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第三話 昔話

 「……え?王様……?」

カイリは愕然とした。

"ニッカ"と言う人物がこの国の王ならそう簡単に会って話をする事は出来ない。

突然誰とも知らない輩から話がしたいと言われても、そんな話通る訳がない事はカイリも分かっている。

「……一体、どうすれば……」

……侵入するか?なとど強引な事を考えている時、店主から「王に拝謁出来るよう、口を聞いてやろうか?」と思ってもいなかった言葉が出た。

「そんな事が出来るんですか!?」

「あぁ。 昔俺は近衛兵副長でな。 俺からの推薦なら護衛付きではあるが拝謁出来るだろうよ」

聞けば店主が副長時代の部下が今は兵長を務めているとの事。

なんと言う幸運。

「ありがとうございます! でも、何故僕なんかを信用してくれるんですか?」

確かにおかしな話ではある。

何故今日会ったばかりの奴にここまでするのだろうか。

「お前ここの近くでたまに梨を売っているだろ。 子供の頃から好きなんだその梨。 爺さんの代位から続いているのか?」

「そ、そうなんですかね」

改めて思えばカイリはコウシの事をあまり知らないのかもしれない。

出会う前はどんな生き方をしてきたのか、そういった事は話してこなかった。

もっと話せば良かった。そんな事を今更後悔したところで元には戻れない。

話は通しといておくから明日また来るよう言われ、カイリは近くの宿屋でコウシとの思い出を振り返りながら眠った。


 ――次の日。

カイリは武器屋に着くと店主が腕章を持って待っていた。

「おぉ、来たな。 今日この腕章を持って門兵に見せろ。 話は通してあるから案内されるはずだ」

「え!?今日会えるんですか?」

「俺もこんなにすぐ拝謁出来るとは思わなかった。 お前の事を言ったら今日必ず来るよう伝えるようにと言われてな。」

まさかこんなに早く会えるなんて思ってもみなかったので多少困惑したが、王に会えばわかる事だと思い、カイリは腕章を持ってお礼を言い、城へと向かった。


 城門の前までやってきたカイリは門兵に、「今日王様と話をする約束で参りました。 カイルス・アフラドミリアと申します」と言い、腕に付けた腕章を見せる。

「話は聞いている。 ついて来い」

と門兵が言い合図を出すと門が開き、中に歩いていくのでカイリはついて行った。

城内を歩いていると他の扉より倍は大きい両開き扉の前に門兵が立ち止る。

「ここが接見の間だ。 国王はもうおられている。 くれぐれも無礼な真似はするな。 少しでも怪しい動きをしたらその場で処刑する」

そう伝えると大きな扉を2人がかりで開け、カイリを中に通した。

広間の奥側中央に玉座があり、そこにこの国の王である、ニコラス・アトミア・フルフィウスが座っていた。

「お初にお目にかかります。 カイルス・アフラドミリアと申します。 本日は急なお願いにお応え頂きましてありがとうございます」

「……待っていました。 貴方がここに来るのをずっと」

「待っていた? とはどう言う事でしょうか。 僕は死んだ育て親が貴方を訪ねるようなと言われまして……何か知っている事を教えて頂く為に参りました」

すると王ニコラスは兵達に、「全員下がれ」と命令を出し、接見の間を2人だけにした。

「その事を話す為には遥か昔の事から話す必要があります。 私はこれを父から聞き、父は祖父から聞きました」

そう言うと王は立ち上がり話始めた。

「遥か昔、神々と悪魔は地上をどちらが統べるかで戦争をしていました。 その争いは1000年も続き、どちらの戦力も大分消耗していました。 これ以上戦力が無くならないように、両陣営は地上の生き物、つまり人間を使うようになります。 神々は人間に魔力と言う悪魔に対抗出来る力を与え争いに参加させ、悪魔は人間に取り憑き、我が身を守る盾として利用していました」

王は悲しい表情を浮かべ、話を続ける。

「そして今から100年前、ついに神の1柱が悪魔の王である魔神を、己を犠牲にして倒す事に成功したのです。 ですが、完全には倒せず魔神は自身を一時的に封印する際、唯一深手を負わせたその神が持つ、3種の力の1つを奪い眠りにつきます。 そして信頼していた腹心である天使の裏切りにあい、もう1つ奪われ、弱った神は地に落ちたと言われています。 祖父は話を聞いたその時はまだ幼子で、父から『いつか必ずアフラドミリアという者が現れる。 その者にこの話を伝えて欲しい』と言われていたそうです。 その際にこの首飾りも渡すようにと伝えられています」

そう王が言い終わるとカイリに首飾りを手渡す。

鈍く光る紅い宝石が付いていて、中央には見た事ない紋章が彫られている。

「この紋章は私があらゆる方法で長年調べても解りませんでしたが、1つだけ分かった事があります。 ここから遥か東にある、今は使われていない神殿に似たような紋章があったとの報告を受けました。 そこに行けば何か分かるはずです」

カイリにはまだ分からない事だらけだが、コウシの死の真相に迫れるならどんな些細な情報でもありがたい。

行ってみる価値は十分にあった。

「わかりました。 行って確かめてきます」

そうカイリはニコラスに言うと、王から旅の足しにと言い、兵を呼び出すと金の入った袋と地図を渡させ、城門まで案内させるように命じた。

「ありがとうございます。 また、結果を報告しに戻ってきます」

と王に一礼し、城を後にした。


プロフィール紹介④


名前:ニコラス・アトミア・フルフィウスⅢ世

性別:男

年齢:45歳

見た目:威厳を感じるが、優しさも兼ね備えている優しい瞳をしている

魔法:水系魔法 魔力消費系


ーーちょい付け足しーー

ニコラスという名前は3代前から継承されていて、愛称は代々"ニッカ"である。

普通は"ニック"という愛称が一般的だが、初代国王の幼馴染みが"ニッカ"と呼び出してから国中に浸透した。

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