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青い鳥ルーレット  作者: シトラチネ
青い鳥ジョーカー・ワイルド
44/68

1. あなたは使えません

 発見された場所や時代の科学水準から逸脱したモノをout of place artifacts――時代錯誤な工芸品――オーパーツと呼ぶならば。

 と、ラウー・スマラグダス、アダマス帝国空軍大佐は婚約者を見下ろして満足そうに続けた。

「おまえはout of place person、オーパーソンだ」

 現代日本の英語教育を受けた江藤桐花えとうとうかにとって、out of...で始まる熟語でまず思い浮かぶのはout of order――故障中――である。

 悪印象なout of判定を言い渡した婚約者を仰ぎ、桐花は自慢の営業スマイルをキメた。両親が営む書店を手伝って育った桐花の熟練の技だ。

「白魔なんて人外なあだ名の外道さんに、錯誤とか言われたくないです」

 ラウーには理解不能な日本語で言い返す。自分の腸で首を吊れと自虐的懲罰を食らわないための反則技だ。

 しかし熟練の技が必殺技とは限らない。対戦相手は、スルーという究極の必勝スキルをマスターしていた。聞き返すどころか、眉毛一本動かさない。

「レオナルド・ダ・ヴィンチ。ガリレオ・ガリレイ。アインシュタイン。おまえの世界に存在した傑出した頭脳は、科学の進歩した並行世界からの渡来者だったという可能性も面白い。おまえのように」

 偉人への冒涜だよと呟きながらも、桐花はなるほどと思う。

『書店の娘は清楚なガリ勉じゃないとダメなんだ!』と父が熱弁するから、桐花は学校名を言えば感心してもらえる程度には勉強してきた。清楚かどうかは別として。

 とはいえ、所詮ただの一学生。歴史に燦然と名を刻む偉人と同列にしようものなら、学問の神様にたたり殺されても清々しく絶命できそうなほど小さな頭脳だ。

 そのささやかな頭脳がオーパーソンなどと持ち上げられてしまう理由を、こう呼んでいる。

 トレード。

 桐花は、世界はひとつだと信じていた。人類みな兄弟的な大らかなものではない。千葉か東京か不明な場所にあるおとぎの国でしかそうした博愛精神に触れない桐花の世界は、真逆の意味で小さな世界だった。

 世界が他にあるとすれば見果てぬ宇宙の知的生命体のいる惑星か、あの世か、そうした実体のない曖昧なものだと思っていた。

 そんな認識は、変形した地球へと唐突にブン投げられて崩れ去る。

 世界を替えたいという切なる願望によって、桐花は『紡ぐ家のトカ』という並行世界の自分と世界を交換、すなわちトレードさせられた。トレード先の地球は数百年前、木星と月の移動によって大規模な地殻変動を起こしたという。

 人類滅亡の危機から這い上がってきたその地球において、ラウー・スマラグダスは強大な軍事力で領地を拡大するアダマス帝国の軍人だ。正確無比な矢で敵機である巨大鳥を撃墜し、戦場へ白い腹をさらして散らしていくさまは白魔――豪雪の被害をもたらす厳冬の化身――と評されている。

 桐花もその白魔の矢の片鱗を間近に見た。が、脳に施錠できるならば封印したい恐怖体験である。

 ラウーは一方で、かつて壊滅的損害を受けた文明の再興に情熱を燃やし、文明の番人を名乗っている。

 ちなみにこの番人は番にとどまらない。信念のためならば女子供や老人さえも、軍靴と裏取引と極寒目線で蹴り伏せる。人道より信念を優先する外道は、妻の椅子さえ知識の伝達者・桐花への厚遇として差し出した。

 あんな人、世界がいくつあったって、他にいるわけないよ。

 不覚にも好意的方面にまでそう確信してしまった桐花は、ラウーの妻という椅子への誘惑と反発に揺れた。結果、単身にてボル・ヤバルという広大な島で自分を磨く宣言をした。費用を婚約者に請求する矛盾は小さな頭脳から追い出した。

 宣言から五日後。五日ぶりに現れたラウーは、人材と工場用地と費用と滞在先を準備したと告げてきた。

 もともと険悪な目尻に険悪な疲労をにじませるラウーの背後で、カルロ・レオン副官が立ったまま白目で睡魔に丸呑みされている。どんな職権濫用の突貫作業が行われたのか、小さな頭脳は考えることをあえて放棄した。

「皮紙でない紙を成立させた者として、おまえはおまえの作った紙に姿を留めるだろう」

 製紙の歴史に名を残す。トレードの時についてきた百科事典の内容を再現するにすぎず、自力の発明じゃない。なのに、自分磨きになるの? そんな不安を抱く桐花に、淡々とした厳命が下った。

