悶々とする由香とほのか
4月11日。由香とほのかは悶々としていた。聖華女学院は名古屋では厳格なカトリックとして知られていた。ウインクスが異世界に参戦したのはもちろん自身の性欲を抑えざるを得ない環境を変えたかったから。確かに由香たちはうまくいった。男の子に免疫がないにも関わらずシードマンとの戦いを5分で終えた。ウインクスはいち早くオーバーホールを活用し、彼らの性的な訓練を上手にかわし、時には喜んで受け入れた。由香たちは1ヶ月に3回しかシードマンと対戦しないし、定期的にオーバーホールをすれば何とかなる。幸いにも彼らはミルカではないから色仕掛けがない。あくまでも性的な訓練のみだから何とかなった。ウインクスはシードマンのテクニックのなさにも助けられた。彼らはミルカとは違い、前戯に力を入れなかった。そのためシードマンの性的な訓練には重心がなく、攻撃範囲が広がったり狭まったりと一貫性がない。彼らには前戯や後戯という概念がない。だからこそ負けた時のお仕置きも軽めのエッチにとどめてもらえた。あの頃は精神体への理解が浅かった。シードマンは魔法戦士がハードなプレイには耐えられないと認識していた。それはあながち間違いではないし、確かに精神体はキツいお仕置きへの耐性に疑問が残る。でも実際にはいくら中出しされても妊娠しないという研究結果が出ているし、精神体だからといって必ずしもハードなプレイに耐えられないとは限らない。でも今はあの頃と違う。ヒナドリ公国担当の魔法戦士はみんなマーキュリーとの対戦準備期間に入った。当然ながらウインクスには対戦機会がなく、かと言ってリアルに自分たちのからだを慰めてくれる人はいなかった。そもそもそんな人がいれば誰も異世界に参戦しない。更には一時的にせよからだの感度を鈍くされたため、そう簡単にはいかせてもらえなかった。マーキュリーに性的な刺激を受ける機会が与えられるのは、やはり絶頂を迎える以外に女を磨く方法はないからだ。でも魔法戦士は交戦国に仮投降するかマーキュリーと対戦しない限り性的な刺激を受ける機会を与えられない。だからといって由香たちは自らの意志で対戦日を決められない。それは魔法戦士の勇み足を防ぐためだ。勇み足には言うまでもなく準備不足も含まれる。実は交戦国がミルカ制度に移行した頃、魔法戦士は環境の変化に順応しきれずに負けまくった苦い歴史がある。だからこそヒナドリ公国は準備期間を設けたのだ。魔法戦士がリタイヤしても誰も喜ばない。対戦相手のマーキュリーは予備役に回され、リタイヤした魔法戦士がリアルに戻ったところで超ブラックな就職先しかないのが現状だ。ウインクスは異世界に参戦以来初めてからだの乾きを感じた。シードマン時代はよかった。確かに彼らには私たちを満足させうるテクニックはなかったが、むしろ助けられた感が強い。もしシードマンにミルカ並みのテクニックがあれば、私たちは丸2年も戦い抜けなかったに違いない。終盤の由香たちには彼らの性的な訓練を喜んで受け入れるだけの余裕が生まれた。でも今は何もない。対戦がないのがこんなにもつらいなんて。ウインクスは日々の生活の中でマーキュリーを強く意識するようになっていった。由香たちは今の日本のために対戦を重ねているのではない。魔法戦士は性的な刺激なしではいられなくされていった。ましてや丸2年も対戦を重ねれば自力では抜け出せない。クラス内での友だち作りや勉強も手を抜けない。更にはマーキュリー対策。からだの乾きがすごい。でも由香たちはなかなかいかせてはもらえなかった。というのもウインクスはシードマンに任せきったからだ。由香たちは彼らにからだの開発を任せ、自らの手でからだを開発しようとはゆめゆめ考えなかった。皮肉にも今になってそのツケが回ってきた。でもそれは間違いではない。過度なオナニーはよくない。それが魔法戦士に植え付けられた常識だからだ。しかし不測の事態はある。常識とはあくまでも平時のセオリー。ウインクスはマーキュリーならばきっと私たちを満足させてくれるに違いないと期待に胸を膨らませた。もちろん敵国の私たちには対戦相手を知るすべはない。だからこそ期待してしまうのはやはり三十路の女性だからだ。母親くらい歳が離れた女性がシードマン以下のはずがない。もちろん三十路の女性が必ずしもテクニシャンとは限らないが、仮にもマーキュリーに選ばれたほどの女性が私たちを満足させられないはずがない。やはりマーキュリーは何かしら持っているはず。それが由香たちの偽らざる認識。確かに間違いではなかった。イレーヌたちは日々着実にマーキュリー化を遂げていた。内面はより輝きを増し、乗馬体験では久々に絶頂を迎えたことで更に輝きを増した。ウインクスの期待以上にマーキュリーは成長していた。[気持ちの若さ]がイレーヌたちの魅力であり、内なる輝きで由香たちを凌駕した。