AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 四十九
第三位階上位
上級ポーション
備考:上級のポーション。体力《小》回復。
上級マナポーション
備考:上級のマナポーション。魔力《小》回復。
焔の小剣
備考:火精石と魔鋼で作られた小剣。小火弾の魔法陣が細工されている。
付与効果
《小火弾》
《火耐性》
爆炎の矢
備考:火精石と魔鋼で作られた矢。爆発の魔法陣が細工されている。
付与効果
《爆発》
手に入れたアイテムを分配しストレージにしまう。
夕飯までの時間的にはギリギリでボスと戦えるだろうし、性能の確認は後だ。
「よし、行こうか」
「おう!」
「はい」
「ええ」
「行きましょう!」
中ボスも残すところ一匹。
少々ポーションが心許ないが、まぁ、最初から当たって砕けろだ。
どんどん行くぞ。
◇
「これで終わりっと、余裕だったな」
アランが振り下ろした大剣は、機動力を奪われた赤い大鷲の首を両断し、その命を容易く奪い取った。
大鷲は遠距離攻撃とスピードに特化している分防御力が低い様で、アマネさん程の弓使いならここでは殆ど無双出来る。
それとアマネさん、どうやら巨大な鳥を撃ち落とすのがお気に召した様で、終始笑顔で弓を引いていた。
ともあれ、遠くに見える門に6つ目の赤い光が灯るのが見えた、これでボスと戦う事が出来る訳だ。
「ボス戦ですね」
「心の準備は万端です!」
「ふふ、火はもう大丈夫そうね」
女子も問題ない様なので、さっさとボス戦に挑むとしようか。
門がある場所は火口の目の前、背後に噴煙を上げる山頂が据えられているのでかなり雰囲気が出ている。
その門に触れ、開いたところで昇降機に乗り込む。
全員が乗り込んだのを確認すると、問題無く昇降機は動き始めた。
《【探索クエスト】『火の迷宮を踏破せよ』をクリアしました》
【探索クエスト】
『火の迷宮を踏破せよ』
参加条件
・火の迷宮を探索する
達成条件
・火の迷宮を踏破する
失敗条件
・無し
達成報酬
参加者報酬
・スキルポイント3P
・貨幣:魔力10,000
参加者貢献度ランダム報酬
貢献度18%
・道具『火爆石』×2
・道具『火破石』×4
エクストラ評価報酬
駆逐
初四元素迷宮踏破
・スキルポイント7P
・評価点+
・スキル『英雄の欠片』
《【伝説クエスト】『??の仮試練』が発令されました》
【伝説クエスト】
『??の仮試練』
参加条件
・ボス『プロミネンスイーグルの幻影』に招かれたもの
達成条件
・?
失敗条件
・?
主な出現魔物
・プロミネンスイーグルの幻影
「なぁタク、なんか俺四つの迷宮をクリアして無いのに踏破した事になってるんだが」
「私もです!」
「何故でしょうか?」
「あら? 私だけ仲間はずれって事かしら」
どうやらアマネさん以外の三人も四元素迷宮踏破と言うのが表示されたらしい……何故だろうか?
アマネさん以外の四人に共通している事は、一番最初の風の迷宮を踏破した事……そういえば、一度もパーティーを解散した事は無かったな……そのせいか?
英雄の欠片と言うスキルにどんな効果があるか知らないが、アマネさんにも取得して貰った方が良いだろう。
後で他の二つの迷宮も踏破しよう。
しばらくすると赤い壁が途切れ広大な闘技場が見えてきた。
其処にいたのは俺の身長の2倍以上ある巨大な鳥。
鉤爪は鋭く、吐く息には炎が混じっている。
しかし何故だろうか? こいつとは戦わない気がする。
セナはあまり警戒せずにキョトンとしているし、アマネさんは弓に矢を継がえているが、それを構えるでもなく鏃は地面を向いている。
特に襲い掛かってくる事なく、此方を睥睨している鳥と睨み合う事しばらく。
昇降機は地面に到達し、そこで止まる事なく更にその下へと下り始めた。
何故だが感じる物凄いデジャブに困惑しつつも、誰一人喋る事なく昇降機は進んで行く。
この先には多分……化け物みたいな強者がいる……。
何故だがそんな確信があった。
果たして、地の底に繋がっているかの様に続いていた赤い壁は、唐突に途切れた。
視界に入ってきたのは広大な闘技場。そして、炎そのものの様に燃え盛る巨大な鳥。
炎の鳥は猛火の如き翼をはためかせ優美に宙を舞いつつ此方を見下ろしている。
叩き付ける様な激しい戦意が響き渡った——