「二週間で完了しろ」

 この世界の一週間は何日間だったか、桐花は真剣に思い出そうとした。

「異議を唱える合理的な論拠があるならば、二十秒与えてやる」

 何しろ木星のマーブル模様が視認でき、月が落ちてきそうなほど接近している地球だ。桐花のいた世界と暦が違っていても不思議はない。

「あのう、一週間って七日で合ってたっけ?」

「そうだ。今の質問で八秒の浪費だ」

「ギャー! 一秒の長さも正確に記憶してるのっ?」

「そうだ。論拠がないならば残り時間は没収する、出発しろ」

 ラウーの頭脳は驚異的な記憶力を誇る。

「記憶容量に圧迫されて気遣いの回路が死んでるんだ! 絶対そうだーっ」

 日本語で悪態をつく桐花だったが、

「制限時間はあと十三日二十三時間五十九分十五秒」

 と氷河のように冷静さが堆積した声音でカウントされ、慌ててボル・ヤバル行き軍鷲によじ登ったのだった。



「あれから四日……」

 発声よりも嘆息成分がはるかに多く含まれた言葉の発信源を、カルロ・レオン副官は片眼鏡越しに眺めやった。

 トーカ女史。机に山積する紙の試作品を前に、ドンヨリと思い悩んでいるようだ。

 毛羽立ってきめの粗い紙たちの上へ皿が置かれている。鎮座する軍食堂のCランチ、白身魚のフリットはとっくに湯気を失い、油を吸ってドンヨリしている。

 ああまたっすか女史、また食事を忘れて没頭したんすか。あれを秘密裡に処理しなきゃ、厨房のアントニオとかいう若造にトングで小突かれる。あいつの方が年上? 知ったことかっ。昨日は不意打ちだったからやむを得ない、次は華麗によけてみせる!

 いや落ち着けカルロ。いやスマラグダス大佐付副官カルロ・レオン、たかが食堂の小物など構うな。問題はトーカ女史だ。大佐との婚姻届へのサイン受領は副官としての初仕事だってのに、紙が虫だとかいうクソ馬鹿らしい理由で拒否された。

 ウッ、あの時の大佐の責め苦オーラ、『入水して出直して来い』的無言の圧迫を思い出しただけで胃が焼き切れそうであります!

 かくしてカルロは、たった数分で完了するはずだった初任務を遂行するため、はるばるボル・ヤバルまで飛ばされたのだった。宮殿を中心とした基地の片隅の製紙工場で、技術顧問であるトーカ女史を補佐している。

 滑り出しは順調だった。トーカ女史の指示で事前に準備された原料は粉砕され、煮溶かされ、添加物を混合され、漉かれて見事に紙となった。

 アダマス帝国の首都が置かれた城塞都市はもともと、ネイティヴと呼ばれる民族の土地だった。ネイティヴの居住地である海上を侵さない約束で、空中都市が建設された。だが文化の違いが様々な軋轢を生み、帝国と先住者は長きにわたって不和な共存関係にあった。

 ネイティヴは情報を刺繍で保存するという。数百年前の木星と月の大移動による天変地異で人類の知識は拡散あるいは消失したが、ネイティヴの刺繍は耐えた。アダマス帝国が保有せず、かつ欲している、優れた科学技術情報を秘匿していると言われてきた。

 その不和と情報獲得をネイティヴ・トーカ女史との結婚という形で一挙解決してしまったのが、スマラグダス大佐だ。結婚後のスマラグダス大佐の躍進には、ネイティヴの情報開示が作用しているのは間違いない。

 噂通りにさすがネイティヴ四千年、紙は出来た。

 だが、とカルロは片眼鏡をきちりとはめ直した。視界は整ったが、視界の中心たるトーカ女史はドンヨリ顔のままである。

 出来た紙はきめが粗く、インクがにじんで皮紙より使い物にならない。婚姻届になり得る紙質とは言いがたかった。

「あっちの世界と植物が違うのかなー気候の違いかなー」

 と白身魚のフリット放置で、女史は意味不明なことを呟いている。

 ネイティヴは血の赤い動物を食べないと聞いている。今日は放置しているが、女史は白身魚も鯨も食べる。一方、ネイティヴの主食である食用虫の皮紙を嫌う。つまり女史はネイティヴらしくない。

 だが、女史は奇行で有名だ。小船で沖へ出奔して遭難したり、体中に針を刺して軍鷲の厩舎に飛び込んできたり、毒蛇に咬まれても死なない祈祷師だとも聞く。おかしな言動を追及しても無意味なのだろう、とカルロは考えた。

 アダマス帝国発展のため、そんな故障した奇人を妻に迎えようというスマラグダス大佐の愛国心、自己犠牲精神は尊敬に値するッ!

