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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第六節 大海魔の攻略

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AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 三十

初期の試算『三十は掛かる予定です』を修正。

現時点で五日目・昼となっておりますので今の倍、六十は掛かる計算になりました。


ユキの歩みを見たい方には大変申し訳なく。



第三位階上位

 



 ふと気付くと噴水の前に立っていた。


 勝って直ぐに移動させられたらしい。

 相変わらず意識に空白が生まれるこの仕様は慣れない。


 頭を振って感覚を慣らしつつ周りを見ると、セナ以外の四人が頭を振ったり額を抑えたりしていた。



 水のモンスターと戦ったからか、少し寒気がする。



 時間を確認すると、もう直ぐ昼飯の時間だ。



「とりあえず午前は此処までにしておこうか」

「そうですね! もう直ぐお昼です!」

「悪いな。今日は午後特に用事はないから食い終わったら直ぐに来れるぞ」

「私も午後は用事はありませんから直ぐに来れます」



 後はアマネさんか。



「アマネさんはこの後——」

「——私も同じ——」




《《【緊急クエスト】『蟹行軍』が発令されました》》



《《


【緊急クエスト】

『蟹行軍』



参加条件

・ボス『キングクラブ』率いる蟹の群れと戦う



達成条件

・ボス『キングクラブ』率いる蟹の群れを殲滅、撃退する



失敗条件

・無し



・備考

 南の海より蟹の大群が現れた。これを殲滅、撃退せよ。

 〔01:59:58〕



主な出現魔物

・キングクラブ

・クイーンクラブ

・ナイトクラブ

・キラーシザークラブ

・グレイトシザークラブ

・ビックシザー

・プチシザー



》》




「……午後から蟹狩りのようね」

「……こう言う形でクエストが出る事もあるんだな」



 メッセージの内容を見るに、蟹の大群とやらが此処に辿り着くまで後ニ時間ある様だ。



「じゃあ全員、昼飯を食ってから差し支え無ければ此処に集合としよう」

「了解」

「はい!」

「分かりました」

「ふふ、ランチはジャンクフードになりそうだわ」

「それじゃあ解散」





 リビングに降りると、既に昼飯は出来ていた。


 相変わらず美味いそれを掻き込む様にして食う。



「タク、夕食は何が良い?」

「何でもいい」



 ユキの作る物なら何でも良い。美味いしな。


 それに——



「そう……じゃあハンバーグにしようか」



 ——俺の食いたい物を作ってくれるしな。



「……ところでユキ」

「む?」



 さっきからずっと気になっていたが……。



「その格好は……?」

「ああ、これ」



 そう言いつつ、ユキはスカート(・・・・)の裾をちょこんと摘んで持ち上げた。



「ユリちゃんがこれを着た方が良いって」



 上から下まで女物の服、スカートとハイソックスの間からユキの色素が薄い肌が見えている。



「昨日わざわざ言って来たのか?」

「ううん、今朝」

「電話……!?」

「いや、昨日から泊まってるんだよ。この服はユリちゃんの服、ちょっとぶかぶかだろう?」



 ある場所の生地を引っ張りながらそう言うユキ。


 そりゃ、ユリちゃんは歳の割に発育が良いし、ユキは真っ平らだからそこの生地は余るだろうよ。つか、見えそうだからやめろ。


 ……しかし……ユリちゃんがユキの家に泊まった? 二人っきりで? …………。




「……ユキ、何かされてないか?」

「? 特に何も」

「……そうか」

「どうしたの?」

「何でもない……」



 大丈夫なのか……? 心配だ。



「ふむ……強いて言うなら朝、起きた時にユリちゃんが僕の上で寝てた事くらいかな。女性に対して言うのも何だけど、重いからかすごく汗かいたよ」



 ……まじか……絶対に何かされてるぞ……。


 ユキはふと、何かに気付いた様に自分の匂いを嗅ぎだした。



「くんくん……服を着てるだけにしては肌からユリちゃんの匂いがするんだけど……特に何かされた訳では無いと思うよ?」

「いや……まぁ……良いならいいんだ」

「?」



 舐められたりしてたんだろうなぁ……。


 身内の女はみんな肉食系だからな。

 俺からユリちゃんに注意しとこうか。





 ログインするとユリちゃんは既に公園に来ていた。



 俺と目が合うとニコッと微笑んだユリちゃん……何か怒ってね?



「お、おう、ユリちゃん早い——」

「遅かったですね、ユキさんと(・・・・・)一緒に(・・・)、お昼を頂いていたタクさん」



 ……なるほどー……。



「ええ、ええ、ユキさんの手料理は美味しかったですよ。それでタクさん、ユキさんと一緒に食べるユキさんの手料理は美味しかったですか? 美味しかったでしょうね」



 と言う訳だ。

 悪いのは俺じゃなくてユキだろうに……。



「いや、俺に当たるなよ……」

「タクさんに嫉妬しているのですからタクさんに当たるのが道理ではないでしょうか?」



 そう言う見方か。

 まぁ確かにユキを叱り付ける事が出来るのはユキのお母さん、サトリさんくらいの物だが。



「……人に当たるなよ」

「私を差し置いてユキさんと一緒に昼餉を食べるタクさんは人ですか? 鬼や畜生の(たぐい)ではなく?」

「鬼畜はやめてくれ、外聞が悪い」



 鬼畜なんて噂が立ったら即効でユキとの関係を疑われるだろ。



「ロリコン死すべしっ、例外はありません!」

「それは自殺宣言か? ユキをペロペロした変態さん」

「ぺ、ペロペロ何てしてませんっ!」

「ん? 何処からかユキの匂いが……」

「っ……その手には乗りませんよ。そもそも朝から既に何時間も経っていますから匂いなんてする筈もありません」

「ん? 何が朝からなんだ?」

「っ!?」

「あ、これゲームだったからユキの匂いなんてしなかったわ」

「っ!!?」

「……ユキが無防備だからってあんまし勝手ばっかりしてやんなよ?」

「…………」



 コクリともしねぇんだよなぁ……。皆して。



「返事は——」

「もっどりましたー!」

「……おっと、タク、戻ったぜ」



 確証を得る前に二人が来てしまった。


 まぁ、仕方ない、確証なんてとってもユキを目の前にすればどのみちパァだ。


 ユキの自由にさせようか。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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