表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

第七話 独りの決意

 次の日――

カイリ達はライナのいる病室に足を運んでいた。

扉を開けると意識を取り戻したライナが、

「おぉ。 来たか。 今回は悪かったな……」

と謝罪をした。

「目ぇ覚めてたのか。 気にすんな。 俺達には中等レベルはまだ少し早かったんだ」

「あんなに強かったのに全員生きて帰れたじゃない。 それだけで充分だわ」

そうタージとカエデがフォローする。

そしてライナはカイリの方に体を向ける。

「君が俺達を救ってくれたんだろ? あの状況から全員無事に帰ってこれる訳がない。 違うか?」

「そうですお兄さん。 カイリさんが見ず知らずの私達を助けてくれました。」

ミーシャからそう聞きライナは「そうか」と呟き、頭を下げた。

「感謝しても仕切れない……みんなは俺の家族なんだ……本当にありがとう」

「僕も皆さんに助けてもらったから今ここにいます。 僕1人で倒したわけではありません」

「……優しいな君は」

とライナが微笑む。

「ライナ。 俺達はカイリについていく事に決めた。 カイリ、その理由をライナに教えてもいいか?」

カイリは頷く。

そしてタージはライナに理由を説明した。

「そんな事が……」

「だからな。 お前も一緒に来るだろ?」

タージの問いにライナは少し考えて答える。

「……いや、俺は行けないよ」

「!?……そうか。 そうだよな」

タージは何か言いたそうだが、ぐっと堪える。

「怖いからじゃないんだ。 ……今の俺は弱い。 弱すぎる。 だから先に行ってて欲しい。 すぐに追いつくから」

ライナの眼は静かに燃えていた。

何か覚悟を決めたのだろう。

「わかった! 待ってるからな。 絶対に追いついて来い」

「あぁ。 必ず行く。 ミーシャ、カイリ君を頼んだよ?」

「はいっ!」

そしてタージ、カエデ、ミーシャは病室を出て行く。

カイリも病室を出ようと振り向くとライナに呼び止められた。

「カイリ君。 君はミーシャをどう思う?」

突然の質問にカイリはテンパってしまう。

「あ、あのっ……」

「あはは 君は分かりやすいね。 妹も凄く分かりやすいんだ。 君を見る表情で分かった。 俺達は小さい頃からずっと2人で暮らしてきた。 今の俺では妹は到底守れない……それがあの戦いで痛感した。 俺は必ず強くなって君達と合流する。 それまでミーシャを守ってくれるかい?」

ライナは真っ直ぐカイリを見る。

「はい。 僕の命に換えてもミーシャさんを、3人を守り抜きます」

カイリも真っ直ぐライナを見る。

「それでは。 お待ちしてます」

カイリはライナにそう言い残すと、先に出た3人を追いかけていった。


各々出発の準備を済ませ、揃った一行は神殿へと向かう。

国王から貰った地図によれば、少し先の森を抜ける事が1番の近道である。

「その森は洞窟より高い魔力を持つ魔物が出る噂よ? 迂回した方が良いんじゃない?」

カエデがそう提案するが、

「バカ言え! 俺達が弱いままでどうする!? 森で実践を積みつつ向かう方が一石二鳥だろうが!」

とタージが否定する。

そこでカイリが提案する。

「なら、森の勝てそうな魔物から一体ずつ誘き出して全員で確実に倒して行きましょう。 僕が引きつけます」

その提案に一同は了承した。

作戦はこうだ。

まず、魔物を見つけたら3人はその場で待機。

カイリは少し離れ、録音の魔法を髪の毛に込めて置いておく。

そしてカイリもその場から離れ、適度な距離をとったら音量を魔物に聞こえる程度に調節して再生する。

その音に釣られてやってきた魔物を、側面・後方から一気に畳み掛ける。

「その作戦は如何に魔物より早く敵を見つけるかがポイントですので、4人とも前後左右別の方向を警戒しつつ森を抜けましょう」

「わかった!」

「了解」

「分かりました」

作戦が決まり、数十分後森に到着した。


皆決めた作戦通り、前後左右見張りながら森の中を歩いていると、右を警戒しているカエデが、

「ストップ! ……あそこにいる」

と皆を停めた。

見てみると鹿の様な形をしているが、形状がおかしい。

身体は黒紫色で、ツノが木の枝の様に無数に広がっており、前足の肩が筋肉で異様に盛り上がっている。

それにこの魔物も例に漏れず、1つしか目が無い。

「作戦通りに……」とカイリが呟くと、他3人は身を屈めた。

カイリが魔物にバレないように3人から距離を取り、髪の毛に口笛を録音する。

録音済の髪の毛をその場に置き、その場から距離を取って、音量を調節し「……再生」と小さく呟く。

ピィーーという音が鳴り、魔物がその音に気付いて近づいてくる。

タージ、カイリは剣を構え、カエデは弓を引き狙いを定める。

ミーシャもいつでも魔法が打てるように構えた。

「……今だ!!」

カイリの掛け声にタージ、カイリ共に魔物へと駆ける。

カエデは自身の魔法"命中"を使い、魔物の顔面へと矢を放つ。

ミーシャは魔物の動きを止める為、根で魔物を縛り上げた。

魔物も4人に気付き抵抗しようとするが、カエデの矢が一つ目のど真ん中に命中した為怯む。

そしてタージ、カイリが魔物の首目掛け一気に剣を振り切る。

魔物の首が飛び、体がボロボロと崩れ落ちて消えた。

「やったな!! すげぇ上手くいったぞ!!」

「コイツ中等下級よね。 こんなにあっさり倒せちゃうなんて凄いわ」

「カイリさんの作戦がハマりましたね!」

3人は大物を倒し、テンションが上がる。

「このままの調子で森を進みましょう」

そうカイリが言い、更に先へと向かう。

道中2体の魔物と遭遇するが作戦通り奇襲をかけ、危なげなく森の出口付近までやってきた。

「もう直ぐで抜けられるな。 なんか拍子抜けだぜ」

タージがそういった時、

「イァーーー!イァーーー!」

と一行の直ぐ近くで何かの鳴き声が聞こえた。

「嘘!? 見逃してた!?」カエデが焦りながら辺りを見回すと、ある方向を向き絶句している。

皆も釣られてカエデが見てる方向を見る。

カエデが見ている方向は前後でも無ければ左右でも無い。

上空だ。

「コイツは……なんなんだ……」

タージが呟く。

優に6mは超えているであろう鳥の化物が、一行を1つだけの眼球で見つめていた。


プロフィール紹介⑧


名前:ライナ:カイン

性別:男

年齢22歳

見た目:

・薄い桃色の髪

・高身長ですらっとした体型

・切れ長の瞳 顔のパーツが整い過ぎている

魔法:雷 魔力消費系

・自身に纏わせる事ができる

・放つことも可能

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