イエダの街
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街に向って歩いていると、少し離れた所に馬車が止まっているのが確認できる。馬車の周りにも何かが集まっているようにも見えた。
「ハク、この先にある馬車の周りに何かいるけどわかるか?」
「はいでち!あれはゴブリンに馬車が襲われているでち!索敵だと、5体のゴブリンと、1体それよりも強いゴブリンが居るみたいでち!」
馬車が襲われているのか、急いで助けたほうが良さそうだな。
「悠里、ハク、襲われている馬車を助けに行こう!準備は良いか?」
「は~い、大丈夫よ。私は遠距離から魔法で援護するわね。」
「大丈夫でち!あちしも魔法でピカっとやっつけるでち!」
二人は遠距離での攻撃だから、俺たちは急ぎ馬車に向う。馬車に向って声をかける。
「大丈夫か~?助太刀するぞ!」
「助かります、お願いします。」
商人は護衛2人と一緒に戦っているが劣勢のようだ。5匹のゴブリンの後ろで少し大きいゴブリンが腕を組んで警戒しているのがわかる。
まずは悠里とハクの魔法で商人の周りのゴブリンを倒すか。
「悠里、ハク、商人の近くのゴブリンを攻撃してくれ。俺はあおの大きいやつに向う。」
「りょ~かい!ファイヤーボーール!」
「あちしの雷、受けるでち!え~い、サンダーニードル!」
ゴブリン5匹の内ファイヤボールで2匹、サンダーニードルで2匹倒した。魔物が驚いている隙に俺は身体強化をして大きいゴブリンに向う。
シャキン!
走りこんでからの水平斬りで、大きいゴブリンは上下に分かれる。そのまま戻り残った1匹を袈裟斬りでばっさりと倒した。
「大丈夫か?」
「ありがとう、助かったよ。襲われたけど防戦していたからケガはそんなにひどくないよ。俺はクリフ。行商だ。この先のイエダの街に戻るところだったんだけど、街に着く前に襲われてもうだめかと思ったよ。」
「この先の街に向うのか、俺たちも街に向っているんだ。」
「そうなのか!?じゃあ俺の馬車に乗っていくか?」
「ありがとう、頼むよ。ついでにこの辺りの情報に疎くて、良かったらいろいろ教えてもらえないかな?」
「任せとけ!命の恩人なんだから、なんでも聞いてくれよな!」
クリフにこの辺りの情報を聞いた。この先にある街はイエダの街で、アルスディア王国の中心辺りにある中規模の街のようだ。この国は王政で貴族によって各領地を治めているようだ。各街に入る場合には身分証が必要で、ない場合は銀貨1枚を支払い仮入門証が与えられるらしい。仮入門証があれば、街の中の冒険者ギルドか、商人ギルドに登録することが出来るようだ。街の中には市民街と貴族街、領主の城があり、市民街にほとんどの店や宿が揃っているようだ。宿は銀貨2枚~らしく、食堂も併設されているみたいだ。
クリフは雑貨や穀物を主にしていろいろなものを仕入れて行商しているようだ。ここと港町、王都を回り、途中で仕入れたものを売り歩いているらしい。
クリフに色々聞いている間に俺たちの入門の順番が来たため、仮入門証を貰い街に入った。