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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十節 幽幻の森の攻略

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第20話 血闘刻印

第六位階上位

 



 次に注目するのは、メィミー。



「えい! えぇいっ!」



 彼女が相対するのは、一匹のゴブリンナイト。



 ……いや、相対すると言うのは語弊があるか。


 何せゴブリン、地面に転がってるし。



「ふんっ、ふんぬぅ!」



 メィミーは今、ピクリとも動かず地面に転がっているゴブリンに、ひたすらナイフを振り下ろしている。


 別に死体を傷付けている訳では無い。


 ゴブリンナイトは生きており、尚且つ意識もちゃんとある……体が動かないだけで。



ゴブリンナイト LV20 状態:麻痺《大》



 これがメィミーの魔眼の力だ。


 対象を麻痺させる能力である。



 1度に使う魔力の量は、そう多くは無い様だ。

 もしかすると対象との力量差が影響しているのかもしれない。


 メィミーの魔眼は発動すると、右の赤い目に不可思議な紋様が浮かび上がる。

 そしてちょっと光る。


 その紋様は、見た所精霊刻印(スティグマ)の一種だ。


 しかし、僕の使う魔眼系スキルは眼球に精霊刻印(スティグマ)が浮かぶ訳では無く、ただ光るだけだ。

 かと言って、眼球に精霊刻印(スティグマ)を刻んだ訳でもなさそうである。


 おそらく、必要に応じて精霊刻印(スティグマ)を出したり消したりしているのだろう。

 つまり、通常の魔法詠唱と同じである。


 ……でも、失礼ながらメィミーがそんな器用な事を出来るとは思えない。

 何か面白いカラクリがある筈だ。





「ふむふむ……」



 発動状態を良く観察すると、やはり面白いカラクリがあった。

 どうやらメィミー、魔導核(マギステルコア)の様な物を持っているらしい。


 マントの裏地に縫い付けられた隠しポケットに、それが入っている。

 ……どうやらメィミー、気付いて無い?

 何故魔眼が使える様になったか知らない様だ。




血闘刻印核(スティグマータコア)・竜の目 品質A レア度6 耐久力A

備考:血闘刻印(スティグマータ)を発生させる(コア)霊獣級(サークレッド)




 鑑定して見た所、魔導鎧(マギステル・アーマー)の亜種の様な物だと言う事が判明した。


 魔導鎧(マギステル・アーマー)と違う点は(コア)の重要度か。


 魔導鎧(マギステル・アーマー)(コア)に様々な機能が盛り込まれているが、最悪(コア)が無くても鎧を動かす事は出来る。

 しかし、血闘刻印(スティグマータ)とやらは、全機能を(コア)に依存している様だ。


 利点は、触媒が不要な点だろう。


 魔導鎧(マギステル・アーマー)で強力な魔法を発動するには、強力な魔力の発動に耐えられる素材に魔法機構を刻む必要がある。

 強力な素材は入手も困難だが、それに魔法機構を刻むのもまた困難。


 魔導論者マギステル・ロジカリストのスキルでは、魔導核(マギステルコア)に魔法機構を刻む事が出来ても、魔導外装(マギパーツ)を作る事は出来ないのだ。


 ただ、どちらが優れているかと言うと、それは何方とも言えない。


 同格の魔導核(マギステルコア)血闘刻印核(スティグマータコア)ならば、外装(パーツ)に魔法機構を刻める分魔導核(マギステルコア)の方が有利だ。


 これは、1度作ってみる必要があるだろう。



 纏めると、



血闘刻印核(スティグマータコア)は、魔力を大量に使用して複雑な精霊刻印(スティグマ)血闘刻印(スティグマータ)を描く事が出来る。


血闘刻印核(スティグマータコア)は、魔導核(マギステルコア)とは違い、(コア)に全ての情報が入っている。


血闘刻印核(スティグマータコア)は、魔力がある限り幾らでも強力な魔法を使う事が出来る。魔法使用の上限は(コア)の強度による。



 これらの事を纏め、血闘刻印(スティグマータ)魔導鎧(マギステルアーマー)の違いは、



血闘刻印(スティグマータ)は外装がいらない。


血闘刻印(スティグマータ)は瞬間的な出力が高い。


血闘刻印(スティグマータ)は魔力の消費量がバカみたいに多い。


血闘刻印(スティグマータ)はその性質上、精霊を消費(・・・・・)して稼働する。



 最後の一つは、既存の血闘刻印核(スティグマータコア)を解析してみないと何とも言えない。


 しかし、その構想は正に、大気に漂う精霊を消費(ころ)して膨大なエネルギー得る物だろう。

 魔力の消費量が膨大なのも、設計思想がそれであるからだと考えられる。


 故に、宝珠(オーブ)クラスの(コア)が無くとも、同程度の出力を出す事は出来るだろう。


 ……まぁ、そんな事をすれば大いに環境を破壊する事になり兼ねないが。


 上手い事調整すれば、精霊を消費せずに膨大な魔力を得る事が出来るだろう。

 今後の事を考えると、なるべく早めに研究、作成した方が良い。



 尚、メィミーの使っている血闘刻印(スティグマータ)は、周辺の精霊を消費せず、搾取するだけに留まっている。

 理由は単純に、メィミーが血闘刻印核(スティグマータコア)を完全に扱えていないからだ。


 何故メィミーが少しでもその力を使えるのかと言うと、それはマントのおかげである。

 マントの裏地には精霊刻印(スティグマ)では無い魔法機構が描かれており、血闘刻印核(スティグマータコア)の力をほんの少しだけ引き出す事が出来る様になっている。



 ともあれ、血闘刻印(スティグマータ)の研究は戦い(これ)が終わってからだ。


 次は誰を見ようかな?



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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