◆依頼外報告書#002
=報告書=
【依頼外対応記録/畑荒らしの調査および魔物掃討・村落支援対応】
提出日:-
提出者: アルガス
登録番号: L-12064
クラス: 剣士
ランク: E
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■ 概要
王都ルヴァリアよりラグスノールへ向かう護衛任務の途上、商隊の安全確保を目的として立ち寄ったコルニス村において、連続的な畑の荒廃・村人への襲撃・集落への大型魔物侵攻が確認された。
初動調査ではリーフボアによる畑荒らしを中心とした被害が報告されていたが、調査の結果、本件の背後には中型魔物「サラマンダー」群による生態圏変動と襲撃が存在していた。
以下の3段階で事案を収束し、併せて村の今後の再建・予防策を提案した。
1.リーフボア群による畑被害の調査および掃討
2.サラマンダー5体による村襲撃への対処
3.村の構造的問題の指摘および王都への支援要請の助言
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■ 発生日
輝暦218年 誓環月 14日〜15日
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■ 発生地点
ルヴァリア西方街道北部支線/開拓村「コルニス」近郊
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■ 天候・地形
【14日】晴れのち雨(夜間)
【15日】曇り
地形:開拓途上の丘陵地帯および広葉樹林/畑地を含む村落周辺域
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■ 発生時系列(要点)
・14日 午後:村長より畑被害の依頼を受ける。襲撃被害者の治療および聴取を実施。
・15日 朝:調査開始。リーフボアの足跡と第三種獣痕を確認。
・同日 昼:リーフボア群(10体以上)を発見。エリスが掃討(魔法による殲滅)。熱源痕跡および火の気配を感知、直後にサラマンダー接近反応あり。村へ即時帰還開始。
・同日 午後:サラマンダー5体が村へ侵入・襲撃。魔術・連携により撃退完了(全個体討伐)。村民避難・被害最小限に抑制。
・同日 夜:集会所にて経緯説明・原因分析・再建支援策提示。
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■ 敵性情報
【種別①】リーフボア
•小型草食魔物。通常は臆病で、攻撃性は低い。
•村の畑を継続的に荒らしていたが、生態異常ではなく餌不足による移動行動と判断。
•約10体を討伐。今後も森林資源の復旧がなければ再発の可能性あり。
【種別②】サラマンダー
•中型火属性魔物。高い知能と強烈な火炎攻撃を有す。
•通常は岩地などに定住。餌 (ボア)の減少により餌場を拡張・村近辺に移動したと推定。
•本件での個体数:5体。全体討伐を確認。
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■ 対応内容詳細
1. 畑荒らし調査・掃討
•村周辺の畑にリーフボアの足跡多数を確認。
•ボアの行動圏、食痕、痕跡等より群生地を特定。
•森の窪地にて群れを発見。エリスの火系魔法により殲滅。
特記事項:
掃討現場は、サラマンダーが餌場として利用していた可能性が高い。熱痕・焦げ痕、重い爪痕、通常より広範囲に及ぶ熱変性の土壌を確認。
2. サラマンダー襲撃対応(個体数:5体)
•翌朝、餌場を失ったサラマンダーが村へ進行。
•エリスが氷属性魔法(<アイシクル・ウォール>)で進路封鎖。
•グレオが前衛、アルガスが補助・斬撃牽制、ミーアが補助魔法および治癒支援。
•全個体の撃退に成功。うち1体は逃走しかけたが、土属性魔法で拘束し、止めを刺す。
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■ 被害状況
•村民:軽傷者数名(治療済)/死亡者なし
•冒険者:
・アルガス:左前腕に火傷(完治済)
・グレオ:右脚に切創(深部出血あり/治療済)
・エリス/ミーア:魔力消耗中程度
•村の被害:
・畑の約60%が焼失(サラマンダーによる直接火災)
・柵・見張り小屋等の資材焼失/家屋への延焼なし
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■ 原因分析および見解
•村の急速な森林開拓により、リーフボアの生息地および餌場が喪失。
•ボアの出現頻度が上昇し、人里近くの畑へ流入。
•それに対応し、村が独自にボア駆除を行った結果、サラマンダーの餌場が崩壊。
•結果として、火属性中型魔物が行動圏を拡張。村へ侵攻。
よって、根本的要因は「自然生態系への過干渉および局所的な資源圧迫」と推定された。
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■ 今後の提案(村への助言)
1.開墾地の一部放棄
→ 森林回復を促し、ボアの定着地を再形成。長期的にはサラマンダーの行動圏を元に戻す。
2.防護柵・警戒体制の再構築
→ 焼失前の柵に代わる、新たな侵入防止措置の整備。
3.王都への支援要請
→ 資材・人材・調査団派遣を求める陳情書作成。書式・宛先は提出済み。
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■ 備考
・本件は依頼外活動に該当するが、特別勅書に基づく「旅路上の正当な治安行動」として記録済。
・村への被害が発生した点は遺憾であるが、人的被害の最小化・魔物の完全排除をもって結果的な危機回避を達成したと判断する。
・なお、今回の対応過程において、パーティ内での情報共有・意思決定の速度・村側との意思疎通には一定の課題も残った。以降の行動では、より慎重かつ柔軟な判断を心がける必要がある。
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署名: Argus L.




