私の好みは年上好き (1)
悠里からみたきょうしろう
Side:山下悠里
「あ~、今日も運転してばかりでつかれたわぁ~。」
私の名前は山下悠里。29歳でそろそろ一つ階段を登ってしまうと足掻いているアラサーよ。私の理想は、30歳までには相手を見つけて結婚するという、今から実現するには時間的に厳しい理想を持っていたわ。今日も配送、明日も配送、明後日も・・・と、25過ぎてから男っ気のなくなったからだを酷使して毎日配送の日々。
いつもの配送を終え、会社に戻っているが、今日はいつもと違う事が有った。
キキ―ッ!ドッカン
え~、いつもの道でなんで今日に限ってぶつけられる訳!?今日は厄日だったのかしら?かえってのんびりビールを飲むつもりなのに、なんでこんな真っ直ぐな道でぶつかってくる訳!?あったまきた~!文句言ってやる!!!
「すみません、大丈夫でしたか?ケガは無かったですか?」
「急に飛び出してきて危ないじゃないの!なんで真っ直ぐな道ではみ出ししてきたのよ!?居眠りでもしてたの?」
ほんとこんな真っ直ぐな所でぶつかってく来るなんて、居眠りでハンドル操作誤ったのかしら?ほんとっ、付いてないわね、今日の私。
「ほんとすいません、この辺りで急に何かが飛び出してきたもんで、咄嗟にハンドルを切っちゃったんだよね」
向こう側の道路の端っこに何かがいるわね?ちっさくて白い動物だわ。わんちゃんかしら?私犬好きだからケガしていないと良いんだけど。
「たぶんあれが急に飛び出してきたんですね。一瞬だったからなんだかわからなかったけど、轢かなくて良かったよ」
「なんか遠目に見てもぷるぷる震えている感じがするんだけど、大丈夫かしら?」
轢かれそうになって怖かったのね。早く安心させてあげなくちゃ。
「よしよし~、怖かったね~。轢かれなくて良かったね~」
「急に飛び出しちゃダメだろー!トラックに当たらなくて良かったな~」
よしよし、けがはないみたいね。良かったわぁ~。それにしてもこの子可愛いわね。真っ白いふわふわした毛皮でモフモフだわぁ♪
「この動物って、なんて種類なんだろう?」
「そうよね~、キツネにしてはツノとか生えているし・・・まあ私は動物に詳しくないけど、かわいいからいいんじゃないかしら。ね~、もふもふちゃん♪」
「俺は動物とか割と好きだからわかるけど、ツノが一本の動物ってあまりいないと思うんだ。特に日本にいる哺乳類とかで一本の生き物は居ないような気がするな・・・外国とかはわからないけど」
抱っこしてモフモフしてるとい日にの疲れなんかふっとんでいくわね。あぁ~、きゃわいぃ♪
触り心地に心をとらわれていたら、私の後ろのほうから爆音で何かが、近寄ってきているのが聞こえてきた。
「危ない!」
しゃべっていた男の人が叫んだ時には私の意識はうっすらと途切れてきた・・・・
・・・あぁ、ぶつかって轢かれたのかしらね・・・