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あたたかな公園  作者: 如何敬称略
少女は見えていない
5/14

忘れていたこと

再び憂鬱な平日が始まる…と思っていたが、水曜日は昭和の日で学生である僕も漏れなく心を踊らせた。特にすることもないが。


待つまでもなく、すぐに休日は来た。それと同時に今までのゆるい宿題を疑うほど、理不尽な量のGW課題が配られた。


水曜日でも休日である限り、例外でなく、僕は7:00には起きた。いつもの日曜日なら、授業中に雀の涙ほどしか課されない宿題を終わらしているので、暇だと漫画をだらだら読むが、今日は違う。いくら期限が来週の木曜日のGW明けとは言え、課題が残っているとどうしても気がかりで漫画が読めない。


そんなこんなで課題に取り掛かりはや四時間、時刻はいつもなら漫画一冊を読み終える頃。課題は四分の一ほどしか進まなかった。なかなか終わりが見えない徒労にお腹も空いてきた。


これまで通り父を確認しても良かったが、あまりに結果が見えていたので、そのまま外に出た。今日はうっすら曇っている。この前の日曜日よりも過ごしやすい。コンビニに行こうと足を踏み出したとき、頭に公園で課題をやるという案が浮かんだ。朝からやっていたので場所を変えたかったのかも知れない。


閉じかかったドアを再び開け、部屋に行き、課題の一部をかばんに入れ、コンビニに行った。今日はアップルパイとドーナツ、そしてアイスコーヒーを買った。ついでに、これからもよく使うと思い、ポイントカードも作った。


勉強道具と昼ごはんを携え、公園へ。いつもどおり、静かになっている公園に、これまたいつもどおり、かの少女、芦高五月がテーブルのところに居た。この前の日曜日は約束云々がどうなったか心配で失念していたが、この少女は一体なぜ公園にいるのだろう。誰かと約束している訳ではなさそうだったが。まあ、僕もなぜ公園に来るのかと問われても大した理由があるわけではない。少女もそんなところだろう。


「どうも」

「あ、こんにちは」


そう顔を上げ、イヤホンを外しながら言った。今日も落ち着いた印象を受ける服を着ていた。テーブルにはノートと中学理科の参考書が開いてあった。


「考えることは一緒なんだな」


そう言って僕は勉強道具を見せた。一瞬、少女がえっ、と言ったことは聞こえなかったことにした。


「その前に昼ごはん。芦高さんはもう食べたの?」

「いえ、これからです」


そう言って、開いてあったノートを閉じ、かばんの隣のレジ袋から鮭と昆布のおにぎりが一つずつ出てきた。…おにぎりか。


「昼ごはんというより完全におやつですね。それと、…え、ブラックコーヒーですか?」

「朝から課題をしていたから糖分とカフェインが欲しくなったんでね」

「でもブラックって…。いきりですか」


軽く否定して、一緒に食べ始める。


公園が賑わい始める頃に食べ終わり、片付け、勉強道具を広げた。僕のノートを芦高さんは凝視して言った。


「…名前、和山礼って言うんですね」


コミュ障な僕は名乗り忘れていたようだ。

私も忘れていました…汗

私は加えて、課題も忘れるんですがね()

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