第28話 騎士団と言う名のなにか
第七位階中位
騎士団は、クランマスターやサブマスター、幹部に結成可能だ。
騎士団の十戒と無名の騎士団は、その騎士団の団員にちょっとしたバフを付ける事が可能なのである。
十戒の種類は、武威。勇気。高潔。誠実。寛大。信念。礼節。統率。清貧。庇護。の10種。
『武威』は、各種戦闘系スキルの成長速度が誤差程度微増し、同じく戦闘系スキルの能力が誤差程度微増する。
付け替え可能な加護型なので、団に出入りすれば付けたり取ったり出来る。
『勇気』は、精神耐性や苦痛耐性、負耐性等が強化される。
耐性系が上がり、且つ上がりやすくもなると言うのは、中々希少な効果であろう。
『高潔』は、清浄化と負耐性の2つが、そうと分かるくらいには強く強化、付与される。
これにより、アンデットとの戦いで瘴気によるデバフをほぼ無効化出来る上、負の化身と戦う際にも多少の防御効果を得られる。
『誠実』は、看破、直感、友愛等のスキルが強化され、幻術に掛かり難くなる他、友好度が上がりやすくなる。
勿論、友好度の向上は元が良いのが前提である。
『寛大』は、防御系と耐性系が満遍なく上がり、心因的ダメージに強くなる。
『信念』は、武技系スキル『心剣勝負』が生える。
効果は、所謂闘気法や、その下に当たる練気法とやらを剣に宿す事が出来る物で、信念の名の通り、込める思いが強ければ強い程に威力と魔力消費量が増える。
『礼節』は、礼儀作法スキルや求心力スキル等が強化され、側から見ると少し格好良く見える様になる。
民衆の支持を得る上で見目の良さ等が割と重要だったりする騎士団には、中々馬鹿にできない能力であると言えよう。
『統率』は、軍略、指揮、統率、連携、求心力、直感が強化され、団レベルでの連携が若干しやすくなる。
『清貧』は、清浄化、雑食、裁縫等の、謎なスキルが強化される。
……ほぼ無補給状態での戦闘ならば、その真価を発揮するのかもしれない。
『庇護』は、防御系スキルに特化し、武技スキル『挑発』や幻術系武技スキル『囮』等を使える様になる。
また、特殊な『名』を持つ騎士団には騎士団レベルと言う物が現れ、入団可能な人数に制限が掛けられる仕様の様だ。
騎士団自体は、クランポイントを使用する事で創設出来るので、制限が掛けられても問題無い。
レベル1時点での最大人数は100人。その後、1上がる毎に100人分枠が追加され、加護の力も増す様である。
考察するに、スキルレベルが上がりやすくなると言う事は……該当スキルへの理解が深まり、能力が自動的に反復される。つまり、何らかの情報群が加護として魂に接続され、その上で該当スキルが無視出来るレベルで反復発動すると言う事か。
まぁ、効果の質がどうあれ、長期的に見ればスキルレベルが上がりやすくなるのは良い事なので、騎士団所属は良い事なのだ。
ただし、所詮は誤差程度の強化。心の持ち方次第でどうとでもなる程度の差でしか無いので……なんなら騎士団の名前を堅苦しい物から変えて一般解放しても良い。
クラン、スノーに所属すれば、スキルも早く上がり、傭兵もお安く斡旋可能で、高額報酬の仕事も紹介出来、武具の強化購入もローン許可。……みたいな感じで新規参入の9万名を騙くらかしてクランの強化を図ってみようかな。
合計10万名の指針を統一出来るのなら、その方が世界の為にはずっと良い筈だし。
懸念があるとすれば……この世界には最下級の神を何体分生成出来るリソースがあるのか? だ。
アナザークロニクルでは、滅んだ世界の地脈が自らの意思でこの世界に渡って来ていたので、地脈が超活性化して大量のリソースがあった。
それが無い今は、場合によっては満遍なく強化していると、神級どころかレベル800クラスにすら至れ無くなるかも……。
……いや、まてよ、イヴは確か世界の狭間には膨大な魔力が満ちていると言っていた。
世界の創造が狭間の魔力を用いての事だとすると……少なくとも僕なら世界の魔力が減った時に備えて狭間から魔力を供給出来る様にする。
……まぁ、取り敢えずそう言う事は減った時に考えようか。減ってみないとどうなるか分からないしね。
◇
無名の騎士団と言う名のチケットを消費し、10の騎士団を創設した。
騎士団は、レベル1段階で100P分の騎士団ポイントがあり、これを分配して強化効果を得る。
基本的には、クランマスターが所持しているスキルやその下位スキルのみ強化、付与が可能だ。
最下位のスキルだと、習熟速度の上昇に1Pで0.1%。強化に1Pで0.1%。付与には10Pでレベル1分だ。
スキルの格が上がれば必要ポイントも上がる仕様である。
『武術家達の修練場』は、武術系スキルの強化を目的とした騎士団だ。
僕が知る全ての武術系スキルの習熟速度を上げており、そのかわり特殊な強化効果も特殊なスキルも無い。
名前に修練場とある通り、この騎士団は場に限定された騎士団だ。
入団条件はその場に入る事。脱退条件はその場から出る事。
本来であればずっと所属している方が自己鍛錬と言う意味では効率的だが、敢えて入団と脱退を自由にする事で、より多くの人達に恩恵を与える事が出来る。
それと、場所に固定する事で集客効果が見込めるのだ。その上、一々入団、脱退の管理をする必要が無いと言う利点もある。
機神討伐の報酬で得られる筈の街に、迷宮と共に設置する予定だ。
『戦士達の訓練場』は、腕力上昇に治癒力向上、耐久走、疾駆、防御、回避、直感等、地道な努力が必要なスキルの強化を目的とした訓練場。
此方は迷宮は無しで、訓練場とある通り、本当に頑張って訓練して貰う。
直接的な強化には繋がらないので、主に利用するのはマレビト以外だろう。
『魔術士達の修練場』は、魔術系スキルの強化を目的とした、迷宮を攻略するタイプの騎士団。
『魔法士達の瞑想場』は、瞑想スキルを筆頭に、魔力感知、操作、魔力限界増加等の取得と強化を目的とした、黙って瞑想し続ける場所である。
僕は瞑想スキルを持っていないが、本来は魔力感知、魔力操作等のスキルを取得する前に取得するスキルの様である。
瞑想して自然魔力と内在魔力を感じられる様になれば、ようやく魔力感知と魔力操作が取得出来るのだ。
『騎士達の訓練場』は、各種騎乗系スキルの強化を行う訓練場。
『職人達の訓練場』は、鍛治や裁縫等の生産系スキルの強化を目的とした、貸し工房。
『職人達の研究場』は、各種生産スキルを強化し、生産の成功率や効率を上げる貸し工房。
これら7つのエリア型騎士団には、一応騎士団レベルを上げる為の迷宮を設置する予定だ。
騎士団レベルを上げるには魔物を倒すのが一番だからね。
それ以外の3つは、普通の騎士団である。
黒鎧騎兵団のエリートを入れる予定の『黒金』は、名の通り防御力に特化した騎士団。
人形の迷家のエリートは『人形』に所属させ、制動、精密動作等のスキルを強化して基礎スペックの安定化を図る。
最後の『混成師団』は、騎士団レベルの限界が100であると想定した、最大1万人となる予定の騎士団だ。
人間以外にも多種族の兵士が入団予定なので、強化されるのは主に汎用性の高い継戦能力を強化するスキル。
まぁ、つまりは主戦力とならない戦力の雑魚狩りの為の騎士団である。




