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旧車物語  作者: 3気筒
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第26章 旧車乗りのプライド!

圭太達がアカギ建設を後にしてしばらく経った時、旭の家では暇潰しカードゲームの代表、UNOが行われていた。が、美春と由美が何やら議論していた。

「えー?ゆーちゃん、それダメだよぉ」

由美が捨てたカードを見て美春が指摘すると、由美もなかなか譲らない。

「ダメじゃないわよ、これはこうやって返せるもの。ほら美春ちゃん、10枚引いて」

由美が山のように積まれたデッキを指差す。

「違うよ〜、この場合はゆーちゃんが8枚引くんだよぉ?」

美春も頬を膨らませて断固譲らない。先ほどからこの話で2人は言い争っているのだ。その理由はもうお分かりだろう。

「ドローフォーはドローツーじゃ返せないんだよぉ?」

「返せるわよ。私は家でも小学校でも中学校の時だって、このルールでしかやってないもの」

ちなみに旭と千尋はすでに上がっている。2人はかなり早い段階で抜けているあたり、かなりカードゲームが上手いのだ。

そして、こんな理由で言い争っている由美と美春の手には山のようにカードがある。2人とも下手くそなのにこんなコトでごたいそうに言い争っている。

「だーってぇ、それじゃあおかしいよぉ?ドローフォーで色を選べるんだから選んだ時点で違う色は出せないし、それにドローフォーとドローツーじゃ違うカードだよ?」

「ドロー系は同じカードって認識だから、色違いでも返せるのよ。ほら、美春ちゃん10枚引いてよ」

「そんなルール聞いたことないよぉ!」

2人が今だに揉めているのを、先ほどから横で見ていた千尋がおずおずと由美達の会話に入ってきた。

「あの・・・もういいんじゃないかな・・・?ゲーム・・・」

「え?」

「なんでちーちゃん?」

2人が千尋にたずねると、ため息をしながら千尋が2人の手札を指差す。

「だってもう手札山々ですよぉ?これじゃあなかなか終わらないです。そろそろ洋介さん達も帰って来るし・・・」

千尋が言うと、由美と美春は己の手札を見た。もう10枚では収まらないカードの束は、なぜか一向に減らない。そんな現実を見せ付けられて、由美と美春は手札を捨てた。

「確かにそうね・・・こんなカードゲームにいつまでもこだわってたらキリが無いわ」

由美が清々しく言う。美春もウンウンと頷く。

「そーだよね、これでいいんだよね!私達デュエ○ストはお互いに頑張ったもん♪」

もうワケがわからない。わかるのは要するに2人は飽きていたと言うことだ。某ペガサスもビックリである。

「と言うわけでぇ、あっくーん!!」

どういう訳なのか全くわからないが、美春が隅で寝転がる旭に叫ぶ。旭は隅で寝ながら雑誌を眺めていた。

「何読んでるんですか?」

由美がたずねると、口角を釣り上げて笑った。

「サンパチちゃん特集の古雑誌だよ。サイコーだよなぁやっぱ!」

眺めていた雑誌の表紙を見せてきた。特集は「GTシリーズの魅力!徹底調査!!」だ。

「やっぱしよぉ、サンパチちゃんが一等カッケェよなぁ・・・」

「ウンウン、あっくんの言うとうりだよ♪」

サンパチオーナーの2人が声を揃えて言う。ふと、由美は旭に聞いてみたいコトがあったのを思い出す。

「そういえば旭さんて、なんでサンパチを選んだの?」

由美がたずねると、旭は「うーん」としばらく考えてから結論を話した。

「別に深い理由なんか無ぇよ?タダよぉ、スタイルがいいんだよなぁ、スタイルが。中坊にはシブく見えたんよ」

前髪を弄りながら笑った。

「最初はそんな理由だったな。ただ、実際跨がると以外とタンクがデカくてなぁ、バブⅡなんかと比べたらドッシリしててよ?で、走ってみたらすんげー音だし白煙バキバキでよ!周りの奴等ぁみんなビーエックスやらGSやらが好きだったケド、オレはもうコイツっかねーって思ったっけぇ」

昔を思い出しながら懐かしむ様にして語る。

「高校行ってもバイトばっかして、サンパチんコトばっか考えてたよ。納車前なんざ眠れなくてよ、メット持って部屋ン中でずーっとそわそわしてたな」

「なんか可愛いわね・・・」

「な、ワリィかよ・・・!?」

「そんなこと無いわ、イイ話じゃない!」

由美が笑いながら言うと、ニコニコしながら美春の肩をポンッと叩く。

「美春ちゃんは?なんでサンパチにしたの?」

「んー?私?」

人差し指を唇に当てて考える素振りをした。

「私はねぇ、まぁ最初はあっくんと同じのがいいなぁって思ってたよ」

「だと思ったわ・・・」

由美が笑うと、美春は「えへへ」と照れた。

「でもサンパチに限らずバイクって高いでしょ?だから買えなかったんだぁ」

美春が残念そうに言う。サンパチの相場は平均65万〜なので確かに当時普通の高校生の美春に手の届く代物では無い。

「じゃあ、あのサンパチは?」

「拾ったの♪」

由美の質問に、いつもの笑顔でなんてこと無いようにとんでもないコトを言った。

「ひ、拾った・・・?」

「うん♪」

その時のコトを思い出しているのか、美春は懐かしそうにつぶやいた。

「川原の土手でね、錆びてボロボロで捨てられてたあの子を見つけて、あっくん家まで運んだんだぁ。怒られちゃったし、いろいろ面倒なこともあったケド、あっくんとはぐっち達が頑張って治してくれたんだよ?」

