過去の出来事
俺はその手鏡を見て驚愕した、その鏡にも少女の顔が驚愕した顔があった。
それは12歳ぐらいの少女の姿で今にも燃えそうな赤い髪の色、そして青い海ほどの誰もが、美しい…その一言でしか言えない青い目。自分の頬っぺたを引っ張ったが勿論痛い。
これは夢ではない。
そして俺はその少女に目をやると、さらに混乱した。
傷が完全に塞がっており服も新品に近い程に綺麗になっていた。
「な、なんでそんなに一瞬で傷や服が綺麗になっているんだ?」
「なに、簡単な話だ…私の能力は、水属性の攻撃を主とする。他にも他の属性は使えなくもないが、水属性の方が得意なのでな、それで私はさっき水で傷を癒してくれた。つまり私は水さえあれば永遠の命であるとでも言ってもいいのさ」
「なに、そのチート能力凄いですね……じゃあ何故服までも治っているのです?」
「ちーと?そんな言葉知らないが、それも簡単な話だ服は私の体の一部……こう言えばわかるな?」
「なるほどね」
そこまで話が続いて俺の中の何かが危険を察知している事に気付く
(なんだ?鳥肌が止まらない、この恐怖感は……)
今頃俺が女の子になっていたのは、すんなり認める事が出来た。気にしていたら負けと思った。
だが気になった事がある、この恐怖感はそこの少女から出る気配によるものだった。それで俺は思った。この子をいやこの方を怒らせてはいけない…と。
「では、本題に入ろう…私の配下にならないか?」
「―――え?」
突然しかも直球に言われたので戸惑ったがすぐに言葉の意味を理解できた。
傷だらけで服もボロボロ、そこに俺が転生した。
―――なるほど、つまりは何者かと戦闘が始まった。そして仲間がいるかわからないが、恐らく仲間がやられて新しい仲間を見つけるために、俺を召喚させた。と考えていいのか?
「その前に1つ質問をお伺いしても?」
「ええ、大丈夫よ」
「何故あなたは先程までボロボロであったのですか?」
「あぁそれは」
…
……
………
…………
それはある日の事。
今日も優雅に1日を過そうと思った矢先に
「ヴァルギジ様!敵襲です!」
「相手は?」
「それが……」
「どうしたのだ?キホー?」
「私の気配感知を掻い潜り一目見た瞬間わかりました。あれは……魔王の1人ヌネハナで御座います!」
「なんだと!あれは私では属性が不利すぎる……ましては雷属性では……」
この世界には火属性、水属性、地属性、風属性、雷属性、氷属性、物理属性、極稀に光属性、闇属性がある。
光属性と闇属性ではお互いに強くお互いに弱くもあった。他の属性に関してはまた今度説明しよう。
「どうなさいますか?」
「他の者達は?」
「はい。ヌネハナの幹部達と既に戦闘中でございます。私の部下は市民の避難を早急にしております。」
「よし!では私はヌネハナと戦ってきます」
「おやめください!ヴァルギジ様!ヴァルギジ様だけでもどうか撤退を我々が時間をかぜぎま――――」
そこで稲妻のような鋭い雷がキホーの頭を吹き飛ばした。すると男の声が聞こえた。
「させないよ?ここで逃したら次があるかどうか…貴様が持っている最大魔法『瞬移動』は厄介だ。発動まで時間はかかるものの発動したら魔法痕跡が全て無くなるから逃す事になるからね」
「よくもキホーを……!」
普段冷静である彼女だが、仲間が、しかも親友とも呼べる仲間を赤子の手を捻るように言葉通りに簡単に頭を吹き飛ばして殺された事に激怒した。
「なるべく、抵抗はして欲しくはないんだよね。俺にとっても楽だし、貴様も楽に死ぬ事が出来るぞ?ほら一石二鳥ってやつだ」
「ふざけるな!死ね!!」
そう叫びヴァルギジの手から高出力で形成したヴァルギジにしか扱えない水斬撃剣を握りしめヌネハナに斬りかかった……
だが、流石である。
魔王の実力は伊達ではない。
首を切ったかと思ったら水斬撃剣を、親指と人差し指で止めていた。
「こんなものか?貴様には興ざめだぞ。それでも1人の魔王……水王ではないのか?」
(くっ……!このままでは!)
剣を抜こうと思ったがなかなか抜けない。
そしてヌネハナの先程のキホーに喰らわせた『稲妻電雷』の最大出力をまともに全身に喰らった。そして、天空に投げられ地面に叩き落とされた。
(ほう…腐っても流石魔王の1人といったところか…地面に全身が叩き落とされる前に自身の水で衝撃を和らいだか、小癪な)
ヌネハナは休む隙を与えずヴァルギジにとどめを刺すべく、自分の手に雷の何倍ともなる電力を手に集中させた。
「最後の足掻きはよかったぞ。この俺から一発耐えたんだからな」
そう言いヴァルギジにとどめを刺そうと思ったが気配感知を感じ取ってその場で止まる。
すると目の前に氷塊が飛んできた。だがそれは単なる氷の塊ではない。
流石のヌネハナでも横からの――しかも不意打ち――核には至らないが、それほどの威力を持った氷塊を、受けるのはダメージを負う
「今です!ヴァルギジ様瞬移動を!!」
「だが!お前達を置いてはいけない!」
「お願いします!ヴァルギジ様!早く!ヌネハナの動きが止まりました!」
そこでヴァルギジも覚悟を決めた
「そうはさせるか!」
「くっ…!すまない…みんな…」
…
……
………
…………
「で、今に当たる訳なのよね」
「あなたも色々あったんですねって今まだやってるじゃないんですか?!」
「もう、それから3日は立ってる。もう悔しいけどヌネハナは帰還してる。私の市民も仲間も恐らく全員やられたわ……」
「返す言葉がありません………」
そして暫くの沈黙の後
「つまりは……俺が、あなたの配下になり打倒ヌネハナってことですか?」
「えぇ、まぁそうゆう事です。どうですか?来てくれますか?」
「これから他に行く所とかないので、勿論配下に入れさせていただきます。」
その返事が意外だったのか徐々にヴァルギジの機嫌が直ってきた。
「おぉ、そんなに答えが速く帰ってくるとは思ってなかったが良かったわ…そういえば自己紹介がまだでしたね、私の名前はヴァルギジ=ノールコメだ。貴女の名前をお聞きしても?」
「俺の名前は―――」
そこで俺の名前を言おうとすると、どうしてだろうか自分の名前が思い出せない。更にさっき何故俺が死んだのか思い出そうした時の痛みがここにきた。
「ふむ。どうやら思い出そうとすると頭に鋭い痛みがくるよね?」
「―――……あぁ、何故わかります?」
「この世界では他の世界から来る転生者、又は転移者は元いた世界の記憶を思い出そうとすると脳に激しく鋭い痛みがあるらしいのよね、私はその噂は疑心暗鬼ではあったが……これで納得がいった。そこで、だ、貴女に名前をつけよう思うの、名前を新しく付けたからって大して能力は高くならないけど、ないよりかはマシでしょ?」
「えぇ、お願いします」
そこで俺に付けられた名前とは………
考えるの時間かなりかかります。ごめんなさい