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旧車物語  作者: 3気筒
3/71

第3章 初ツーリング!(前編)

前編です。相変わらず文字数少ないです・・・

今回の2章から『旭&美春編』になります。

あとがきは特別企画です!

 今日1日でいろいろあった。

 あの後、家に帰るまでにトラブルは何もなかった。これも旭の連絡のおかげか。しかし連絡回るの早すぎないか?と思いながらも無事に家にたどり着いた。

 しばらく時間を空けてから旭に連絡を試みる。

『おう、俺だ。』

「あ、旭さんですか?」

 なんとかつながった

『あぁ、圭太か。あの後、無事に帰れたか?』

 さっきあったばかりの圭太の声を覚えていてくれて、さらに帰れたかの心配もするあたり。旭はかなり人間が出来ているのかも知れない。そんなことを圭太は思った。

「はい、無事にたどり着きましたよ」

『そーか。で明日は合流出来そうか?』

「はい、もう一人に聞いたら『ツーリングは人数が多いほうが楽しいし、圭太が世話になったなら』ってことで問題無いです。」

 この電話をかける前に、由美に時間を知るついでに一応今日の出来事を話し、確認を取ったのだ。

 最初は「圭太と2人がいい」とか小さな声で意味ありげなコトを言っていたが、女心に関しては鈍感な圭太には意味がわからず、助けてもらったお礼も兼ねてと頼むと、「じゃ、じゃあ仕方無いわね!圭太を助けてくれたなら私もお礼くらいは言わないとね!」とか言っていたので、OKになった。

『そーか、わかった!そっちは何時に出るんだ?』

「朝11時に出て、途中で昼食を食べてからだから多分1時には着きます」

 ちなみに、明日は朝10時にバイク屋まで由美を乗せて、由美のゼファー改を取りに行き、それから出る。そこから隣町のダム入り口までバイクなら約40分。遠く感じるが、町の端に住んでいる圭太たちは、隣の町のさらに反対側にあるダムまでは少し距離があり、昼食がどうせ長引くので早くても1時という計算になる。

『そうか、なら1時にダムの山道の入り口に集合でいいな?』

「はい、すみません時間あわせてもらっちゃって。」

『いいって、気にすんな。それより、明日に備えてオレのサンパチちゃんオイル足さなきゃなぁ。じゃあ、明日1時な』

 そうこうして電話を切った。

 その後、圭太はいつもどおりに過ごし、夜11時には就寝した。

 一方・・・



 チッ、チッ、チッ、チッ・・・

「あー!ダメだぁ!!全然寝れないぃ!!!!」

 由美は明日、我が愛車ゼファー改のコトと圭太とのツーリングに行くことに楽しみと緊張で寝付けないでいた。

「うー、どーしよう・・・」

 ちなみに、由美は小学生の時から圭太が少し気になる存在になっていた。しかし、自分の男勝りな性格と圭太のおとなしさが災いしてその想いを伝えられないでいる。そもそも、この気持ちが何なのかすら良く分かっていない。

「明日は早いんだから、早く寝なきゃ・・・」

 頑張って目をつむるが、一向に眠くならない。何時間も過ぎた気がして時計を見ると10分も経っていない。

「あー!もう!!」

 そんなことを後数回繰り返し、ようやく眠りに付くのであった。


 そして当日。

 