美春の話を聞いていた由美は美春の強運とあの綺麗なGT380がズタズタのガラクタから再生されたことなどでいろいろと驚いた。

「あっくんが頑張って組んでくれて、みんなが協力してくれて・・・だからあのサンパチは他のどんなバイクにも替えられない、誰がなんて言ったって私の宝物なんだ、絶対に」

美春のひとことひとことに如何にあのサンパチが大事なのかが伝わる。話を聞いていた由美と千尋はすごく関心した。

「美春ちゃん、あなたは素晴らしいわ!!変態だけど・・・私も圭太と2人でFXとゼファーちゃんに乗り続けるわ!」

「うん・・・美春さんは凄いです!ちょっと変態だけど・・・私もRGが治ったらそういう風に言えるように頑張る!」

2人が言うと、美春は2人の手を取った。

「私もみんなのお姉さんになれるようにもっと頑張るよ!あと、所々酷いこと言っちゃメっ!だよ?」

そんなこんなで3人が笑いながら戯れあっていると、外からエンジン音が聞こえてきた。

「あ、はぐっち帰ってきたぁ♪」

はしゃぐ美春の声。軽トラのエンジン音に続きFXの音、そしてすぐに違うエンジン音が響いてきた。

「この甲高い音ぁ・・・2スト・・・?誰よ?」

旭が窓を覗くがよく見えない。

驚く由美に、旭がさらに続けた。

「単車が4台もいやがる・・・しかもこの爆竹チャンバーの音・・・もしか・・・」

その時、外からエンジン音が消えた。しばらくして廊下から足音が近づいてきた。そして部屋の前で止まるとドアが開いた。

「よぉみんな!帰ったぞ!」

洋介がいつもの無駄に高いテンションで玄関に入ってきた。後ろから翔子と圭太も続けて入ってきた。

そして3人が玄関から部屋に入ると、そこに見覚えのある人物が3人いた。

「失礼する」

1人が頭を下げてからひとこと言って彼女達はとりあえず玄関に通された。

「おめぇら・・・何でココに・・・!?」

予想通りだったとはいえ、驚いている旭を見て、彼女はフッと笑った。

洋介は旭に手を合わせた。

「とりあえず入ってもいいか?そいたら事情を話すからさ」



旭の部屋に、赤城3姉妹が現れた。






6畳半の部屋に10人も入るとかなり、いや、めちゃくちゃ狭い。とりあえず詰めてみたものの玄関まで全部使ってとりあえずなんとかなったというところになった。

そんな狭苦しい室内で洋介が旭達に事情を話す。話をまとめるのは得意では無いが、アカギ建設にいったら実は赤城姉妹が令嬢だったコト、とりあえず和解したコト、エンジンは無事に譲ってもらったコト。で、トドメにこの後みんなで少し走りにいこうという話をした。

「まーったくよぉ・・・」

旭はコタツ机の上に座ってため息をついた。部屋を見渡せば人、人、人である。

「別に構わねぇけどよぉ、来過ぎだろ、この人数・・・」

「すまないわね、いっぺんに押し掛けてしまって」

真子が頭を下げると、旭は「いいっていいって」と顔を上げるように言った。

「前回のインチキ許してくれたんなら、何にも言えねぇよ」

旭が言うと、真子は笑った後、圭太と由美に顔を向けた。

「由美ちゃん、久しぶりね」

「真子さん達もね!元気だった?」

「もちろんよ」

互いに圭太を狙うライバル意識があるが、こうしてみんなといる時はそんなコトを気にせずに話せる。今は友達同士だ。

「ところで、ツーリングはどこに行くんだよ?ヤマか?」

凜がワクワクしながらたずねる。凜はここに来る途中に皆に待っていてもらって、自分の愛車を取ってきていた。彼女としては前回の圭太と走った峠でのリベンジをしたいらしい。

