再会
『俺、お前のことずっと好きだったんだ』
スマホのアラームが鳴り今じゃないでしょと怒りながら起きた
こんな夢を見るなんてやっぱり同窓会に行くべきと暗示してるのかなと考えながら化粧を始め
会社に着く頃には出席しようと決意を固め
夢が現実に起きたら明日休もうと妄想を爆発させていると
おはようございますと後輩のめーちゃんに挨拶され
そう言えば一ヶ月前に出席したことを思い出し
「先月の同窓会楽しかった?」
「男子はどこに勤めてるっていう自慢話で女性は付き合っている彼のことで
あまり面白くなかったですよ」
「今は半々だけど行くの止めた方が良いかな?」
「何年振りかは分かりませんけどこんなことがなきゃ会いませんし
細い糸で繋がっていたら緊急時に助けになるかもしれないので
でも、会費と料理が見合っていなければショックは大きいかも」
やっぱり行くの止めようとエレベータの中で決意した
データの打ち込みが終わる頃には同窓会が終わり二次会に移動中だなって予想し
悩む必要は無かったなと飯田橋駅で電車を待っていると
私を呼ぶ声が聞こえ横を向くと瀬田君が立っており
「久しぶり」
「同窓会の日に別の場所で会うなんて」
「参加しなかったの?」
「お前が出席しないなら出ても」
「……ホントに?」
あれは予知夢だったのと喜んでいると
「嘘に決まってるだろ」
「……でも中学の頃に私に告白したよね?」
「あれはお前の天真爛漫さに心惹かれて付き合ったら毎日が楽しそうだなって
だから勇気ふりしぼって告白したのに恋愛感情持てないって
初めてもいないのに断りやがって、それなりにショック受けたんだぜ」
「異性として意識したことなかったから
でも明代ちゃんとすぐに付き合い始めて誰でもって頭に来たのよ」
そこへ電車がホームに入って来て、私が乗り込むも瀬田はその場に立ったままで
「最後にお前に会えて良かった」
このことばを残し電車はプシューと音を立て閉まり動き始めた