「おはよー、よく眠れたわ〜・・・。」

 朝、自宅まで来た由美の顔を見て圭太は思った。「コイツ絶対あんまり寝てないな」と。

「とりあえずバイク屋までよろしくね!待っててね〜、ゼファーちゃん!」

 そうこうして由美を乗せて発進した。本当は「免許取得1年間は2人乗り禁止」というルールがあるが、今日この時は見逃してもらいたい。

 少し走るとすぐにバイク屋、「榊モータース」に着いた。

「ふぅ、到着〜」

 ヘルメットを脱ぎながら圭太がつぶやく。

「あんたの運転、慎重すぎてつまんないなぁ」

 由美がなにやら自分勝手なコトを言っているが気にしないことにした。

「おぉ、来たかい。」

 榊モータースのおじさん、榊さんが店から出てきた。

「おはよー!おじさん!私のゼファーは!?」

「あぁ、中にあるからこっちおいでな」

「圭太!早く行くわよ!!」

 こうして、店のなかに三人で入っていった。

「わぁ・・・!ピッカピカだぁ・・・!!」

 目の前には、ピカピカのゼファー改が置いてあった。

「今日ツーリング行くって聞いたからね、磨いといたよ。」

「ありがとう!おじさん!」

「まぁ、とりあえず各部の説明は前回したから、特に言うことはないんだけどひとつだけいいかな?」

 おじさんは真剣な顔で由美と、そして圭太に向かって話す。

「絶対に、無理な運転はしないこと。無理なことをすれば絶対に危ない目に会う。バイク事故は簡単に命を落とすこともザラじゃない。絶対に安全運転で、楽しく走ってくれ。」

 いつもの優しい笑顔ではなく真剣に、強く話すおじさんの言葉を聞いてこちらも固くなる。

 バイクというのは確かに、なにかあれば簡単に命をなくすこともある。毎年バイクでの事故で何人ものライダーが命を落としたり、重症を負ったりする。

「ま、じじぃからの説教はこんくらいにするかの、それより早く行かないと遅れるぞ?」

 言われて時計を見ると、もうすぐ11時だ。

「あら、本当だ!早く行かなきゃ!」

 そういってヘルメットを被る由美。ちなみにヘルメットはジェットタイプだ。

「おじさん!今の話、肝に命じとくわ!!ありがとうね!」

 由美がお礼を言うと、おじさんは笑いながら頷いた。

 きゅるるる・・・ボワン!!

 セルが回り、ゼファーのエンジンが始動。ちなみにマフラーは無名だが、ショート手曲げ管である。

「うわぁ、スゴい・・・教習で乗ったヤツなんかより全然カッコいい音・・・」軽くフカしながら、由美が感動の声をあげる。

「じゃあ、道中気を付けてな。また気軽においでな。」

「ありがとうねおじさん!」

「どうもお世話になりました」

 2人ともお礼を言って、ギアをローに入れた。

「よし、圭太!とりあえず隣の町行く前に、少し走ってご飯食べに行くわよ!!」

「いいけど、どこに行くのさ?」

「ついてきなさい!!」

 そう言いって、由美は半クラッチでゆっくりと発進、後から圭太が追い掛けた。

「やっぱり若い子は元気だのぉ・・・」

 榊は走り去っていく背中を見て誰ともなく呟いた。



 しばらく国道を走り、途中五差路を右に曲がる。

 由美のゼファー改FXは速度を40前後に圭太の前を走っていた。

「きもちー!!!!」

 ゼファー改を駆りながら、由美が叫ぶ。マフラーにサイレンサー(消音器)が入っているためそこまでうるさくはないがそれでも結構大きい音に由美のテンションは最高潮に達していた。

「大丈夫かな由美のヤツ・・・」

 ゼファー改FXの後ろを走る本物FXに乗る圭太はヒヤヒヤしていた。

 免許を取ったばかりの由美の運転は、教習場では教官ベタ誉めの腕だったが、教習場と公道は違う。教習でも公道は走ったがあれは教官もいたし普段より注意力が働いている。しかし免許取得すれば、口やかましい教官はいない。減点も見極めもなにも無いから、飛ばしたり注意力が薄くなり事故を起すのでは、と悪い方に考えてしまう。

 しかし、由美はそんなコトを考えている圭太をいい意味で裏切った。

 ニーグリップをして、飛ばしたい気持ちを押さえて法定速度内で真っ直ぐ走る。

 初心者の中には自分の腕を過信しすぎて蛇行やすり抜け、その他無謀な行為を行うことが多々あるが、由美はそのテンションとは裏腹に普通に走っている。

 しばらく進み、途中にあるファミレスに2人は寄った。駐車場に入り2、3度軽くフカしてキーを切った。

「あー、もう最高!!さすが私のゼファーちゃん!!」

 バイクから降りた後も、じーっとゼファー改FXを見ている由美に、圭太がしびれを切らした。

「早く入ろうよ、旭さん達とのツーリングに遅れちゃうよ」

 まだ時間はあったが、万が一に遅れたら申し訳ないので由美を説得して店内に入った。

「・・・」

「・・・」

「・・・カッコいい・・・カッコよすぎるわ!」

 店の窓際、バイクの目の前の席に座りながら由美はさっきからずっとこんな感じだ。

「FXってやっぱりカッコいいわよね!!2台も並ぶと迫力もあるし!」

 由美が立ち上がらんばかりに聞いてくる。

「そうだね〜」

 しかし、どこか投げやりな感じで圭太が答えた。

「なによー、あんた、FX好きじゃないの?」

 結構スネながら由美が聞いてきた。それはそうだろう、せっかく型式や名前は違うが圭太のFXと同じ外装のゼファーを買って、初日だと言うのにこんな反応をされれば誰でも拗ねたくなる。