「峠だったら市外だなぁ。構わねぇよ?」

「山道もたまにはいいねぇ♪」

旭、美春は賛成した。

「つーことはあの峠だろ?今が2時半過ぎだから・・・今出たら40分くらいで向こうに着く感じか?時間は余裕あるぜ」

「山道を走るのは気持ちいいですからね・・・私も賛成です」

洋介と翔子も迷わず賛成。2人には高速ツーリングなどより峠などの方がバイクの性能的に余裕があるので賛成だった。

「じゃあ決まりね?」

「うっしゃ!ヤマだったら負ける気しねぇ!」

「凛お姉ちゃん?競争じゃないんだよ?」

紗耶香が喜ぶ凛に釘を打つ。凛は「わりぃわりぃ」と笑いながら謝るが、紗弥加はそんな凜の目を見て多分ダメだと思った。

「そんなら、早く出ようぜ?オレん家息苦しいしよ」

旭の合図に皆も頷く。旭には悪いが、この人数でこの部屋にいるとかなり息苦しい。皆、我先にとばかりに部屋を出ようと玄関になだれ込んだり巻き込またり・・・

「ち、ちょっとみんな・・・!」

「詰めすぎ・・・」

「あっくーん♪」

「美春押すんじゃねぇ・・・!」

「あ!軽トラのキー忘れてた!」

「よ、洋介さん・・・今はとりあえず戻らないで進んで下さい・・・!」

「おにーちゃん・・・苦しいぉ・・・」

「凛、踏み台になれ」

「姉貴・・・さらっと言うなよ・・・ぐぇ!」

「あぅあぅ・・・」

この後家を出るまで約7分の時間を要した・・・







「なんとか出れたな・・・」

玄関の外で、皆に踏み潰された自分の靴の山を見てこめかみを押さえて怒りを静めながら言う。

「で、ルートは?」

真子がたずねると、洋介が軽トラのキーシリンダーを捻ってエンジンを掛けた。

「とりあえず国道を越えて、そんままずっとまっつぐだ。オレは今から自分の単車取ってくるから途中合流だ」

「あなたは確かヨンフォアよね?」

ヘルメットを被った真子が聞くと、洋介は軽トラの窓越しに渋味をキかした顔で答えた。

「オレの自慢さ」

言って、一足先に駐車場を出た。

「軽トラでもカッコいいですね」

軽トラが曲がっていった道を見ながら翔子が呟く。すると由美と美春がニヤニヤしながら翔子に絡む。

「あっれぇ〜?翔子ちゃん、もしかしてぇ」

「ホントにはぐっちのコトを・・・?」

「な・・・ち、違いますよ!そんなワケ無いです!!」

翔子が否定するが、すぐにその話題に話が進む。

「同じフォア乗りだし、いいいと思うよぉ?」

「でも洋介にゃもったいねぇな?」

美春と旭が言うと、今の今まで自分の愛車のチェックをしていた真子も会話に入ってくる。

「そういえば、ウチに来た時もその子はずっと彼を見ていたような・・・」

「ちょ、真子さん!!」

「あぁ、オレ達も見てたぜ?」

「頑張ってください・・・!」

赤城姉妹の間違った激励を受けて、翔子はもうおろおろするしかない。そんなピンチの時、翔子に救いの手が差し伸べられた。

「由美も美春さんもやめようよ、翔子ちゃん困ってるし」

圭太が翔子の前にかばうように立つ。それを見て、翔子は目をウルウルさせながら助かったと思っていると、

「あんまり言ったらダメだよ。こういうのは遠くからそっと見守ってあげるのが友達だよ」

それを聞いて、翔子はギャグ漫画並みに盛大に転けた。

「そういう話には鈍感なのになんでこんな時に限ってありがた迷惑な行為をするんですかぁ・・・!!圭太さんのバカぁ!!」

翔子はキレると、圭太の肩をポカポカと叩き始めた。

「ちょっと!痛いって!」

圭太が悲鳴を上げると、由美が笑顔で

「翔子ちゃんずるい!私も圭太叩く!!」

と言って、この非情なる暴力に加担する。

2人がポカポカ殴っていると、後ろから旭が早く出るぞと言わんばかりの威圧的オーラをビンビンに飛ばしながら

「オレも殴っていい?」

と聞いてきたので、とりあえず2人は殴るのをやめた。

「ったくよぉ、早く行くべぇよ。洋介に先越されンぞ?」

別に競争しているわけでは無いのに旭が急かす。なんかウキウキしているように見えたので不思議そうにして見ていると、美春が小声で圭太と由美に耳打ちした。

「あっくん、最近サンパチちゃんに乗ってないからウズウズしてるんだよぉ」

「あ、なるほど」

圭太は納得した。見ればすでにエンジンを掛けて甲高い爆音で今にもコールを切りそうな勢いである。

「じゃあそろそろ行きましょう?私も早くゼファーちゃんに乗りたいし!」

そして皆自分の愛車に跨がりエンジンを掛けた。千尋は美春の後ろに乗って行く。

「これだけ旧車が集まってるとやっぱり迫力と言うか・・・ね?美春さん」

「だねぇ♪楽しくなるよぉ」

美春もキャンディブルーのB4ライン外装のGT380のアクセルを嬉しそうに吹かす。

