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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十一節 火山の迷宮の攻略

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第6話 西の迷宮

第七位階中位

 



「ユィー」

「ユィユィー」



 ユイ違う。


 ……それはともかく、今僕がいるのは西の迷宮第4層。


 鍛錬島西の迷宮は、1層が広大な実験迷宮。2層がゴーレムを使った簡単な迷路迷宮。3層がゴブリンの研究迷宮。


 そして、新たに作られた此処、4層が——



 ——パフィ子育成迷宮である。



 森を中心に据え、その周りに草原、東に海、南東に墓地、南に岩山、南西に火山、西に砂漠、北西に湖、北に霊山、北東に氷海。

 中央の森に本拠地があり、そこから周りへパフィニョンを派遣して、耐性スキルを鍛え上げる。


 パフィ拠点にはこの迷宮の核が置かれており、少なくとも現時点でのプレイヤーによる攻略はほぼ不可能になっている。

 プレイヤーが自力で此処に辿り着く頃には、この階層はパフィ子キングダムになっているだろう。



 そんな訳で、やたらと懐いて来るパフィ子達を満足するまで撫で、今後の予定を考えるのであった。



「よしよーし」

「ユィー」

「ニュフー」

「ニャハー」





 さて、次にやって来たのは迷宮第3層。


 ゴブリン達の進捗状況を確認しに来たのである。



 ゴブリン達を作ってから2日程、その成果がこれだ。



ゴブリン・ドラゴンナイト LV40 状態:疲労



 結界の中に閉じ込められたゴブリン達は、僕の命令通り訓練を続け、特殊な魔物に進化していた。

 設置された『調和』『融和』『親和』の力を持つ3つの宝石のお陰で、竜王核から漏れでる魔力を効率良く取り込めたのだろう。


 レベル帯は概ね35〜40程。

 少しだけ竜属性の力を操る事が可能らしく、瞬間的にレベル60に匹敵する程の力を出す事が出来る。


 見た目は、身長こそゴブリンより少し大きい、小学校高学年くらいだが、粗末な腰布では隠せない程に筋骨隆々としている。

 手や足、背中などに鱗状の甲殻が現れ、爪が鋭く尖り、そして頭の左右に角が生えた。


 そんなゴブリン達の顔は、進化に伴い竜化が進行した様で、人間の出来損ないみたいな醜い顔から一転し、蜥蜴の出来損ないみたいな顔になった。


 人間から見て、人間に似通っているから醜悪な顔に見えるのがゴブリンだ。

 おそらく、今のゴブリン達は竜から見て醜悪な顔に見える様になっているのだろう。


 取り敢えず、新しく布の服と訓練用に刃を潰した鉄の武器を渡し、結界内の施設を拡張して新たな訓練メニューを追加した。

 どうやら知能も程々に上がっている様で、もはやゴブリンとは言えない様な有様になっていた。



 他の鬼人や巨人、ゴブリン達も、それぞれ訓練を積んではいるが、強力なアイテムの補助無しでは早々レベルも上がらないし進化もしない。

 竜化実験のエリア以外は特に変化の無い状況であった。


 停滞した状況を打開するには、相応の代償が必要だ。


 今回の場合は、この大広間が既に結界で閉じられているので、そこの魔力濃度をぐぐっと上げてやれば良い。

 やる事は簡単だ、大広間の中央に貯蓄結晶を設置し、魔力を放出させるだけ。


 あんまり濃度を上げても毒にしかならないので、弱い子達に合わせて少しだけ上げるに留める。



 後は……生の魚介を豪快に食べていたので、厨房を用意し、おまけで小さな農園を作った。



 一応彼らは、ダンジョンからエネルギーが供給されているので食事は不要だ。

 食品は嗜好品……とは言え、食事は生物にとって必須な行動でもある。


 わざわざ制限する程の出費でもないし、ちゃんと用意してあげるべきだろう。





 次は第2層。


 此処では、チェス君達の増殖具合の確認と鋼鉄獅子のアップグレードをする。



 チェス君達にねずみ穴を通って最深部へ向かう様命令し、僕は先んじて最深部の鋼鉄獅子部屋へと移動した。



 早速鋼鉄獅子の強化を始める。



 強化の方向性は、硬化。



 ただの鋼の巨大獅子である鋼鉄獅子に、硬属性を練り込んで硬鋼の巨大獅子へと進化させる。

 硬鋼は、属性鋼と精霊鋼の間くらいの魔法性能があるかなり強い金属だ。


 ここから更に硬属性を練り込み、金剛鋼へと進化させ、クリエイト・ライフで魂魄を補強する。


 出来たのがこれだ。



金剛獅子 LV230 状態:待機



 体高2mくらい、全長6m程にもなる強力な獅子型ゴーレムの誕生である。


 スペックは防御特化型ではあるが、スピードも生のライオンより早い。

 手足や口腔に精霊刻印(スティグマ)を刻んであるので、口からはブレスを吐けるし手足から突風を出して高速移動が出来る。


 その代わり、非常に重たい体を身軽に動かす代償として、自由に使える魔力量が少ない。



 基本的に、1つの生命体が持つ魔的エネルギーは4種類ある。


 1つは、自由に行使可能な魔力。


 2つ目は、肉体を維持するのに使われる生属性魔力。


  3つ目は、魂魄表面に存在する高濃度魔力。


 最後の1つは、魂魄の余白部分。



 1と2は肉体に宿っている魔力の事を指し、肉体の量や質が増すと込められる魔力量が増える。

 ただし、質の悪い肉体を増やすと、それの維持に必要な魔力と込められる魔力の釣り合いが取れなくなり、自滅する可能性がある。


  3は、使用しても問題無い魔力ではあるが、今まで見てきた進化の経験によると、この魔力こそが進化で消費されたエネルギーを一時的に代行する力だ。

 無闇に使用すると、進化後満足に体を動かすことも出来ないなんて事に成りかねない。


  4は言わずもがな。少しでも使用すれば体調を崩し、半分も使えば肉体と魂の繋がりが弱くなる。

 使い切れば定義上間違い無く死が訪れる。


 核が残っていれば転生くらいは出来るだろうが、核を守る余白部分が無くなれば外部の影響を直接受ける事になるのだ。

 余程強い精神力がない限り、徐々に記憶やスキルが消えて行き、やがては消滅するだろう。


 天帝竜はまさにその状態。

 神結晶に封じられていなければ、アンデットになっていたか消えていた筈だ。



 これらの内、ステータスに表示される魔力を示すバーは、1が該当する。

 つまり、本来行使可能な魔力は魔力を示すバーの数倍以上存在している事になる。


 ……まぁ、それを使えるのは一定以上の力を持つ者だけだが。



 のんびり金剛獅子を改造し、それが終わる頃には、最深部の部屋にチェス達全員が集まっていた。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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