「カルロ・レオン副官、入室致します」

 感動で潤みかけた眼が乾くのを待って、カルロはようやくトーカ女史の部屋へと踏み入れた。

 宮殿の離れはボル・ヤバル占領直後に伝染病の隔離病棟として使われたため、今でも近付くのを恐れる者が多い。だからひどく人気がないが、立地的には特等である。女史はこの離れの最上階に滞在するのを許されている。

 女史は慌ててドンヨリと寄りかかっていた頬杖を外し、背筋をシャキッと伸ばした。緊張して瞬きを繰り返す黒い瞳は、カルロに継父を思い出させて落ち着かない気分にさせるのだが。

「3.14159265358979!」

 と一気に数字を吐き出し、どうだと挑戦的に反応を待たれると、怯えた継父の面影など霧散してしまう。

 カルロはイラッとして答えた。

「円周率の暗記は女史の業務にないと思いますが」



「わぁぁむかつくー! 褒めてもらえると思ったのにー!」

 アダマス人には馴染みのない日本語だったが、桐花の悪態は思いっきり顔に出てバレたらしい。レオン副官は不快そうに細い眉をひそめている。

 円周率の桁数で初対面の学力を判断してきたレオン副官に一矢報いようとしたのだが、桐花の企ては『業務外』の一言でもろくも崩れ去った。

「そりゃあ現実逃避だって分かってるけど」

 と、クズ紙という現実を睨みつける。

 百科事典の記載を復元した製紙法は壁にぶち当たっていた。どうやら、インクにじみを軽減するために混ぜる樹脂に問題があるらしい。松ヤニが代表的な素材なのだが、ボル・ヤバルには適当な松がなく、代替品として使ったヤニがうまく働いていないらしいのだ。

 書けない紙はトイレットペーパーとして好評を博した。だが桐花は自分磨きとして製紙に取り組んでいる。自分でなく人の尻を磨いてどうするんだ、とトイレットペーパー、いやクズ紙の山を前に嘆いていたのだ。

「……それを処分してもらえるなら、」

 不愉快そうな目でレオン副官がそれと呼んだのは、昼食になり損ねた白身魚のフリットのようだ。

「助言を差し上げたいと考えます」

 冷えて油を吸い、ドンヨリとベタついたフリットは瞬時に桐花の胃袋へ格納された。

「む。食べて欲しかったのではなく、捨てたのは女史と分かる方法で捨てて欲しかったのです」

 補佐する相手の栄養状態は、どうでも良かったらしい。

 レオン副官は出会った当初から女嫌いの雰囲気を漂わせている。嫌いなのが女性全般なのか桐花個人なのかは、桐花の精神衛生上あえて問い詰めたくなかった。

「吐こうとしなくていいです、汚いのでやめてください。仕方ないですね、言いますよ。東部にアマゾナスという大河があります。河口には日系コミュニティがあります。彼らは手先の器用さから」

「行く!」

「……器用さから加工技術が高く、コミュニティは職人村と呼ばれています。ボル・ヤバル産の樹脂の特性について詳しい者を探して呼びつけ」

「行くー!」

 レオン副官の薄青の瞳は、ドンヨリしたフリットを眺めるより数倍、不愉快そうな色を濃くした。

「……呼びつければヒントが得られる可能性があります」

「行くってばっ! ついてきて!」

「それは……」

 不機嫌そうな沈黙が降りた。神経質な気性から、遠くない将来M字を描いて後退していくに違いない副官の額の生え際がヒクついている。

「失言でありました。同行はお断り致します。職人村については聞かなかったことに」

 どれだけ女嫌いなんだー!

 青年になりかけの少年。髪をオールバックに整えて片眼鏡をかけ、委員長的な大人感を備えた副官は、ものすごく子供じみた理由で助言を撤回した。

「えっと。ラウーとの婚姻届にサインしなかったのを怒ってるのは、分かってます。レオン副官はわたしのせいで本来の仕事を離れて、製紙の手伝いすることになっちゃったんだもんね。迷惑かけちゃってすみません」

 ここは自分が大人にならねば、と桐花は思った。

「だからこそ成功に向けて出来るだけ努力します! 二週間以内に完了させます!」

「どうせ基地からの外出は許可されないでしょう。女史は民間人ですし」

「治安が悪いの? だから同行したくないの?」

「む。そう、そうであります。ゲリラも活動しているとか。女史の身に何かあれば本官が責任を問われます」

 嘘くさー。

 桐花がじーっと見つめると、紫外線に慣れてなさそうな白い顔はフーッとあらぬ方向へ逃げて行った。が、言葉で追いかける。

「行くからっ!」

 トレードが発生して初めて、桐花が知ったことがある。ホームシックは一に人、二に食べ物、以下三も四も五も食べ物なのだ。

 鯨ステーキは美味しい。白身魚のフリットも好物だ。けれど日系コミュニティと聞いた瞬間に脳裏を舞い出したおにぎり、漬物、みそ汁はハリケーンの威力で大和魂を直撃した。

「ダルジ少将に直談判するから!」

 ビスコア・ダルジ少将はアダマス帝国総統の自称輝かしき一人息子で、ボル・ヤバルを統治している。大佐であるラウーより存在も地位も上だ。

 だが空軍を主戦力とするアダマス軍人たちにとって、弓の師弟関係は大きいらしい。彼らは同一の師匠に師事している。だから兄弟子のラウーはダルジ少将と親しいし、地位の差に関わらず態度がデカい。

