自体派手な旧車は多いが、それは70年代の『走り屋仕様』で低く構えたロケットカウルやセパレートハンドル、シングルシートのレーサー仕様や、風防を絞り絞りハンドルでプレスライダー仕様などのいわゆる『大人の不良改造車』が多く、先ほどのゼファーの様な『現役or旧車會仕様』はあまり来ないイベントなのだ。まぁ来たとしても浮いてしまいそうだが・・・
「揉め事が無ければいいけど・・・」
そんなことを思いながら、真子は皆を探しながら歩いていると、目の前にいた。
「みんなここにいたのか」
「あ、姉貴・・・!!」
「真子さ〜ん・・・!!」
声をかけると、凛と由美が抱きついてきた。
「な、なんだいきなり・・・!?」
いきなりのことで真子は慌てた。凛ならともかく、由美まで抱きついてくるとはいったい・・・
その時、目の前に紗耶香が現れた。が、それを見て状況を把握した。紗耶香の目がぴかーん!!と光る。
「由美さんも凛お姉ちゃんも・・・逃げちゃダメじゃないですかぁ・・・?」
「ひぃ・・・!?」
「えぐえぐ・・・」
紗耶香が真子に抱きつく凛と由美の襟首を掴んで引きずると、由美は怯えて悲鳴を上げ、凛はもう半泣きである。
「2人もカワサキ乗りなら・・・もっとカワサキのすばらしさを知るべきです!!」
言いながら2人を引きずっていく紗耶香の顔は、それはもう幸せそうな顔だったという・・・
「あぁ・・・疲れたわ・・・」
「大丈夫・・・?」
ゼファーに寄り掛かって死んでいる由美を気遣って圭太がコーラを渡すと、由美はプルタップをパキャっと開けてごくごくと飲んだ。
「でも紗耶香ちゃんて凄いよね。旭さん達と同じくらいバイクに詳しいし、僕も少しは見習いたいよ」
そう言ってファンタを飲む圭太の顔は笑顔だ。
「全く・・・圭太は勉強熱心よねぇ。私なんかさっき聞いた話の8割は忘れたわ」
「いや、威張れないから」
そんな話をしていると、向こうから赤城姉妹が歩いてきた。1人死にかけてるが。
「圭太君・・・楽しんでる・・・?」
真子が笑顔でたずねると圭太は笑って頷いた。
その時、圭太達の後ろから若い男が2人近づいてきた。
「あの2人・・・」
真子が呟いた。あれは先ほど見たゼファーに乗っていた2人組だ。なにやらこちらに向かっているらしい。
「よぉ姉ちゃん達!FXなんてシブイの乗ってんの!?」
頭にコルク半を乗せた1人が由美に声を掛ける。
「おいおい見ろよオメェ、ここにいる娘達みんな可愛いぞ・・・」
もう1人が相方に耳打ちするが、声が大きいので皆に筒抜けだった。
「今日みんな単車?それとも彼氏連れ!?もしそうじゃなきゃ、オレ達と遊ばねぇ!?」
コルク半の男が交渉する。
「オレ達ここらが地元だからぁ、いろいろ案内出来るし、単車無い娘達は今からセンパイ達呼んで車に乗ればオーケーだろ!?」
グイグイ近づいてくる男に、由美達はキッパリと言った。
「残念ね!私達みんなバイクに乗ってるし、今日はイベントを楽しみに来たからあなた達とは遊べないわ」
言いながら、相手に見えないように圭太の手をぎゅっと握る。いくら気が強くてもやはり女の子。由美も少し怖いのだ。
「えぇ〜!じゃあそこの彼氏連れはいいや。そっちの3人!どう!?」
男達は諦めずに今度は真子達に声を掛ける。
「すまないが・・・私達はロケットカウルに3段シートを付けたバイクが好きじゃあない」
真子は臆するどころか、堂々と言い放った。
「私達はノーマルやカフェレーサーが好きなんだ。すまないが」
「なにカフェって?お茶?」
男がたずねると、真子はフッと笑った。
「そういうワケだから、私達は遠慮しておく」
真子が言うと、コルク半の男はもう諦めたのかそのまま通りすぎようとする。が、もう1人の男がまだ諦め切れないのか紗耶香にちょっかいを出しはじめた。
「オメェもマッハ!?やべぇな!!」
言いながら紗耶香と紗耶香のマッハをじろじろ眺める。が、そのうちマッハには興味を無くしてすぐに紗耶香にちょっかいを出してきた。
「あの・・・その・・・」
「おいコラ!!紗耶香が嫌がってんだろうが!?離れやがれ!!」
凛がキレると、男が反応した。
「あ?何オメェ?気持ちワリィ男言葉使いやがって・・・?もしかして今流行りな性同一障害かよ!?」
「な、なんだと・・・!!」
凛が顔を真っ赤にして言う。もはや血管がぶちギレるのは時間の問題と思われたその時・・・
