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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜超天才美少女(?)が、世の理を解き明かし塗り替える!〜  作者: 白兎 龍
第?章 Another Chronicle 第一節 叛逆の追憶記

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第161話 進軍する黒

第五位階上位

 



 早朝。



 夜明けと同時に西の暗闇から現れた黒い激流が、西方諸国を監視する為に建てられた3つの砦を呑み込んだ。


 それはさながら津波の如く隷国の領土へと流れ込み、それは飢えた獣が如く村や町へと喰らい付く。



 また一つ、大きな街が呑み込まれた。



 後に残ったのは生者が居なくなった無人の街。



 遥か空の彼方からそれを見ていた男は、体をぶるりと震わせると、数瞬後唐突にその場から消滅した。


 何も居なくなったその場所に、向けられていた蒼の瞳があった事を、男は知る由もなかった。



◇◆◇



 簒奪王・カインを目視、確認した。


 レベルは70と低めだが、肉体や魂魄表層に宿る魔力量が普通の転生者(フォーリナー)と比べると桁違いに高い。

 覚醒転生者(レヴナント)をも超えていると言わざるを得ない。


 大雑把な考察だが、簒奪王は転生者(フォーリナー)から強力なユニークスキルを多数回収している物と考えて間違い無いだろう。


 ——彼の魂は歪な形をしていた。


 強力な力を完全にモノに出来ていない証拠だ。


 彼がこのまま力を強奪し続ければ、ユニークスキルに宿る強力な意思の残滓に呑まれて己を失い、やがては精神力の限界を越えて暴走を始めるだろう。

 今までに無い事例なのでどうなるかは分からないが、世界を越える程強力な複数の願いの残滓と共に暴走すれば、器の方がニグレドの配下みたいな肉塊になってもおかしくない。


 幸い彼が落としていった極々少量のユニークスキルの因子を回収しているので、本体の方はほぼ用無しと言っても過言では無い。

 行く末を見守るか手を差し伸べるかは状況次第だ。



 簒奪王の転移コードは回収済み、余程バレない自信があったのか、直接帝国の王城に転移していたので、最早何時でも何処でも本丸に強襲出来る様になった。

 まぁ、どんなトラップがあるか知れたモノでは無いので乗り込まないが。



 簒奪王は兎も角として、『黒鎧騎兵団(ブラックナイツ)』の侵攻は今の所大成功だ。


 騎兵と言いつつ騎獣はいないが、その代わり強力な鎧がある。

 様々な武装の強化を得る事で、彼等は丸一日全力疾走出来るのだ。


 これにより、帝国に恭順する事で生き永らえていた小国くらいなら半日で完全に制圧出来てしまうのだ。



 大雑把な戦力の配分を整理しよう。



 先ずは、クランゼル王国の西、最西端の地にある我が領土1号。

 此処は、度重なる開発でそこそこの広さを持つ港町が出来ている。


 防衛戦力は、精霊金属級の硬鋼製に進化したロボゴーレム君と、逆に柔軟性が増して柔鋼の体を持つに至った壁ゴーレム君、敵を虐殺して回る内に浄化作用が強まって綺麗になった湖ゴーレム君。

 彼等三体の巨大ゴーレムを筆頭戦力に、ルメール配下のプラントゴーレムが100体ばかり徘徊しており、その背後に黒霧の端末が1人配備されている。



 灼海の北に建造された街は、今の所防衛の必要も無いので、黒霧の端末が1人。

 周辺の迷宮捜索と侵略を行う為にプラントゴーレムとドールが其々300体配備されているが、此方は防衛戦力とは言えないだろう。


 西方三国も、其々の国の騎士や兵士はいるが、此方からは黒霧の端末3人とドール100体、プラントゴーレム100体しか配備していない。


 その代わりと言っては何だが、西方三国とこれから侵略する西方諸国を統括管理する存在として、大迷宮クラスのウィゼル層迷窟から入手した迷宮核(メイズコア)で作られた黒霧が配置されている。

 本体にも匹敵する力を有しているので、西方は神霊でも来ない限り安泰だ。



 後は各街や草原にレベル80にも匹敵する店員達が10万名程配置されているが、彼等が戦わなくてはいけない状況となれば負けたも同然なので、戦力としてはカウントしない。



 防衛戦力に関しては此処まで。

 次は侵攻する軍団だ。



 先ずは、20万の『黒鎧騎兵団(ブラックナイツ)』。

 彼等は老いも若いも、男も女も、人も亜人も関係無く集まった一つの軍団だ。


 槍や盾、弓、魔法などで部隊を分けているが、最低限度の近接戦闘術は全員がマスターしているので、大した敵のいない現状では隊列を組まずに侵攻している。


 彼等は同時に迷宮探索も担っており、発見された迷宮にはオートマタを筆頭にしたドールやゴーレムの軍団『人形の迷家(ドールハウス)』や『風の守巫女(ハルケリツェーレ)』『夜闇の魔女(ワルプルギス)』『忠士団(ファミリア)』『夢明の研究者(クリプトシーカー)』を派遣している。

 迷宮を急ピッチで侵略し、入手した迷宮核(メイズコア)を黒霧が改造し、侵攻した領土に社を建てる事で支配領域を広げる。


 黒霧が出来る事も大分多くなって来たので、西方は任せてしまって良いだろう。



 侵攻する『黒鎧騎兵団(ブラックナイツ)』には、其々違った装いの黒霧が5人ついているので、簒奪王が転生者軍団を率いて来ない限り被害が出る事は無いだろう。


 侵攻して得た人的資源は、最低限の教育を行い善人になって貰った所で元の街に放流する。

 完全な調整や育成は戦争が一区切り付いてから行う予定だ。


 また、一部の帝国軍人や隷国軍人は優先教育を施す事で、明日にも戦争に参戦出来る様にしてある。



 一方、リベリオン一行はと言うと、現在『黒鎧騎兵団(ブラックナイツ)』が侵攻している隷国諸国の北、モンデシウル共和国と隣接する帝国領土へと向かっている。

 何でも、その地はユウイチとエミリーとリエの故郷であり、領地を治める辺境伯は良い人なので、どうにか説得するとの事だ。


 流石に軍団を護衛につけて『説得《武力》』と言うのも双方の心情的に悪いだろうし、リベリオンには黒霧の端末1人を付ける。

 ついでにちょっとした援護として、辺境伯領と他の帝国貴族の領土の間に魔物型の子達を配置する。


 これで、転移でもされない限り援軍などの心配はいらないし、万が一交渉が決裂しても情報すら流さない。


 念の為に黒霧の端末全員には死魂結晶・改を更に改良、強化した魔晶核製の霊魂結晶を持たせてあるので、多少死んでも問題はない。



 西方に大群を送り込んだ所で、私と一部の少数精鋭は東方をさっさと支配してしまう事にする。



 

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随時更新!『LDMワールズガイド』……ネタバレに注意!


永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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