「じゃあ行くぞ?ついて来いよ!」

そして8台の旧車達は駐車場を後にした。




「走りだしたら止まらないぜ♪どよーのー昼の天使さー♪」

国道を抜ける道を8台もの台数で走っていると、確かにそんな替え歌が思い浮かぶかも知れないが、美春はなぜかバイクに乗ると歌を歌うクセがある。しかも古い。

「あ、その歌・・・昔おにーちゃんが聴いてた」

後ろの千尋が美春と楽しそうに話しているのを見て、圭太は微笑ましい光景だと思った。こうして見ていると本当に姉妹の様だ。

「圭太君。君はFXを改造したいとか思わないのか?」

途中の信号で横に並んだ真子がフルフェイス越しに話し掛けてきた。

「特に今は・・・今の時点で不満は無いです」

「そうか。カワサキのバイクはフルノーマルで十分なのかも知れない・・・」

「まさかノーマルに・・・?」

足回りから何まで手を入れられたマッハを見て圭太が驚くと

「いや、残念だけどここまで来てしまうと難しいわ」

と苦笑した。

そしてそのまま国道を突っ切り真っ直ぐ進んで行くと、後ろから1台のバイクが追い付いてきた。

「あ、洋介さん!」

翔子が嬉しそうに手を振ると、洋介もそれに応えて手を振り返す。洋介のヨンフォアは今日はセパレートハンドルだった。

「ヤッホー翔子ちゃん!」

洋介がアホみたいに笑いながら翔子の横を加速していく。前を走る旭の隣に並ぶと、旭がフォアを見てニヤリと笑った。

「なんだよ?セパハンてこたぁ、今日は攻めンのかぁ?」

「いんや、雰囲気よ雰囲気。ヨンフォアが峠でマー坊ハンじゃあ雰囲気出ねぇだろ?」

前傾姿勢で下からニヤリと笑った。

一方、真ん中を走る圭太と由美も前を見ながら話していた。

「そういえば・・・」

「どうしたの由美?」

由美が何か考えてから、今気づいたという感じで圭太に言った。

「私達の集団て、なんか車種が固まってるわよね?」

由美に言われて圭太もあぁ、と思った。

「旭さんと美春ちゃんはサンパチでしょう?翔子ちゃんと洋介さんは350Fourと400Four。真子さん達は同じマッハシリーズだし・・・私と圭太だって車種は違えど同じ外見だし」

「そういえばそうだね」

「なんかまとまってて良いわよね、それでいてみんなそれぞれの個性があるから奥が深いわ」

由美が感心しながら自分の愛車のタンクを上から見つめる。自分の愛車も、それなりに個性が溢れていると思っている。

「ま、どんなバイクだって私のゼファーちゃんには勝てないけどね!」

言ってアクセルを開ける。ショート管から吐き出された爆音が山にこだました。






峠に入って、9台そろってのんびり上りのツーリングを走り終えた。峠にはほとんど対向車もいなかった。

旭や洋介達は飛ばすものだと思っていた圭太と由美だったが、2人とものんびりと景色を見ながら、時折冗談交じりに蹴るふりをしたりして走っていたし、赤城姉妹もゆっくり走っていたので意外だった。

ちなみに旭達が飛ばさなかった理由は、この峠ではたまにネズミ取りが行われていて、その取締まりの餌食にならないように道全体の確認をすることが目的であった。どうやら警察は出ていないようだ。

しばらく楽しく走っていると、やがて平らな道になり、駐車場が現れた。旭達先頭組がウィンカーを出したので駐車場に侵入する。

「ここが頂上だぜ?」

駐車場についてサンパチのエンジンを切った旭が圭太達に言う。

「山が開けてて景色がいいわね!夜に来たら綺麗かも・・・」

駐車場から見える景色に由美が感想をもらす。由美の言うとおり、ここは夜になるとかなり綺麗な夜景が見える。そのため少し有名なデートスポットでもある。

「皆さん、今日もカメラ持って来たので集合写真撮りましょうよ!」

翔子がリアシートにつけているアーミーバックからカメラと折り畳み式三脚を取り出す。

「今日はこの景色を背景に皆さんを撮って、バイク達は停めた場所で一緒に撮りましょう」

翔子が提案すると、皆その景色の見える場所まで行って並ぶ。ちなみに今回の並び順は左上から洋介、美春、旭、千尋。左下から紗弥加、凛、真子、圭太、由美である。

翔子は皆がレンズに収まったのを確認してタイマーをセット。そのまま急いで走って洋介の横に並んだ。

「圭太君。もっとこっちに寄って」

ランプが点滅を始めた時に真子が圭太を自分の側に寄せるようにして引っ張ると、反対側の由美も負けじと圭太の肩を掴む。

「圭太はこっち!私の側よ!」

グイっ

「ちょっと由美痛い」

「ほら、圭太君が嫌がっているわよ?」

グイっ!

「真子さんもやめましょうよ、痛いですって」

シャッターの点滅が早くなる。

「圭太は私と一緒なの!渡さないんだから!」

グイっ!

「圭太君は物じゃないわ」

グイっ!

