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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十節 幽幻の森の攻略

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第33話 白の騒乱 八 高度な情報技術

第六位階上位

 



 フブキは母体を発見した。


 巧妙に隠蔽されていたそれを見抜き、繁殖体の中にいた母体を捕獲したのだ。




新種・パフィニョン・母体 LV84




 情報を集積していたであろう母体は、他のパフィニョンとは比較にならない程進化していた。


 具体的には、二本ずつの手足を持ち、二つの目玉状器官を備え、耳らしき穴と鼻らしき穴を形成しており、終いには口の様な穴が開いているのだ。

 おそらく内臓もあるのだろう。


 件の母体は、繁殖体の中でただのキノコのふりをしていた所を発見、捕獲した。

 子供がいやいやとする様に暴れて逃げようとするそれをがっしりと捕まえ、一時的に情報伝達の送信のみを遮断する。


 そう、これから僕がするのは、お話し。


 高い知能を有している様なので、ちょっと軽くお話しをしてみるのだ。





「ふむふむ」



 どうやら、彼女はパフィニョンの母体の中では比較的若い個体らしい。

 彼女が接続出来る相手は、同時に産み出された10体の同胞と彼女の親となる母体のみなのだとか。


 仮に彼女を『パフィニョン・クイーン』と呼ぶなら、彼女の親は『パフィニョン・アーククイーン』。

 そして核は『パフィニョン・エンプレス』が妥当だろう。



 そんな彼女らだが、どうやらその内情は一枚岩では無いらしい。


 例えば、核の指令によって眼球形成の情報は全パフィニョンが共有しているが、一方で鼻や耳などの器官の情報を持っているのは彼女とその同胞、親のコミュニティのみなのだとか。

 そして、実際に口を再現しているのは彼女だけらしい。



 それと言うのも簡単な話だ。順を追って状況を整理する。



 今、公都北西の森は1体のエンプレスを中心に5体のアーククイーンが支配領域を広めているらしい。


 1体のエンプレスは、5体のアーククイーンから送られてくる情報と経験を蓄積させ、何か作業の真っ最中なのだとか。


 5体のアーククイーンは、それぞれの支配領域を広げ、情報を収集している。



 1体は、流星山脈を担当し、寒冷地対応のパフィニョンを研究しつつ、スキル取得の為に大量のパフィニョンを寒冷地へ送り込んでいる。



 2体は、北西の森の更に奥で、今正に強力な外敵と戦闘中。

 対抗情報の組み上げ救援が引っ切り無しに来ている。



 1体は、今、迷宮都市へ攻撃を繰り返している。

 侵略と同時並行で戦闘を行なっているが、対抗情報の組み上げ救援は来ていない。



 そして最後の1体は、公都北から北東に掛けてを侵略中。


 北東は元々湿地帯だったが、今はとある理由(・・・・・)で津波が起き、後に残った塩分のせいで侵食が上手く進んでいなかったらしい。

 しかし、負けじと情報を収集し、強い塩分に対抗出来る侵略体の生成に成功したのだとか。


 そんなこんなで侵略している折に、途中で発見した人間達を撃滅、侵食して解析した様だ。


 人間を襲って情報を収集したのは、僕が今捕まえている個体。

 その情報を解析し、クイーン達に進化方法を伝達したのが、彼女の親であるアーククイーン。


 その結果、彼女は人間により近いパフィニョンへ進化出来たのだ。



 纏めると、


 北東方面のパフィニョンは、塩に強い人型パフィニョン。


 山脈方面のパフィニョンは、寒さに強い原種型パフィニョン。


 北西方面の2パフィニョンは、他より防御能力に秀でた原種型パフィニョン。


 公都方面のパフィニョンは、防御能力と侵食能力が高い原種型パフィニョン。


 そして中枢領域のパフィニョンは、それら全ての情報を取得しつつ、しかし何かの作業で演算能力を使い切っているので進化していない原種型パフィニョン。



 と、こうなる。



 彼女等は、ただのキノコに見えて、その実かなり高度な生き物だ。



 常に(ソフトウェア)更新(アップデート)してスキルを磨きつつ、(ソフトウェア)で対抗出来ない場合は(ハードウェア)更新(アップデート)して侵略する。


 彼女等は個々の演算能力には限界がある為、情報伝達を密に行う。


 場合によっては素材(エネルギー)を送信して端末を増量。(ソフトウェア)の更新スピードを上げたり。

 情報を送信し、共同で(ハードウェア)の設計図を組み立て、外因を克服する。


 (ハードウェア)更新(アップデート)すれば、外因に対する生存期間が向上し、経験を蓄積して(ソフトウェア)をより多く更新(アップデート)出来る訳だ。



 以上が、クイーンに成りすましてアーククイーンから収集した情報を纏めた物になる。



 僕としては、人間よりも彼女等の方が面白いと思う。

 しかし、現状の僕は人間側に親しい人も何人かおり、人類の敵になるには遅過ぎだ。


 非常に残念だが、パフィニョン達には一度(・・)滅びて貰う必要がある。



 やり方は、普通に倒すよりやり易い。


 情報分野は僕の領域だからね





 差し当たって行ったのは、新たな情報伝達用のパフィニョンの設計。



新種・パフィニョン・伝達体 LV50



 手篭めにした彼女を連れ回す事になるので、彼女の代わりに情報をやり取りするパフィニョンを設計した。

 これでしばらくの間アーククイーンを誤魔化す事が出来るだろう。


 また、この伝達体は念話で僕と繋がっており、取得したパフィニョンの言語を翻訳して僕へ送ってくれる様に作られている。

 ついでに、彼女の担当領域内に坑道の入り口があったので、順調に攻略中と言う誤情報を伝達しておいた。



 先ずは各エリアのクイーンを制圧する。



 何故直ぐにアーククイーンへ向かわないのかと言うと、それもまた簡単な話。


 アーククイーンの居場所が分からないからだ。


 情報伝達で居場所を探ろうと思ったが、菌糸を伝って真っ直ぐ進んで行った魔力が途中で不自然に消滅した。

 強力な隠蔽能力が、アーククイーンを中心に数キロに及んで魔力を隠蔽しているのだ。


 この隠蔽能力は、ハミリオン・エンペラーに匹敵する程強力な物だ。


 魔覚でなら居場所が分かると思うが、心器の一件で無駄に精神力を消耗してしまったので、いざと言う時の為に精神力は温存しておきたい。



 情報を含んだ魔力は菌糸を伝って真っ直ぐに進行して行く様なので、最低でも二箇所のクイーンを制圧して同時に情報を送信する必要がある。

 より多くのクイーンを制圧すれば、位置を正確に割り出す事が可能だろう。



 ……そしてそれはエンプレスの位置を割り出す際にも行う必要がある。



 先は長いが、ゆっくりとしていられる時間は無い。

 その上、僕が行動しているのがバレると、それに対抗して更に進化する危険性もある。


 慎重且つ迅速に事を運ぶ必要がある。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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