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第九話 囁き

 体力・魔力共に消耗しきった一行は疲れを癒す為、森から少し離れた村へ来ていた。

宿屋で部屋を借り、一泊してからロビーへ集合する約束をして各々の部屋に入る。

カイリは自分の部屋に入ると、そのままベッドへ倒れ込み、そのまま眠りについた。

タージはカイリの活躍、カエデの成長を間近で感じ、不安を感じていた。

――カイリは魔法は大したことないが、心は誰よりも強い。実際に俺は何度も助けられた。

カエデもいつの間にか強くなってやがる。きっと俺達の知らない所で頑張っているんだろう。

ミーシャは、正直今まで守る側だと思っていた。だけど今じゃ俺が守られているじゃないか。

カイリが来てからみんな良い方に変わっている。

なのに俺はどうだ?

何の役に立った?――

「……俺は……弱いなぁ……」

思っていた事がつい口に出てしまう。

「力を貸してやろうか?」

開けていた窓に腰掛ける異形の者がタージに向かって語りかけてきた。

「なんだお前! !?」

タージはその者を見て絶句する。

一瞬魔物かと思ったが、禍々しい姿と凄まじい程の殺気を放っている。

明らかに他の魔物とは違う何かを感じた。


 次の日――

カイリ・ミーシャ・カエデはロビーに集まっていた。

しかし、待てどもタージが来ない。

「寝坊してるのかしら! 信じらんない!」

と、中々来ないタージにカエデが腹を立てている。

「ちょっと呼んできます。」

そうカイリが言い、タージの部屋へ向かった。

「タージさん。 起きてますか?」

カイリはドアをノックしながら呼び掛けるが返事は聞こえてこない。

試しにドアノブを回してみたら扉が空いた。

「入りますよ」

部屋の中に入り、辺りを見回すがタージの姿はない。

「タージさん! いませんか?」

やはり返事がなく、部屋のどこを探しても居なかった。

ふと自分の足元に紙が落ちているのに気付き、拾ってみた。

その紙には、『ここから東にあるダンジョンで待ってる』と書いてある。

カイリは2人の所へ戻り、タージが居なかった事とタージが書いたものらしき紙の件を伝えた。

「……ダンジョンなんて、なんでそんなところに……」

「カイリさん……タージさんが危険です」

カイリも聞いたことくらいはある。


 ダンジョン――

魔物の出現と共に世界各地で発見されるようになった迷宮であり、塔の形状であったり洞窟の形状であったりと姿形は様々であるが、一貫して内部には様々な魔物が住み着いている。

ダンジョンの最深部には財宝が眠っているとの噂に年々冒険者が挑むが、帰ってくる者は少なく、最深部に辿り着ける者は更に少ない。


「タージさんを探しに行きましょう。 まだそんなに深く入って無い筈ですから」

「カイリ……世界各地のダンジョンは今国が管理してるの。 一般人じゃ入れないわ。 冒険者のライセンスが必要なの」

カエデの話によると、財宝目当てに盗賊や商人などがダンジョンに入り、そのまま帰ってこない事が何年間も続いた。

そこで各国は自分の名前が彫り込まれている首飾りを持っている冒険者のみにダンジョンの進入を許可しているとの事だ。

冒険者になればその首飾りを貰えるとの事なので、早速冒険者登録の出来る"ギルド"へ向かった。

ギルドとは、冒険者登録に依頼の受注、報酬の引渡し等を行っている場所である。

3人はその村にあるギルドへ到着し、カイリは受付人に冒険者登録したい旨を伝え、渡された用紙に自分の情報を記入して受付人に渡した。

「畏まりました。 少々お待ち下さい」

受付人はそう言い、裏へ入っていった。

数分後。

裏から出てきた受付人にネーム入りの首飾り"ネームタグ"を手渡され、幾つかの注意事項を聞き、ギルドを後にした。

「ダンジョンへ入るなら装備はしっかりと整えた方が良いです。 内部は魔物だけではなく、様々な仕掛けがあります」

ミーシャの言う通り、何が起こるか分からないのに、そのまま行くのは無謀だ。

そんな誰もが知っている事を、何故タージはわざわざ1人で入っていったのか。

それを知るにはタージに聞くしかない。

3人は装備を整えて、ダンジョンへと向かった。


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