第4話 待ちに待った休憩
第七位階上位
黒霧と相談しつつ、細かい仕事をこなしていく。
魔物召喚板とその強化素材である属性石の量産ラインを整えたり。
傭兵のステータスカードを参考に傭兵ランクを定めたり。
マレビト向けの下級バフ付き料理を考案、作成したり。
新規にマレビト用に作成する迷宮のアイテムドロップ確率を決めたり。
マレビトの追加が来るまで実に後7日。
それまでにやらなければならない事は山程ある。
それらを一定までこなした所で、休憩……ではなく他の処理を進める。
先ずは、スキルの取得から。
魔力操作、感知系の最下級スキル『瞑想』は、自然に潜む種精霊達と融和する事が可能で、魔力の回復速度が上がる。10P。
ティルナノグ戦の報酬で得た各種魔法スキルの下位、『歌魔法』『舞魔法』『鳴魔法』も一応取得しておく。比較的安価で45P。
スキルポイントには十分余裕があるので、『操気法』と『練気法』も取得だ。有れば仙術をより楽に使える様になるからね。
どちらもかなり高めで合計80P。
この際だから、と放置していたり増えたりした武術系スキルも適当に取得した。
『棒術』『杖術』『鞭術』『鎌術』『扇術』『捕縄術』で105P。
また、学問系中級スキルがMAXになって追加された、各種上級学問スキル15個も取得だ。
うち魔物系の学問スキルはやや高めで、合計800P。
全部で合計1040Pの出費となった。残りは1354Pである。
魔覚を用いて入念に確認した所……武術系スキルは単純な武術の適性向上と肉体の強化に加え、対象武具との融和性が向上する。
やたらとお高い学問系スキルは……鑑定の閲覧制限を一定量解除すると共に、対象魔物やアイテムとの融和性が向上する他、気配察知や騎乗等の多くのスキル性能を僅かに向上させる。
まぁつまり、スキルは取っておいて殆ど損は無く、スキルポイントと魂の余白に余裕がある限り、取得出来るなら取得した方が良いと言う事である。
スキルを取得した所で、いよいよ機神戦……ではなく、待ちに待った研究のお時間だ。
研究でがっつり精神力を消費して、午後の謁見を適当に受けて休憩し、夜に機神を殲滅する。
夜まで配下の子達にはのんびり休んだり、迷宮へ狩りに行ったりして貰う事にする。
お昼にはエルフの葬儀をしないと行けないので、研究は手早く行おう。
◇
研究。即ち理論の検証と確認。
今回のテーマは、捕食と成長について。
レベル200級の食材が貯まって来たので、いい加減捕食とそれによる成長の関係を詳らかにしないと、高級食材を売りに出せないのだ。
態々下位変換して売りに出すのは効率が悪いのである。
と言う訳で、各種捕食系のスキルと、種類と魔力質によって何百通りも細分類した食材。そして捕食系のユニークスキルを持つ転生者を用意した。
クローネ・ザラニア《及川 雅奏》 LV50
シュタ友魔国の北東、ザラニアと言う村を納める子爵家の次女で、ザラニアは主にルゥスリシュ湖のマーメイドや湖畔のリザードマンと取引をしている村だ。
カナデ自体はある種の天才で、前世はただ美味しい物を食べるだけの為に生きていた。
食べる為だけに働き、寿命まで生きて食べ続ける為に健康を維持し、最高に美味しいタイミングを作る為なら如何なる我慢も厭わない。
そんな彼女の持つユニークスキルは、『喰らう者』《コトノチャン命名》。
能力は、毒等への耐性と分解能力の強化、余剰エネルギーの貯蓄と解放……それと適合。
毒耐性はそんなに高くないし、分解能力もスライムに劣る、貯蓄限界もそんなに多くないし、適合は誤差程度しか作用しない。
今回の研究では、その適合、即ち成長を検証するのである。
先ずはスキル、雑食。
これは、そのスキルを持っていれば雑食の生物ですと言う単純な話ではない。
このスキルは、草食、肉食、鉱物食等の、食べられる物を増やす、もとい耐性と分解能力を強化するスキルを内包し、序でに多少のエネルギー貯蓄能力を有し、そして僅かに対象食材の能力を受容しやすくなる力を持っている。
エネルギー貯蓄能力、及び受容適合能力は、魔力が活性化しているこの世界においてはあらゆる生物が最初から持っている力であり、全ての捕食系スキルは多少なりとも両能力を強化する力を待っている様である。
では、受容適合能力が強化されるとどうなるのかと言うと……捕食した対象の魂から経験値とスキルを吸収出来る様になる訳だ。
副次効果的に、食材から得られる強化バフの効果と持続時間も増える。
つまり、捕食系スキルは有った方が良い。
続いて、捕食吸収、捕食再現スキル。
此方は、主に受容適合能力に特化した割と強力なスキルであった。
ただし、その能力は星辰体よりも物質体により特化している。
即ち、捕食した対象のアビリティを再現するスキルである。
次に、捕食、分解、吸収、過食、貯蓄、等の細分スキル。
この内、捕食、分解、吸収はスライム等が持っているスキルで、捕食は汎用強化、分解は物質を魔力に分解する力、吸収はそれらの魔力を集め、多少貯蓄する力を持っている。
過食は、胃袋と言う名の異空間を作成するスキルで、具体的な効果は……沢山食べられる様になる。
貯蓄は捕食系とは本来殆ど関係の無いスキルだが……所謂魔力限界増加スキルとは異なり、生命力、生属性魔力のみを貯蓄する力を持っている。
よって、貯蓄スキルは分解して得られた生命力を貯蓄出来るスキルと言う事になる。
纏めると……。
・捕食系スキルは捕食した対象の持つ生命力を貯蓄可能。
・捕食した物質に宿る魂魄の残滓、それが持つ魂魄の力と能力技能因子を受容しやすくなる。
・美味しい物をいっぱい食べられる様になる。
以上。
では早速、カナデチャンを使った因子覚醒実験に取り掛かる。




