初級クエスト
冒険者ギルドに来ている。昨日は昼過ぎだったから空いていたのか、朝は冒険者ラッシュのようだ。皆はクエストボードに群がっている。俺もラッシュに混ざりクエストの確認をしてみる。
一通り見てみたが、今回は東の森に出る魔物の駆除をしよう。今日の成果を後から申請しても良いらしいので。
「悠里、ハク、今日は森のほうに向かうぞ。何が出るかわからないから準備はしっかりとな。」
「おっけ~よ♪森だったらあまり火の魔法は使わないようにするわね。」
「はいでち!あたちはいつでも準備万端でち!」
森は東門を出て1時間くらいの場所にある。浅い部分には弱い魔物が居るらしいが、奥に入るに従い魔物も強くなるらしい。俺たちの実力がどのくらいなのかがよくわからないので、注意しながら進むようにしよう。
森の入り口に着いた。
「ハク、これから森に入るけど、索敵をお願いできないか。」
「はいでち!この辺りにはいないけど、この先に魔物の気配がするでち!」
魔物に向って進んでみる。森は下草もあまり生えていないので歩きにくくはないし木々の間隔もあいているので、剣もふれる。進んでいくとゴブリンが3匹いた。今回は悠里に頼むとするか。
「悠里、この先にゴブリンが3匹いるみたいだ。魔法で片付けられないか。」
「りょうか~い♪森の中だからこれね! ストーンバレット!」
悠里はストーンバレットでゴブリン3匹を倒していく。俺は死んだゴブリンの右耳を切り取っていく。索敵をしながら進んでいき、低木の隙間などを鑑定で確認してくと、薬草が生えている事がわかった。薬草は土の上からナイフでカットして収穫するとギルドに納める事が出来ると資料には書いてあったな。俺はハクに索敵をしてもらいながら悠里にも鑑定の使い方を教えてながら森の中で採取に勤しんだ。
森の中で2時間ほど採取しながら索敵に引っかかった魔物を倒していった。森は魔素(魔力の素)が豊かで自然にあふれた場所の為、採取品も多種多様でアイテムボックスの中がいっぱいになった。鑑定を行いながらの採取だったため、用途がポーション以外になる物もたくさん採れた。料理の味を良くする草や木の実などもたくさん採れたので、帰って色々試してみたいと思う。
魔物もゴブリン、ホーンラビット、ワイルドボア(猪の魔物)、オースリッチ(駝鳥の様な大型鳥)なども収穫できた。魔物はゴブリン以外はそのままアイテムボックスに収納した。ゴブリンは耳を切り落とし別で買っておいた袋に入れておく。
何度か戦った為、レベルが2つ上がり、俺と悠里は今はレベル4になった。
あまり遅くなると門が閉まる為、早めに街に戻るとするか。
東門を入り、冒険者ギルドに向う。今回はギルドには薬草とゴブリンの討伐証明、ホーンラビット、ワイルドボア、オースリッチの買い取りを依頼する。魔物は解体を依頼して、買い取りと引き取りを選択できるので、魔物の肉をそれぞれ半分引き取りたいと希望する。
冒険者ギルドはゴブリンの討伐証明以外は査定が必要なため、支払いは翌日朝となった。俺たちは宿に戻ってこれからの事を話し合った。