「ちょ、ちょっと・・・!うわっ!!」

2人に引っ張られていた圭太はバランスを崩して1人で倒れてしまった。そしてその瞬間にシャッターが切られた。出来上がった写真のコトを想像して翔子は笑ってしまい、圭太は恥ずかしそうに下を向いてしまった。

その後翔子はそれぞれの愛車の写真を撮ったり、みんなの姿をそれぞれデジカメに収めていった。

「あっちでジュースでも飲むかぁ?」

旭の提案で停めている場所から少し離れた駐車場内のベンチで、自販機のジュースを飲むことにした。

「空気がいいよね、こういう場所はさ」

圭太がファンタグレープを飲みながらつぶやく。すると隣にいた由美もジンジャーエールを飲みながら景色を見る。

「眺めもいいし、みんなで走るっていうのもすごい楽しいわ」

2人が峠の景色を眺めながら談笑していると、突然入り口から4台のバイクが入ってきた。

「あっちもツーリングか?」

旭が集団を横目につぶやくと、真子はその集団を見て缶を置いた。

「違う、あれは走り屋よ」

真子の言うとおり、4台のうち3台がレーサーレプリカだった。フルカウルでライダーは皆レーシングスーツを来ていた。

「ふーん、ま、関係ねーや。便所行ってくんわ」

「あ、オレも」

言って、興味なさげに旭と洋介はトイレに行ってしまった。

「あ、私達の隣に停まりました!」

紗耶香が見ていると、集団は自分達の隣に停まった。最初にバイクから降りたのは少し太り気味の20代後半の男だ。他の仲間とバイクを降りるなり圭太達のバイクをじろじろ眺めながら何か話している。

「何話してるのかしら?」

由美が耳を傾けるが、ここからではよく聞こえない。

男達は駐車場に並んだバイクを眺めながらなにやら議論していた。

「うひひ、見てよこのサンパチ。珍走団仕様ですよ」

目の下にクマをつけたガリガリの男が旭のGT380を指差して笑う。

「旧車會とか言って昼から走ってる珍走団でしょ?恥ずかしくないんですかねぇ、ふひひっ!」

太り気味の男が不気味に笑いながら他のバイクも見ていく。

「あ!これケッチですよ!結構イジってる」

「でも旧車に金かけたって速くならないし、無駄だよね」

「ヨンフォアも遅いっていうし・・・でゅひひひ!!」

皆、口角から唾を飛ばしながら皆の愛車を酷評して笑っている。

「このFXなんか直管だし、うるさそう」

「ロケットカウルと3段はいないんだねぇ、へへ」

いいながら男がメーターを覗き込むと、意外そうな顔で驚いた。

「これゼファーですよ?外装だけFXですよ!」

太り気味の男が由美の愛車の正体を見破って笑う。

「きっとFXが高すぎて買えなかったんでゴザる、珍走団には・・・ふひふひひ!!」


そんな様子を遠くから見ていた由美達は、彼らが何を話しているのかわからない。しかし由美はなんとなく彼らの表情を見ると、何故かいい気分がしない。

「なに話してるのかしら?」

「なんか笑ってますけど・・・」

翔子が不安そうに見ていると、太り気味の男が由美のゼファーのタンクを思いきりさわった。

「あ!私のゼファーちゃんに・・・!」

見ればもうひとりは真子のマッハのアクセルを触っていたりする。

「あいつら・・・!我慢できん!!」

真子が睨み付けながら言うと、それが引き金となり由美達は彼らに近づいていった。

「あの!すみません!」

由美が彼らに声をかけると、彼らもそれに気付いてこちらを見てきた。

「ん?なに?」

「お!可愛い女の子達でゴザルよ!」

太り気味の男がぶひひ、と笑いながら手を振る。

「そのバイク、私達のバイクに触らないでください!」

由美が言うと、彼らは一瞬キョトンとしたが、すぐに爆笑に変わった。

「これがチミ達のバイクぅ!?」

「嘘はダメでゴザルよぉ!君達みたいな可愛い女の子が珍走団!?」

「一種の萌〜ってやつですね、わかります」

「うひひ、うひひ!!」

男達が下品に笑う。それを見て由美がキレた。

「ちょっと!なに失礼なこと言ってんのよ!私達のバイクになにか文句でもあるの!?」

由美が叫ぶと、男達はニヤリとイジの悪い笑みを浮かべた。

「いやね、困るんだよねぇ・・・こーゆーバイクで峠走られると・・・」

「僕たち走り屋まで珍走団に見られてしまうからねぇ・・・でゅひひ!こんなケッチみたいにセパハン付けたりしたって速く走れないし、ゼファーをFX仕様にして珍走団まがいのことされたら困るんだよ」

