第14話 お金と楽園とジョブスキル
第七位階上位
次は、魔物召喚板の売れ行きとそれに伴う現状の変化。
報告書を確認した所、売れ筋はやはり鳥獣だ。鳥獣だけで7割弱は売れている。
残りの3割は大体トントンである。
一番売れているのは、比較的安価で頼りになる犬と鷲。
次点でゴーレム。次がドール。ビッグシザーとジャイアントアントがほぼ同率で、その次がスライムだ。
残念ながら、一枚が高いと言う事もあり、情報が知れ渡った今となっても、購入者は全体の3割を越えた程度。
ただし、戦闘への影響は結構大きい。
何せ、モンスターカードで召喚された魔物は、経験値を回収しない仕様だ。
それ用のスキルがない限り、パーティーメンバーの限界は6人。モンスターカードはそれによる戦力不足を、何の不和も招かず補ってくれる訳だ。
更に、召喚獣が人型じゃないのも利点が多い。
犬や猫が素早い動きで敵を引き付け、人がソレを殲滅する。
人がダメダメでも、使役された獣達がある程度戦えるので、モンスターカードを買えたプレイヤー達の殲滅スピードが上がっている。
召喚獣がプレイヤーほど生存の重要度が高くなく、死んでも大して問題無いと言うのも利点だろう。
そしてチャージで儲かる僕。徐々に下がっていくプレイヤー達のモラル。
そこら辺は、明日のマレビト招致の時に解放される傭兵達を使って改善して行こう。
プレイヤー達の進行度は、おおよそ7割くらいが基本4属性の迷宮の踏破を終え、4割くらいが残りの2属性を踏破、森や山等の環境迷宮への挑戦が始まっている。
環境迷宮を探索している者達は、レベルや技術も《他と比べて》高く、稼ぎが多くて僕のお店へ落とすお金も多い。
ただ、未だアイテムボックスやマジックバックの所持者がいないので、プレイヤー1回の探索で得られる資材が少なく、儲けとしては正直微妙だ。
此方は、内容量小さめのマジックバックの販売や貸し出しを行うので、劇的に改善されるだろう。
次、楽園のアム達の様子見。
楽園の鍵を使い、城へ転移すると、間も無くしてアムがやって来た。
「……我等が主。城全体の掃除と修繕が完了した」
「ご苦労様。何か問題は?」
手招きしながら問うと、アムは歩み寄りながら答える。
「……特に大きな問題は無い。次は外壁の修繕がオススメ」
「じゃあそれで」
「……修繕をするには石材と木材が必要。石材の採集はリュカが得意。木材はアンジュ」
「その2人にお願い」
「……分かった」
ごにょごにょと念話で連絡するのを、アムの頭を撫でながら待つ。
すると、バターンと扉が開き、玉座の間にエイミーが飛び込んで来た。
「エイミーっ、来た!」
「お帰りエイミー」
「お肉っ、いっぱい狩った!」
「ご苦労様」
撫でられに来た血塗れのエイミーを浄化してから、そのもさっとした頭を撫でる。
喉を鳴らして甘えるエイミーを撫でていると、アムが声を上げた。
「……エイミーから報告がある筈」
「そうなの?」
「くぅん♪」
「……エイミー、報告」
「……んん? ……エイミーっ、ボス見つけた!」
ボスとな? ……本当にボスかな? エイミーそう言う能力低いらしいし。
「強いの?」
「弱そうだった!」
「ふむ……エイミー1人で行けそうかな?」
「エイミーっ、いける!」
「それじゃあエイミー、ボス倒して来て」
「おー! 行ってくるます!」
ダダダっと走って消えるエイミーを見送った。
音が聞こえなくなった所で、アムが口を開く。
「……我等の主。倉庫、武器庫、居住区画、調理場、浴場、工房、6箇所を魔石でアップグレード出来る」
「じゃあ、アム、お願い」
「……ん、承った」
そう言いつつ、移動しようとしないアムを撫でる。
日の光が差し込む玉座の間。今暫く、アムが満足するまで、静かな時間を過ごす。
◇
サイクロプス・キングをビタンビタンしてやって来たエイミーを撫で、暫くは城の前の草原で狩りをする様に言い含めて、鍛錬島に戻って来た。
エイミーを待っている間に新たに判明した事が一つ。
職業スキルの、姫騎士がレベルMAXとなり、新たに他の上位ジョブの上限が4つ解放出来る様になった。
選んだのは、防御力的に優秀な『副将軍』。同じく優秀な『近衛騎士』。利便性が高い『大魔導士』。同『錬金術師』。
解放されたのは、『将軍』。『天帝騎士』。『賢者』。『神秘創士』。
これらのジョブスキルは、現状では一つずつしか所有出来ない様だ。
強化度合いで言うなら、おおよそレベル200相当。
中々強力なスキルである。
この調子で補助体制を万全にしつつ、早速セイト達や他の人の様子見に向かおうか。