「いや、嫌いじゃないよ。好きだけどさ」

「じゃあ何よ?」

 アヒル口で聞いてくる由美に圭太は水を一口飲んでから答えた。

「うらやましくてさ、由美が。僕のは父さんからのお下がりで、自分で乗りたいバイク決めたわけじゃないからさ、まだそこまで感情移入出来ないんだ。それと、自分でバイクを決めた由美がうらやましいのと、自分で買えない僕が少し悔しかっただけ」

 そう。いくらカッコいいバイクでも、圭太はまだ乗り始めて日が経ってないし、自分で買ったわけでもないためになかなか自分のバイクに愛着が湧いていないのだ。

 だが由美は「そんなことないよ!」と言ってきた。

「あんなにカッコいいし、圭太のお父さんから譲り受けたバイクなんだから圭太がそこまで考えることは無いわよ!」

 由美は圭太に迫るが、その顔はかなり真剣だ。

「それに私は圭太のFXのおかげでバイクの免許取ったり、ゼファーちゃんに決めたんだから!」

「え?」

 心底わからないという感じで圭太が問う。

「だって、私昔からバイクとか車とか乗り物全般が好きだったじゃない?小さいときからあのFXを見ていたから「いつか私もバイクに乗りたいっ」て思ってて、免許取ってから圭太はあのFXをもらってだから私・・・圭太と同じバイクがいいって思ってて、それで・・・」

 なにやら言葉がまとまっていないが、圭太は言いたいことがよくわかった。

「そうか・・・ゴメンね、僕が変な風に考えてて。」

 圭太は頭を下げた。

「でも、ありがとう。今の言葉で僕もさっきよりだいぶFXに愛着が湧いたよ、やっぱりカッコいいしね」

 圭太がそう言うと、由美はさっきまでの不満と恥ずかしそうな顔から一変、満面の笑みを浮かべた。

「当たり前じゃない!あんなにカッコいいんだもん!分かればいいのよ、分かれば!」

 そうこうして料理が出てきてバイクの話をしながら食べて、店を出た。今から出ればちょうどいい。

「よし、行くわよゼファーちゃん!!」

 セルの音が鳴り、次にピストンの爆発音が轟く。

 圭太のFXも同じようにエンジン始動。

「よし、行こうか」

 そう言って今度は圭太が前を走りだす。由美は後ろから程よい距離を保って付いてくる。

 春の風を感じながら、圭太は心の中で由美に改めてお礼を言った。そして自分にも聞こえないような小さな声で呟いた。

「よろしくね、FX」

 2台のカワサキは、気持ち良さそうに道路を快走した。


 バイク紹介&自慢広場!



 作者「このコーナーでは、登場人物に自分の愛車をを紹介してもらいます!記念すべき1人目は主人公の中山圭太君です!!」

 圭太「あ・・・はじめまして・・・ってなんですかここ!?なに登場人物って!?それにあなた誰ですか!?」

 作者「あぁ、まぁここは夢の中のようなものです。そして私の名は・・・まぁ気にするな」

 圭太「気にするよ!なんで僕がこんなところに・・・」

 作者「まぁ、考えても答えは出ないし、時間もないから早くしてね。うん」

 圭太「理不尽だ・・・まぁ、夢ならいいか・・・」



 KAWASAKI Z400FX 圭太仕様

 スペック 

 エンジン ノーマル

 足回り ノーマル

 外装 ノーマル

 色 ブルー


 作者「・・・」

 圭太「・・・」

 作者「・・・つまんねー」

 圭太「え!?僕強制的に連れてこられて勝手にバイクの紹介させられて、それで最後ソレだけ!?」

 作者「ミスキャストだったな・・・」

 圭太「ひどいよ!ていうかもういいでしょ!?夢なんだからそろそろ覚めて!!」

 作者「わかったよ、しょうがないなぁ・・・じゃあまたね~」



 がばっ・・・!←起きた

 圭太「・・・すごく嫌な夢を見たような気がする・・・」





 というわけで、たまにはこんなお遊びもしてみたいと思います。

 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 今日は、前編と後編2つ上げますので、読んでいる方がいらっしゃいましたら、厳しい感想など待ってます

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