ガリガリの男が真子と凛のマッハと由美のFX仕様のゼファーを見て笑う。

「それにしたって、この子可愛いよぉ」

「うひひ、なんかハルにゃんみたいでいいよねぇ・・・うひひ!」

男達は由美達を見ていやらしく笑う。

「な、なによ気持ち悪いわね!そんなことより、私達に謝ってよ!」

「そうだテメェら!!オレ達の単車にベタベタ触りやがって!」

由美と凛が怒鳴ると、猫背の男が笑った。

「この子はオレっ娘ですよ!貴重ですよ!!」

「だぁーっ!うるせぇ!ぶん殴るぞ!テメェ!!」

「しかも、男はそこの彼1人ってなんですか?ハーレムですか?」

猫背が圭太を見てニタニタ笑う。

「しかも可愛い感じのいい男だし、もしかして男の娘?」

そう言うと、彼らはバカ笑いする。圭太は悔しくなってなにか言おうとすると、由美が男の右手を掴んで捻り上げた。

「あんた・・・!圭太に謝りなさい!!」

「イタタ!痛いで・・・!」

「あ、お前!放すでゴザルよ!」

太り気味の男が、腕を捻り上げた由美を突き飛ばした。

「きゃっ・・・!」

由美はその場で転んで、後ろにあった彼らのバイクにぶつかった。

「ゆーちゃん!?」

「由美ちゃん!大丈夫ですか!?」

美春と翔子が由美に駆け寄る。由美はお尻を摺りながら立ち上がる。

「何するのよ!」

由美がかなりキレて怒鳴ると、ガリガリの男が近づいてきた。

「あぁ!僕のバイクにぶつかったな!?」

言って、由美などお構い無しに自分のバイクのカウルに傷が付いていないかを確認する。

「もうこのバイクに傷ついたら君たちどうにかしてくれるの?」

ガリガリがぶつぶつ言うと、由美と美春と真子、凛の4人は頭の血管がぶちっとキレた音を聞いた。

そして彼らにぶちキレようとしたその時・・・



「いい加減にしろ・・・」


皆が熱くなった空気の中で、その静かな声はよく響いた。

「け、圭太・・・?」

今さっきまでキレていた由美が見ると、圭太が今まで見たことも無いような恐ろしい顔で男を睨み付けていた。

「僕達のバイクに勝手に触ったり、由美達にひどいコト言って・・・挙げ句、由美に手を上げた・・・謝れ!」

圭太が叫んだ。その目はしっかり彼らを睨み付けていた。

「な、何を言いだすかと思えば・・・先に手を上げたのはその子であって・・・」

「ふざけるな!あなたが由美に手を上げたのは事実だ!由美達に、バイクに謝れ!!」

ものすごい剣幕でまくし立てる圭太。その迫力に男達が慌てていると・・・

「よーし、圭太ぁよく言ったぁ・・・テメェら2秒でクシャクシャにしてやっかんな?」

「調子乗りすぎたなぁオメェら?」

旭と洋介が彼らの後ろから現れた。

「な、なにを!?」

小太りの男が旭に首根っこを捕まれて悲鳴をあげる。後ろを振り向けない彼には後ろの旭が見えないが、凄まじい怒りだけは確実に伝わってくる。

「テメェ、このまま地面にぶん投げてやんかぁ!?」

「ひぃ!!」

旭と洋介の2人が現れたことによって、男達はかなり狼狽していた。今にも血の雨が降りそうな状況の中、旭に圭太が飛び付いた。

「旭さん!やめて下さい!!」

「な!?圭太・・・」

圭太が真剣な顔で旭の手を握る。

「ここでこの人達を殴ったら、由美を突き飛ばした奴とやってることに変わりありません!」

「でもよぉ・・・」

圭太が言うと、旭もなにも言えなくなった。普段の圭太からは想像出来ないほどの怒りだが、言っていることはいつもの圭太と同じである。圭太はあくまでも暴力だけは極力避けたいのだ。