「男の真似してんじゃねーよ!!気持ち悪っ!!!!」
男はそれだけ言いって歩いていった。
「なによアイツ・・・!旭さんがいたら説教よ説きょ・・・」
「由美待って・・・!」
由美の口を塞いで、圭太が止める。
「もがもが・・・なによぉいきなり?」
由美が聞きながら圭太の視線の先を目で追うと、そこには震えながら立っている凛がいた。
「ち・・・ちくしょう・・・!!」
そして泣きながら走っていってしまった。
「凛・・・」
「凛お姉ちゃん・・・!?」
2人の姉妹は、それを見るだけしか出来なかった。
「僕、様子を見てくる・・・!!」
「ち、ちょっと圭太ぁ!?」
圭太が走って凛の後を追い掛ける。すると紗耶香も後から続いていった。
「え?え!?真子さん・・・!?」
由美がおろおろしていると、真子は由美の肩に手を置いた。
「凛は2人に任せておこう・・・私達はさっきの2人を捕まえよう・・・!」
それを聞いて、由美はしばらくポカンとしていたがやがていつもの強気な由美の顔になっていた。
「わかったわ真子さん!!さっきの2人なんて旭さん達に比べたらなんてこと無いわよ!!」
そして2人は、先ほどの男達を探しに走りだした。
真田美春の!オールナイトニッポン!!
この放送は『旧車物語』の読者の皆様のご協力で放送しております。
美春「みなさん!あけましておめでとうございま~す!!美春おねえさんだよぅ♪」
作者「本年も、宜しくお願いします」
美春「今日は新年初更新ということで!いつもとは違うことをやっていきたいとおもいます!!」
作者「なにするの?」
美春「とりあえず、この作品『旧車物語』の人気が無いことの責任を取って、作者君には死んでもらおうかと・・・」
作者「いや待てよ!もともと需要なんか無いんだしこんな駄作、読んでもらえているだけでも本当に土下座モノだよ!?」
美春「まぁ冗談なんだけど・・・」
作者「それより僕は考えた」
美春「なぁに?」
作者「このラジオを裏番組にして、なんか作品に関係のあるようなラジオを作れば・・・」
美春「・・・・・・へ?」
作者「もともとこのコーナーは僕のやってる趣味の『音楽』を題材にしたんだけど・・・全く反響が無い。これはゆゆしき事態だ。でも内容がバイクになれば・・・」
美春「嫌だ嫌だ嫌だぁ!!!!このラジオがいいのぉ!!」
作者「美春君、世の中は結果が全て・・・このラジオの結果はどうだね?」
美春「く・・・くぅうう!!!」
作者「というわけで、こういう新年めでたい初更新の日に新ラジオの話を・・・」
美春「新年早々鬼かキサマーーーーーー!!!!」
作者「というわけで、アンケートをば」
美春「へ・・・?」
作者「いや、もしかしたらこのコーナーも楽しみにして読んでくれている人たちがいるかもしれないから、潰すのは酷だという人もいるかもしれない。僕もその1人だ」
だん!!!←目安箱を置いた
作者「で、目安箱を設置してこの番組を潰して完全新番組にするか、それとも裏番組にするか、それともこのままにするかを、読者の方々に決めてもらうというのはいかがか?」
美春「作者君・・・それいままで成功したことあったっけ?」
作者「お便りが来なかったら、自動的に『真田美春のオールナイトニッポン』は裏番組へ、新番組をスタートさせるよ」
美春「読者のみんな!ぜひこの番組に1票ください!」
作者「そのほか、作品の感想もお待ちしております!」
美春「いづれもメッセージボックスか作品感想、はたまた活動報告コメントでもいいからみんなヨロシクねぇ♪」
作者「それではみなさま、今年もいい年に・・・・・・美春さん、どこに電話してるんですか?」
美春「あっくん♪」
作者「じゃ、じゃあ僕はちょっと遠出するので!それでわぁ!!!!」
というわけで、アンケートも感想、苦情、アドバイスお待ちしております!
ことしもヨロシクお願いします!!
今年も『旧車物語』を宜しくお願いします。
追記、作中の団体、イベントは実在しません。もし同じ名前の団体やイベントがありましたらご報告ください。
それと、お話に出てきた750ssエンジン搭載KH400はZENSHINというショップのマシンで実在します。1月号のBGで影響を受けて使わさせてもらいましたが、なにか不都合があればそちらもご一報ください。
それでは・・・