第六話 仲間
数時間後。
酒屋にて集合したが、タージ・カエデ・ミーシャはカイリを前にして顔を上げられずにいた。
タージはカイリに自信満々で挑んだ酒の勝負で見事に惨敗し、死んだ魚の様な目をしている。
カエデはお馴染みの二日酔いで顔が青ざめている。
ミーシャは少し様子がおかしく、顔が真っ赤になっていた。
恐らく今朝の事を覚えているのだろう。
集合してからずっとカイリに少し距離をとってずっとモジモジしていた。
「俺の……唯一の自慢が……」
「うぅ……気持ち悪い……」
「私……なんて恥ずかしい事を……」
と各々ぶつぶつ呟いている。
「み、皆さん? 大丈夫ですか?」
カイリが心配そうに皆の様子を伺う。
「カイリ……!次は負けねぇからな……!ぐすっ」
「……大丈夫……オェ」
「だだだ大丈夫ですっ! あのっあのっカ、カイリさんっ!朝の事はっ……なんて言うかそのっ」
とカオスな状況になった。
何分か過ぎ、皆はなんとか落ち着きを取り戻した。
「名残惜しいですが……皆さんにはお世話になりました。 僕はこのまま東の神殿へ向かいます」
そうカイリが言い、酒屋から立ち去ろうと席を立つ。
「ちょっと待て! そんな神殿には何があるって言うんだ? 何故行く必要がある? 教えてくれないか?」
「そうよ! 理由くらい教えなさい!」
とタージとカエデが引き止める。
「カイリさん……教えては頂けませんか……?」
ミーシャは今にも泣きそうな瞳でカイリを見る。
「……」
カイリは少し考えたが、皆にここまでに至る経緯を話す事にした。
6年前から以前の記憶が無い事。
6年前コウシに拾われた事。
数日前まで2人で暮らしていたが、街から帰ったら小屋が燃えており、コウシが瀕死の状態であった事。
その時国王に会う様言われ、そのまま息を引き取った事。
国王に会いに行き、1000年前の戦争の話と100年前に起こった事を聞かされた事。
その時ペンダントを渡され、神殿と何か関係があるかも知れないと聞いた事。
全てを話し終えると、皆驚愕した顔をしていた。
「嘘……そんなのあんまりじゃない……」とカエデが呟き、
「カイリさん……そんな辛い事が……」とミーシャはポロポロと涙を流す。
「そんなの許せねぇ!! お前ら……これで覚悟は決まったな?」
そうタージがカエデとミーシャを見ながら言う。
「はい!!」
「もちろんよ!! 絶対に犯人を暴いてやらなきゃ!」
とミーシャとカエデが返事をした。
「一体何を言ってるんです?」
カイリは3人の会話を聞いて察した。
「駄目だ! 皆さんを巻き込みたくない! くそっ、どうして話しちゃったんだ……」
カイリは3人の事を大事な仲間だと思っている。だからこそ気が緩んでしまい、話してしまった。
「いや、そもそも決めていたんだ。 カイリがここに来る少し前、みんなで話してそう決めてた。 だから頼む!! 俺達を連れて行ってくれ!!」
タージが頭を下げ頼み込む。
「駄目です!! この先どんな危険な事が待ってるか分からないんですよ!? 皆さんにもしもの事があったら僕は!!……」
「カイリさん。 私達は確かにカイリさんより頼りないです。 けれど、どんな些細な事でもカイリさんの力になりたい。 ここから先の魔物は更に強力です。 このまま1人で行けばきっと……」
とミーシャが口籠る。
「要するに! アンタ1人じゃ道半ばで死んじゃうのよ! だからこそ仲間が必要なの!」
そうカエデが補足した。
「……でも!!……」
「俺達はカイリに恩を感じてるからだけじゃねぇ。 自分達の意思で付いていく事に決めたんだ」
タージがミーシャとカエデを見ながら言うと、2人も力強く頷く。
3人の意思は本当に固いようだ。
これ以上断っても3人は絶対に引き下がらないと思い、
「……分かりました。 そのかわり、絶対に死なないで下さい。 危ないと思ったら、僕を見捨てでも逃げて下さい。 これだけは譲れません」と念を押した。
「決まりだな! よし、ライナが起きたら出発だ!」
「長旅になるだろうから準備はしっかりするのよ!」
「カイリさん……必ずお役になってみせます!」
カイリは信頼出来る仲間を得た。
この先どんな困難が待ち受けていても、3人を守り抜く。
そう心に固く誓あのであった。
プロフィール紹介⑦
名前:カエデ・ヒースト
性別:女
年齢:20歳
見た目:
・赤毛のショートヘア
・小柄で活発
・弓矢を背中に背負っている
魔法:命中 上限回数系
・矢、投擲物等の自身が打つ、投げるなどしたものは必ず狙った所に向かう
・上限は15回