旭が男を離すと、男は荒い息で呼吸を整えて旭を見た。

「なんなんだあなたは!!今のは暴力だ!警察に突き出してやる!!」

太り気味の男が叫ぶと、男の肩が強く捕まれた。

「おい・・・?今ぁ圭太が止めてくれてんけど、まだゴタゴタ言うならオレも旭を止めらんねーぜ?」

旭より背は低いが、ガタイが良い洋介がギロリと睨みを効かすと、男は黙った。

「じゃあ圭太よ、コイツ等どーすんよ?」

旭がたずねると、圭太は今洋介が黙らせた太り気味の男に向かって静かに言った。

「由美達に謝って下さい・・・それだけでいいです・・・」

それだけ言うと、相手はもう反論もなにも無くなったらしい。

「す、すみませんでした・・・」

男達はそれぞれに由美達に謝ると、圭太はいつもの優しげな雰囲気に戻った。

しかし、圭太はこれで終わったと思って目を瞑ると、真子と凛がなにやら納得していないようで、声を上げた。

「貴様・・・お前だ、そこのガリガリ」

真子が痩せている男に声をかける。男は一瞬ビビりながら振り向く。

「な、なんですか・・・!?」

明らかに動揺している男を真子が睨み付ける。

「貴様・・・私達のコトを珍走団とか言ってくれたな?」

「オマケにオレらの単車、KHじゃなくてマッハだしよぉ、中途半端な知識でモノ語ってんじゃねーよ!」

凛が詰め寄ると、ガリガリ男はひぃ、と悲鳴を上げて後ろに下がる。

「走り屋なら、腕で勝負だろう?私達と勝負しろ」

「ちょっと真子姉さん!?」

収まりかけていた話を穿り返そうとする真子を紗耶香が止めようとするが、この2人はもう止まらなかった。

「良いじゃねーか、乗ったぜ姉貴!」

「そんなワケで、貴様ら勝負だ」

凛も真子も臨戦体制に入ってしまった。紗耶香と圭太がおろおろしていると、次は後ろから甲高いショットガンチャンバーと地響きのような集合ショート管の爆音が響き渡る。

「その話、オレも乗ったぁ!!」

「フォアの底力見せてやるぜ!」

旭と洋介もノリノリで自分の愛車に火を入れていた。

「ぼ、僕達と勝負・・・?」

「どーすんだよ豚ぁ?鬼ハンのサンパチに勝負挑まれて逃げるってのぁねーよなぁ?」

「私達のマッハが遅いなどとほざいた貴様らの罪は重い・・・拒否権は無いわよ?」

旭と真子が相手を煽ると、男達は集まって小声で会議を始めた。

「どどど、どうしよう・・・!」

ガリガリ男がビビりながら言うと、デブと猫背はイジの悪い笑みを浮かべる。

「でゅひひひ・・・!向こうは勘違いしてその気になってるだけでゴザル・・・!あんな珍走団が我らのバイクに勝てる見込みなんてゼロでゴザル・・・でゅひひひひ!!」

「しかも勝ったらそのまま逃げれるし・・・」

ガリガリ男もさっきまでの暗い表情からまたイジの悪い笑みが復活していた。確かに、レーサーレプリカが鬼ハンに負けるなどということはあり得ない。そう考えて、ガリガリ男も自信がついたらしい。

会議を終えたらしく、デブがニヤニヤ笑いで旭達に歩み寄る。

「そのレース、やるでゴザルよ!」

デブの言葉に、真子が頷いてからひとこと付け足す。

「貴様ら、負けたらその場で全員私達のバイクに土下座してもらう」

その迫力ある言葉に、デブは少しひるむが、すぐに外道な案を考え付いた。

「いいでひゅよ、ぶひひ・・・ただ、そっちが負けたら男達は僕達に土下座+女の子は全員メイドコスプレしてご奉仕してもらうでゴザル!!」

デブがフザけたコトをほざくと、旭が単車から降りてデブに怒鳴りちらした。

「メイドだぁ!?先にテメェから冥土に送ってやンゾ?コラぁ!?」

「反省が足んねぇみてぇな、オメェら」

洋介も今にも殴りそうな勢いでキレている。

しかしデブはシレっと、こちらにひとつ条件を付けてきた。

「その代わり、そっちが勝ったら何をしても良いでゴザル。それなら対等でひ?」

その言葉を聞いて、旭も真子も一層闘志を燃やした。ニヤリと笑ってデブを睨み付ける。

「今の言葉ぁ・・・」

「忘れるな・・・!?」

旭と真子が揃って言うと、デブはそれだけで、今自分が凄く調子に乗ってしまったコトに気付いて少し後退りした。が、何度考えても負ける気はしない。ここは地元の峠で走り込んでいるし、向こうは鉄フレーム、こちらはアルミフレームのレーレプだし、さらに言えば相手は自分より年下・・・だと思う。負けるワケが無い・・・

