第2話 18日目の支配者ユキ
第七位階中位
現在のプレイヤーの進捗具合は……特にこれと言った変化無しである。
先ず、タク達のレベルが、下位の迷宮を全て踏破した事で48〜50まで上がった。
迷宮攻略前と比べると10レベル近く上がったが、それだけタク達に預けた船が活躍したと言う事だろう。いやまぁ船が入れない様な迷宮もあったがね。
対する他のプレイヤーは、トップクラスが39以下、ボリュームゾーンは30〜33くらいで、下位のプレイヤーは24〜28と言った所である。
ゲーム開始から18日目に入ったが……もう平均が熟練兵士並みと言うのは中々凄いんじゃなかろうか?
やはり死んでも死なないのは大きい。
ともあれ、今後数日プレイヤーはあまりレベルを上げられないだろう。
身内なら僕が戦場を用意してあげられるが……他はリスティアか鍛錬島の下位迷宮を潜るしか無い。
リスティアの方は資源迷宮がコンセプトなので、資源は美味しいが魔物の数的にレベル上げには向かない。
鍛錬島の下位迷宮は、魔物の数こそ多いが迷宮の広さ自体がリスティアの10倍近くある。
遭遇率も低いし得られる資源も少なく、また多くのプレイヤーが訪れる筈なので魔物資源も枯渇する恐れがあるのだ。
有り体に言えば、下位迷宮は機動力が無いとしょっぱい。
だがまぁ、外で狩りをするよりは確実にレベル上げが出来るので、下位迷宮にはプレイヤーが殺到するだろう。
現在の攻略状況を見ると、多くのプレイヤーが訓練窟の攻略を終え、4属性迷宮も半分以上を踏破している。
今日中にも4属性迷宮を完全踏破し、それぞれの下位迷宮に入って来る者が現れるだろう。
今の内に下位迷宮の殲滅をしている子達には撤収して貰おう。
その他、僕の王都の屋敷に住むレリアと亜獣人達は、雪奈の報告によると問題なし。
ティアは相変わらず街中をうろついて、何か色々施してる。
淡雪含む冒険者と兵士の混合探索隊は、大剣士と愉快な仲間達との情報共有を得て順調にリスティアを攻略中。
差し当たって、雪奈もといスノーに……王都と港町と鉱山街の貧困層への仕事の斡旋を頼んだ。
序でに賓客の証である指輪も預け、各町の領主、子爵のクリュスやその妹アスィミみたいな良い人が抱える問題の解決も並行して行う様頼んでおいた。
スノーさんには直属の部下がいないので、王都から離れて貰う事になるだろうが、王都には守護のゴーレムやにゃんこ、それに淡雪もといネージュもいる。
天帝竜クラスの魔物が来ても、応援が駆け付けるまで前線を保てる筈だ。
冬鬼ことインヴェルノは、現在公都ルステリアの南部をフィールド制限に沿って探索中。
地図を埋めつつ昼寝したり森林浴しながらボスを探している。
……まぁ、良いけどね。南部の調査は冬鬼の裁量だし。
一方公都には、吹雪ことブランが情報収集の為潜入中。
現在は、学園生や冒険者、兵士が多方面へ派遣され、いなくなったキノコの行方を捜索している。
避難民の仮説住居は学園が、食料はルステリア公爵家が用意している様だ。
差し当たってブランはしばらく公都に潜伏させ、折を見てギルドに登録し迷宮に入らせる。
目標は、公都南の領の情報収集と、迷宮の調査だ。
他、僕の領地の開発状況。
森都インヴェルノは、マレビト招致用に街を開発し、ゴーレムを配備したが……多くのエルフ達は先の襲撃から立ち直っていない。
今日の昼にでも生存者と遺体、遺品を持ってインヴェルノに向かおう。
エルフは基本的に土葬で、木の下に埋めるとか、埋めた土の上に苗を植えるとからしいので、インヴェルノ前の元森に植林する序でにエルフを……じゃ無くてエルフの埋葬をする序でに植林しよう。
……尚、荒らされていたエルフの墓地は、既に朽ちていた無数の遺骨を掻き集め、聖大樹があった場所にドランクール語で『古き英霊此処に眠る』と書いた碑を置き、その下に広間を作って、エルフ骨製のゴーレムを配置した。
彼は、町から外にでかけていたエルフが帰って来た時に、何が起きたか。エルフ達が何処に行ったか等を伝える、伝令エルフゴーレムである。
元β島のスノーは、アルナン主導の農地開発が続けられており、植えてから僅か数日だが、ポメス。幼魔の実。豊魔の実を収穫していた。
ポメスは……なんかトマトっぽい何かが生り、根っこがジャガイモっぽい何かになった。
取り敢えず種芋からの増殖と種子からの増殖の相違を確認する為にも、両方の畑を作って植えさせる事とする。
幼魔の実は……りんごっぽい赤い実が生った。
どうやら……悪魔に高い親和性がある様なのだが……詳しくはルカナとテリーに調べさせよう。
豊魔の実は、バナナだ。
種が無かったので株分けし、どんどん増やしている。
幸魔の実は、勿論桃。
既に大量生産の計画が始動している。じゅるり。
現状樹精霊は一応5人いるので、小結晶樹の種を預けても良いだろう。
小結晶樹育成計画は黒霧の管轄であり、結晶樹の性質上、5人の樹精に加えて六精帝の運用も許可してある。
そんなこんなで色々な確認を終えたので、朝の諸用に取り掛かろうか。




