第2話 趣味は魔改造
第七位階上位
昨日の夕方、復活した上位迷宮のボス達を狩り、配下の皆は幾らかのレベルアップとスキルアップを得た。
どうやら、初回はクエストクリアで経験値報酬があった様で、2回目3回目は思ったよりレベルが上がらなかったが、それでも彼等が美味しい餌である事は違いない。
強くなった子達を更に強くする為、保留していた装備の分配や調整を行うとしよう。
先ずは、クリカ。
装着された幾らかの装備との親和性を高める作業を行なった。
オルケニウスとサラナギアはやはり特別な魂として登録されたので、生命の軌跡の満月と新月をクリカの腕の付け根、人間で言う肩の部分に埋め込み、イエローとブルーの金属で円形の装飾を行なった。
満月の方は、金属を取り込んだ体を持つサラナギアが入っており、水属性だけでなく土属性とも相性が良い為、クリカの水属性の装甲にオリハルコンを混ぜて錬成した。
新月のオルケニウスは、水竜の集合体なのでナイオーネを配合。クリカの甲殻と比べて少し色味が深いので、上手い具合に新月が再現出来ている。
肝心のイヤリング型装備は、クリカの甲殻の深い部分に埋め込まれており、破壊は困難である。
後は、サラナギアの住処はサラナギアを連想させるデザインを、オルケニウスの方はオルケニウスを連想させるデザインを施した。
より親和性を高める為のちょっとした小細工な細工である。
続いて、無秩序に生えた背甲の結晶を魔力吸収と付与を駆使して変形、6方向にそれぞれの属性結晶を纏め、刺を作ってクラウンの様な形にした後、中央に収束させて大きな結晶を生成した。
その結晶の根本に少し空間を作り、水晶宮を設置、宮殿内部に墓標、黄泉、冥府を順にセットして、最後に誕生世海を取り付け、超進化水の泉を作成した。
背中が立派になった所で、次は鋏。
剣鋏の方は、フレールの牙が上手い具合に刺さって水底海魔との調和が取れているので、僕が少し手を加えるだけで十分だった。
鎚鋏の方は……試練級武器である蟹鎚へフレールの牙と水底海魔の力をフルに発揮し、クリカと黒霧の協力を得て、クリカの鎚鋏と融合させた。
試練級の武器を観察する良い機会だったので、徹底的に調べた結果、やはり試練級の武器にもレティの様な激しい意志を伴う魂の力が存在していた。
見た感じ、僕をも優に超える力を持つ何者かがその魂を封じ込め、力を引き出せる様に整えたのだと分かる。
魂の解放は、その手の技術がある物ならそう難しくない様に調節されていた様で、少し手を加えるだけで可能だった。
クリカはその魂を無事調伏させ、その身の一部とした。
これにて、クリカの調整は終了。
とにかく親和性を向上させる為、丁寧に属性の質や動き等の波長を整え、愛属性を丹念に練り込み、神霊金属の加工まで行なって、調整を無事完了させた。
消耗はまぁまぁ大きいが、クリカの改造は一番の大仕事なので問題ない。
では次、ルーレンとアッセリアが持つ武器、プロメテウスとパンドラの改造。
此方は、既に魂が解き放たれており、互いのコミュニケーションも取れていて、それぞれの親和性も悪くない。
流石にカナデとバアル程ではないが……と言うかアレは奇跡的な程に馬が合い過ぎているだけなので比較対象にはならない。きっと生き別れた双子ダッタノダロウ。
ともあれ、親和性は悪くないので、後は性能面と技術面での調整を施すだけ。
加速された精神世界で、プロメテウス、パンドラの2人と話し合い、ちょっとしたアドバイスを送り、力のコントロール技術を向上させた。
続いて、ユース神の鍵を取り付けたプロメテウス、ラノン神の鍵を取り付けたパンドラ双方に、聖杯はそのままに精霊帝のソレと同じ様な加工を施して、環境整備とエネルギー貯蓄を行える様にした。
後の調整はそれぞれのペアと頑張って欲しい。
続いて、精霊帝達の支配世界の整備。
そもそも各種鍵系アイテム、宝物殿は、2部屋に分けられた空間だ。
中でも精霊帝の宝物殿は、最初の広間に総合レベル500相当の生命体が配置されている。
ユース神やラノン神の宝物殿は、信仰はあれど神自身は存在しない為か、総合レベルにして400前後の生命体しかいなかったが、それはともかく大切なのは、そこにその空間を管理出来るだけの力を持った魂が存在していると言う事だ。
苛烈なプロメテウスと物静かなパンドラは、その成長の為も兼ねて鍵を取り付けたが、精霊帝達は既に立派に成長しているので、成長の為のお友達は必要無い。
よって、精霊帝達の宝物殿の番人は、改造してしまう事に決めた。
各精霊帝達と対話して、最初の広間を再設定する。
基本は攻勢領域だ。
たった一体の強敵を確実に始末する為の改造である。
先ず、黒霧のコア《小》を奥の部屋に設置、広間で戦闘する精霊帝やその使徒に補助魔法を重ね掛けさせる。
次に広間内に、各精霊帝が封じられていた神霊金属の像を加工したゴーレムを設置。
莫大な量の魔力を持っていかれたが、満足の行く物が作れた。
続いて、各神の姿に似せた姿を持つ番兵達とゴーレム、そして精髄から生み出された使徒に、神力を使わせて加護を与えた。
最後に、黒霧管理の砲や魔法陣を各所に設置し、ちょこちょことそれぞれの神性に見合う様な装飾を施して……完成。
この領域を突破するには、レベルにして500〜600相当の敵3体と700相当の1体。それを徹底的に補助する何者かを倒さないとならない。
その脅威度は機神をも凌駕し、なんだったら試練級の魔物とも互角に渡り合える……かも!
2番目の広間は、それぞれの要望を取り入れて僕が徹底的に監修した、精霊帝達の癒しのマイホームだ。
普段はそこで寝泊りして貰おう。
精霊帝達の強化が終わった所で、次、ちょっとだけバアルとセラ&レティの定期確認。