そう自分に言い聞かせて、デブはなんとか自分の中の不安を押し潰した。

一方、旭や真子の周りでも圭太や由美達が集まって話合いをしていた。

「ちょっと旭さん・・・!あんな勝負受けて大丈夫なの!?」

由美が不安そうに旭を見る。もし負けたらあんな奴ら相手にメイドコスをしなければならないのでかなり不安になっている。

「大丈夫だよぉゆーちゃん♪あっくんが負けるワケ無いってぇ♪」

一方、美春はニコニコ笑いながら由美の肩を叩いて笑う。そんな美春を見て、今まで隅で事の流れに身を任せるしかなかった千尋が美春を不安そうに見つめる。

「も、もしおにーちゃん達が負けたらどうするの?」

千尋がたずねると、美春はニッコリ笑いながら

「んー、舌噛み切って死ぬかなぁ♪」

と答えたので、由美と千尋は一瞬ビビる。しかし、すぐに千尋の肩を叩いて笑った。

「ちーちゃん?あっくんは自慢のおにーちゃんでしょ?負けないよぉ♪」

諭すように言うと、千尋も

「そうだよね・・・!あんな人達なんかに負けないよね!」

と自信を持ったらしい。そんな光景を見ていた由美が先ほど、ここに来る途中の2人を思い出して笑った。

「こうやって見てると、さっきも思ったけど、美春ちゃんって本当に千尋ちゃんのお姉さんみたいね」

由美が笑いながら言うと、美春は「うにゅ?」とか言った後、由美と千尋を抱き寄せた。

「そーだよ?私はみんなの優しいお姉さんだもん♪」

ニコニコしながら2人を抱き締める美春は、頭の中で旭の勝利を願った。




愛車に異常が無いかを点検している洋介に、翔子が近づいた。

「洋介さん・・・」

「お、翔子ちゃん!どうしたの?」

洋介がいつもの笑顔で翔子に話掛けると、翔子は少し不安そうな顔で洋介にたずねる。

「勝てるんですか・・・!?」

翔子がたずねると、洋介は一瞬きょとんとしたが、すぐに鼻で笑った。

「心配してくれるの?」

「あ、当たり前です・・・!負けたらコスプレも嫌ですけど・・・洋介さん達が負けるのはもっと嫌です!!」

翔子は不安げに言う。目には少し涙さえ浮かべながら必死に言うと、洋介は翔子の肩にポンっと手を乗せた。

「確かに性能じゃあ、あいつらのバイクに負けてる・・・けど、ホントに無敵なんだぜ?このフォア・・・!」

「洋介さん・・・」

翔子がうるうるしながら洋介を見つめるが、すぐに普段の顔で

「それ、不運と踊っちゃう某ヤンキーマンガのフォア乗りのセリフじゃないですかぁ・・・」

「あ、バレた・・・?」

洋介がのんきにボケていると、翔子はまた泣きそうな顔で洋介を見た。

「頑張ってください・・・」

「あぁ・・・」

2人はそれだけ言うと、その場で出来る簡単な愛車のコンディションチェックに入った。




真子と凛もウキウキしながら自分の愛車のポジションやらなにやらを見なおしている。紗耶香も手伝っていた。

「オイルポンプ良し・・・真子姉さん!点検終わったよ!」

紗耶香が言うと、真子も頷いた。

「さすがね、紗耶香・・・私のマッハはあなた以外には触らせたく無いわ」

姉に誉められて、えへへと笑う紗耶香。隣では凛が指をバキボキ鳴らしながら相手を睨み付ける。

「負けたらなんでもアリっつってたもんな?アイツらボコボコにしてやる!!」

凛が勝つコトを前提にして呟くのを見て、2人は笑ってしまう。以前も凛はレーサーレプリカと走ってぶっちぎってしまったことがある。心配はないだろう。

「絶対、勝つぞ」

「頑張ってね、真子姉さん!」

真子と紗耶香は互いに笑って時を待った。




「旭さん・・・」

「あ?なんだよ圭太ぁ?」

圭太はサンパチの調子を見ている旭と話していた。

「僕達があの人達に近づかなければ、あんなモメ事にならなかったのに・・・ゴメンなさい・・・!」

圭太が謝ると、旭はタバコに火を点けながら呟いた。

「でも、奴らに愛車バカにされて悔しかっただろ?」

旭の質問に、圭太は首を縦に振った。それを見て旭はニヤリと笑う。

「愛車はマブダチだかんな・・・笑われっちまったら、怒るのが当然よ?ダチをバカにされてキレない奴はいねーべ?」

煙を吐き出して、サンパチのエンジンを見る。

「お前が責任感じるこたぁねーよ?これは笑われたマブダチのタメの勝負だからよ?」

旭が笑いながら言うと、圭太は何がひとつ、肩に乗っかっていた重みが無くなった。

「お願いします・・・負けないでください・・・!」

圭太が、珍しく真剣に勝負事の話で熱くなる。それを見て、旭はフッと笑った。

「任せろ」

それだけ言って、旭はまたサンパチに向かい直った。

「じゃあ地元の僕達がルールを説明するから、集まって欲しいでゴザルよ!」

デブがニヤニヤ笑いで集合を掛けた。旭達4人はそれぞれの面持ちで彼らの待つ場所に歩いていった・・・



真田美春の!オールナイトニッポン!!


この放送は『旧車物語』の読者の皆様のご協力で放送しております。

美春「おはようからおやすみまで!元気ですかー!!美春お姉さんだよ♪」

作者「相も変わらず反響無いなあ・・・ども、最近寒くなってまいりましたね!作者です」

美春「そう言えばもう年末!12月だよ?」

作者「4月にこの作品が始まって、途中早くも挫折しかけたりしてたけど、まだまだこうして続けていられるのは、本当に読んでくれている皆さんのおかげです。ありがとうございます!これからも宜しくお願いします」

美春「シェイシェイ!」

作者「黙れって・・・ところで、今日は?」

美春「今日はゆーちゃんだよぉ♪」



タイトル Just One More Kiss


唄 BACK-TICK



美春「キャー!今井さーん!」

作者「ちなみに私、イメージソング決めるときに歌詞で決める時と曲のリズムで決める時が多々あります。今回のは後者で決めました」

美春「作者君、結構この曲聴きながらこの物語書いてるよね」

作者「この曲に限らず大体BUCK-TICKだね。やっているジャンルは違うんだけどね」

美春「聞きやすいし、櫻井さんの声が魅力たっぷりでイイね♪」

作者「今のB-Tも好きだけど、個人的には初期B-Tが好き」

美春「聞いて無いよ?」

作者「たまには聞いておくれよぉ・・・」

美春「うん、それムリ♪・・・ってのは冗談にして、作者君、さっきも言ってたケドこの曲はイメージで決めたんでしょう?」

作者「はいな」

美春「じゃあ、この先もまた変わることがあるかもしれないってことかな?」

作者「そうだねぇ・・・もしかしたら、これから先何かあったら変わってくるかも・・・」

美春「とりあえず今後、変わってしまった場合はこのラジオでまたお知らせするから楽しみにしててね♪」

作者「ラジオが残ってたら・・・な」

グシャ!!(踏まれた

美春「うふふ♪次回はあっくんの曲を紹介するお!なにかラジオにお便りなどあったら作者さんにご連絡を!今なら即採用!ご感想もまってまーす!それではまた!ばいばーい♪」





というわけで、26章です。

ここまでこれたのも、本当に読んでくださっている皆様のおかげです。これからも『旧車物語』を宜しくおねがいします。


追記

今回登場した、レーサーレプリカ及び峠の走り屋はイメージであり、私はレーサーレプリカが嫌いなわけでは御座いません。レーサーレプリカに乗られている読者の方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。

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