 製紙事業はラウー主導の国家事業として立ち上がった。だから桐花は製紙会社の社長ではなく、製紙プロジェクトの民間からの技術顧問という立場になっている。

 単に製紙事業の費用を私財でまかなえなかっただけだろうけど、と桐花は推測した。白紙の小切手を切らせて大佐の私財を食い潰した張本人については、小さな頭脳から丁重に退出願った。

 要するに桐花は軍に属さない民間人だ。副官は民間人の便宜は図られないと言っている。

 その時ちょうど窓の下を、ざくざくと重量のある軍靴たちがランニングする足音、朗らかな軍艦マーチが通りかかった。

「鷲にまたがり雲より高く、おおー木星をも退けて、進めアダマス帝国軍チャッチャラー!」

「イエッサー!」

 バカでかく底抜けに陽気な声の主が誰か、アダマス軍関係者ならば知らない者はいないだろう。桐花は窓に駆け寄って身を乗り出した。

「ダルジ少将!」

 塔の下を通過しかけていた一団は、『i』の字をしていた。先頭の点であるやたらデカい軍人が、ん? と首をめぐらせる。

 駆け足にマッチョな体が揺れるたび、まとった石鎧の赤い石板がゆらゆらと燃え立つ炎のように輝く。磨かれた銅色をした肌に、くせのある黒髪。濃い眉の下の黒い瞳はきょろきょろした後、がっちり桐花を捕捉した。ニカッと笑われると白い歯がまぶしい。

 ダルジ少将は太い腕を、どっかのひよわな副官なぞ片手でくびり殺せそうな太い腕をブーンと振ってきた。

「よーう、ラウーの恋女房!」

 こいにょ……?

 振り返そうとした桐花の手は固まる。ぱちくりしながら周囲を見渡してみる。背後に、敬礼で硬直しているカルロ・レオン副官がいた。

 うん、キャッチャーはピッチャーの女房役と言うし、と桐花は考えた。ラウーの副官はラウーの女房かもしれない。でも男性の副官に恋という字が付くのは明らかにマズい。

「どーした! 単身赴任で寂しいなら俺が相手してやるぞー! 何でも言うこと聞いてやるぞー!」

「ほんとですかっ?」



 不貞! 不貞でありますっ!

 iの字の棒部分を成していた兵士たちが不穏にどよっと騒いだのを、トーカ女史は不思議そうに首をひねっている。ああこれが知れたら、ダルジ少将に夜のお相手を許したなどとスマラグダス大佐に知れたら。

『首が落ちても会話が可能か、知りたくないか?』

 などと言われて、ねじ切れるまで首をひねらされることにっ!

 奇人変人であろうと女史は和平の花嫁。もげた首の会話可否報告者はまさか、不貞を防げなかった自分ではなかろうか。

 副官生命を上司の妻の不貞問題で断たれるとはイタタタ胃液が沸騰しそうだ。

「じゃあお願いがあるんですけど、」

 軍服の腹部をつかんでヨロめくカルロをよそに、胃痛の元凶は元気に声を張り上げた。

「アマゾナス河口の職人村の調査に行かせてください!」

「はっはっは、なんだそんな事か!」

 と少将が太陽神の鷹揚さで笑顔を咲かせる。

「ダメー」

 が、太陽神は瞬時に眉間を曇らせた。

「ダメだダメだダメだ! おい笑うな野郎共、十周追加だ、行くぞついて来い! おお我らの矢羽は勝利の翼、進めアダマス帝国軍チャッチャラー!」

「イエッサー……」

 ランニングを再開した一団をぽかんと見送りながら、女史はしばらく硬直していた。やがてそろりと振り返る。

「えっと……皮紙じゃない紙を作ればいいんだったよね。完成したのがトイレットペーパーでも、紙は紙だよね? 少将がダメって言ったらダメだよね!」

 そうですねという答を期待する目で詰め寄られる。が、婚姻届に足る品質の紙が完成しなければ、初任務さえ遂行できない三流副官の烙印がウウウ首より前に胃がねじ切れる!

「You're out of order」

 異議を却下します、という表現をネイティヴは知らないのだろうか。トーカ女史は、故障してると言われたようなショック顔をしていた。

 ふ、あながち外れてもいないっすね。

 無益に増えた胃酸を薄めるべく水を求めて、カルロは部屋を後にした。


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