第94話 組織スノーブラック 二
第四位階中位
ゲーム機は大型のクレーンゲームで取ったらしい。
パンフレットの地図によると、入り口がある南西はクレーンゲーム類が立ち並ぶエリアであり、南東は体感型のゲームが、北東にはGPを増やすギャンブル系のゲームがあって、北西には最新の試作ゲームがある様だ。
順番に回って行こう。
「ユーイチ、これ、美味しいですね」
「本当になぁ……」
久し振りに飲んだイチゴ牛乳は、心なしか記憶のそれよりも美味しく感じた。
◇
クレーンゲームエリアは中々に広かったが、どうにかゲーム機2台とマルチプレイ対応のゲーム『Island Monster』を入手した。
後は、幸せあにまるずと言う名の謎のぬいぐるみ、うさミンとねこミンをエミリーに取ってあげたくらいか。
ミンってなんだ。民族のミンなのか?
後で分かった事だが、幸せあにまるずと言うほのぼの系のゲームがあった。
そんなこんなでクレーンゲームエリアを抜け、ついたのは体感型ゲームエリア。
其処には、エアホッケーやモグラ叩き、シューティングゲームなどのゲームらしいゲームや、ダーツにビリヤード、それからバスケットとサッカーのゴールなど、スポーツ系の物があった。
どうやら奥にはボーリングなんかもある様だ。
おそらく、現地民にはルールが分からないとかそう言った理由でか、体感型ゲームエリアは殆ど人がいなかった。
そんな体感型ゲームエリアでは、港公国出身の亜人の人達が数人でボーリングを行なっていた。
「っ! ……よし、行け! ……しゃっ! 5本も倒せたぞ!」
『おぉ〜』
「次は俺の番だぜ! どぉりゃぁぁあ!! あ……」
『……』
「いやいや、もう一発……はぁぁあ!! あぁ……」
『……』
「はいはい次は私の番です。こういうのは投げるんじゃなくてね、転がすんですよ。……ふっ! ……しっ……! ……こんな風にね」
『おぉ〜!!』
何気にストライク出してる奴がいるんだが、初めてとは思えない程にプロっぽいのは何故だろうか?
まぁ取り敢えず俺が言える事は……球投げ飛ばしてピン倒すのはおかしいだろ。
次はギャンブルエリア。の前に……。
「ゴミ箱は……あれか」
飲み終えたコップをゴミ箱に入れ——
「……は、はーん。成る程?」
——入れたコップが消滅した。
何が成る程なのかは俺にも分からない。
◇
ギャンブルエリアは、スロットやトランプゲームが主なエリアだった。
ポイントが増やせるのは良い事だが、やはり此処にも人は殆どいない。
つまり、多くの人が新作エリアか遊技場以外の大広間にいるという事だ。
それじゃあ早速新作エリアに行ってみようか。




