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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十三節 鈴守神事の攻略

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閑話 執念深く、密やかに

 



 なんて美しい生物なのだろう。



 新たな身体で主人(マスター)を見た瞬間、そこに生まれた感情は、恥ずかしさだった。



 同じ様な姿を持つ事で、本当の意味で主人(マスター)の美しさに気付いた。



 これほど強く、美しく、愛らしい生物がいる事に感動しました。

 そして、それを自分だけの物にしたい欲求に気付いたのです。


 美しく、愛らしい主人(マスター)を私だけの物にしたい。

 強く、気高い主人(マスター)の子を生みたい。


 しかし、弱く醜い私は主人(マスター)に釣り合わない。



 恥じ入る。


 弱さを。


 人型を成して尚、主人(マスター)と比較にならない醜さの己の肢体を。



 主人(マスター)に服を着せて貰った後、頭を撫で回され、天にも登る気持ちで意識が飛びました。


 何か、とても幸せな夢を見ていた気がします。





 目を覚ますとそこには、主人(マスター)によく似た体型の美しくも愛らしい少女がいる。


 その瞬間、私の直感にビビビッと来る物がありました。



 それと同時に、私はまたも恥じ入ります。



 この子を襲いたいと言う不思議な欲求、それは主人(マスター)に対して思いの丈をぶつける事が出来ない為に生まれた、代償行動に違いありません。

 それは恥ずべき感情でした。


 それでも、私にはその欲求を振り切る事は出来ませんでした。



 それから、幾日の時が流れました。



 日が経つに連れ、私は自分の恥ずかしい欲求を自己弁護し正当化して、しかし罪悪感に苛まれます。


 主人(マスター)は私の物に出来ない。レイエルは主人(マスター)の代わり、私の、私だけの物。


 ……分かっています。レイエルが怯えている事も、私がレイエルに感じた欲求の本当の正体も。

 でも、いつしか、私の思い込みは本物に変わっていた。


 レイエルを傷付けている。レイエルを苦しめている。私は、私自身の思いを裏切り続けている。嘘を付き続けている。



 そんなある日の事でした。



 いつも通り、主人(マスター)が何処からともなく大戦力を連れて来てから間も無く、主人(マスター)に一目見て分かる程の強大な力を持つ装備を渡された。



「それじゃあ、スルトを倒してみて」

「はい! ……はい?」



 主人(マスター)に構って貰えて嬉しくてつい返事をしてしまったが……スルト? スルトって皆と一緒に倒したあの怪物ですよね? ……ほ、本気ですか……?


 私の不安が伝わったのか、主人(マスター)は仄かに微笑みながら、私の頭を撫でてくださいました。



「よしよし」

「あぅ」

「ニュイゼなら出来るよ」



 本当に出来るのかな……? でも、主人(マスター)が言うなら……。


 私は炎の巨人と戦う事を決意しました。





 激戦に身を投じ、体を焼かれながらも、どうにか勝利をもぎ取る事が出来ました。



「ニュイゼ、良く頑張ったね」



 ボロボロになった身体は主人(マスター)の魔法が癒し、疲れ切った心を主人(マスター)の体が癒してくれます。


 美しい主人(マスター)の体に縋り付き……傷付いた身体を癒すと言う名目で主人(マスター)に絡み付く己を恥じる。



「怖かったかな?」

「……はい」



 嘘では無い。


 何度斬っても再生する肉体。

 津波の様に押し寄せる水を全て蒸発させる炎。

 大地を砕き、大気を震わせる力の暴威。


 つい頼りがちになる様な強い人達はそこには居らず、自分1人でその脅威と相対し、それを討ち破らなければならない恐怖。


 そんな絶望の中、たった一言。


 ニュイゼなら出来る。と言う主人(マスター)のその一言だけで、私はアレを倒せるのだと、希望を持つ事が出来ました。



「よしよし、ニュイゼ。君はまだまだ強くなれるよ」



 優しく頭を撫でられて、愛らしい主人(マスター)の身体により強く絡み付く。


 あぁ……やっぱり、私は主人(マスター)の事を愛しているんだなぁ。



 そう、再確認すると同時に、悲しい気持ちが私の中で渦巻きます。



 ……あぁ、やっぱり……レイエルに対する私の想いは……偽物なんだ……。





 それから更に暫くの時が経ち、私に心境の変化がありました。


 誰とは言いませんが、別の蛙が私のレイエルにちょっかいを出し、そこで私は気付いてしまったのです。



 勿論、私は主人(マスター)の事を愛しています。


 でも、レイエルの事も愛しているのです。



 2人を愛してしまう自分に恥じ入るばかりですが……主人(マスター)は私達に常々言っています。


 君は強くなれると。



 ……それに、もう一つ気付いた事があります。


 私は主人(マスター)の体型や顔の造形が最も美しく愛らしいと感じますが、一般的には私の顔や体型も美しいの範疇であると言う事です。



 私は強くなれるし、醜い訳でもありません。


 それなら……いつかレイエルは勿論、主人(マスター)も……な、なんてっ、えへへ。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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