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ハーレムへの選択肢  作者: ひなた
放課後の教室
39/223

 学校での天沢さんは、完璧という設定なのだから、変態ゲーマーであることは隠さないといけない。

 だから彼女としても、そうせざるを得なかったのだろう。どうしよう。


 ①咎める ②恍ける ③頷く


 ーここも③を選ぶようですよー


 余計なことを言ったら、天沢さんを困らせてしまうから、俺は頷くことで肯定の意を示した。

「放課後、校門を出たところで待っていて下さい。六時半までに行けるようにします」

 困っている俺を見て満足そうに笑うと、天沢さんはそう告げて去っていってしまう。

 六時半か……。部活動に入っていない俺にとっては、かなり遅い時間だし待っているにはかなり辛いし、でも天沢さんは待っていろと言っているし。

 どうしたら良いのだろうか。

 校門を出たところでずっと待っているなんて、怪しまれはしないだろうか。

 春香ちゃんのように、俺のことをおじさんだと思う人だっている。

 おじさんだと思われたならもう、高校の校門に立ち続けている怪しい人でしかない。

 不審者として、通報されるかもしれない。

 もう少し時間を早く、と思うけれど天沢さんにだって都合はあるんだろうし。どうしよう。


 ①もっと早い時間 ②もっと遅い時間 ③要求を飲む


 ーここも③となりますー


 俺よりも忙しい天沢さんなのだから、今日の六時半以降しか時間が開いていなかったのだろう。

 だとしたら、俺は天沢さんに従うしかないのか。

 彼女がドS好きだとはわかっていても、俺がそんな態度を取っても、腹を立てさせて終わりだろうからね。

 もう天沢さんはいなくなっているし、探し出して時間を変えさせるなんて無理だし。

 うん。天沢さんに会えるのだと考えたら、あの美女と待ち合わせているのだと考えたら、一人で待つ二時間も長いものじゃない。

 全然、全く孤独なんかじゃないし。寂しくなんかならないし。

 だって天沢さんとデートをするんだから、それくらいの代償は当然だよね。


 どうせ六時半まで天沢さんがこないのなら、すぐに教室を出て行く必要もあるまい。

 教室で勉強でもしていれば、ときどきゲームでもやっていれば、あっという間に時間なんて経ってしまうだろう。

 そう思って、教室に残って勉強をし始めた。

 提出物もきちんと期限通りに、完璧の状態で提出したし、この感じでいったらかなり成績が良くなっちゃうんじゃないかな!

 調子に乗らないで、次のテストも頑張らないとだもんね。

「教室で一人お勉強なんて、真面目だね~」

 声を掛けられたので、驚愕してそちらを見る。確認してみれば、時刻は五時十分。

 待ち合わせまではまだ結構の時間がある。どうしよう。


 ①無視 ②困る ③笑う


 ーここは②でしょうかー


 俺に話し掛けてくれたのは、松尾クリスさんである。

 同じクラスではあるのだけれど、同じ空間にいるとは思えないほどに、いつも輝く存在である、クラスのマドンナ的な美少女だ。

 彼女がどれだけ人気であり、ファンも数多くいるということくらいはさすがの俺も知っている。

 輝きが眩しすぎてあまりまっすぐは見られないけれど、可愛らしいなぁ、とは思う。

 ハーフか何かなのか、ヨーロッパ系の顔立ちが、美しいその存在感を示す。

 大きくて丸い目はぱっちり二重、瞳の色は透き通ったパステルブルー。その周りを縁取る睫毛は長く、人形のようだ。高い鼻も、日本人離れしたその容貌によく合っている。

 唇は薄く整った形をしていて、ここで和を象徴するかのような、美しい桜の色をしているのだ。

 肌は白く、触れてみたいと、あるいは展示しておきたいと思うような美しさ。

 髪はふわりと柔らかそうで、少しカールの掛かった金髪。前髪は眉毛に掛かる長さ、後ろ髪は肩甲骨くらいまでの長さだろうか。

 スタイルは幼気な彼女の顔に合った、そこそこの幼児体型。

 とはいっても、完全に真っ平らなわけではなく、そこそこの幼児体型なのである。

 身長は見た感じだけれど、百六十に届かないくらいではないだろうか。

 男性ものの学園恋愛ゲームをプレイしていると、必ず一人はいる典型的な金髪の美少女。いいや、ゲームではなくてアニメにも、一人はいるタイプの美少女だろう。

 それも、可愛い系ね。

 金髪の女性には、巨乳美女と、ロリ美少女があるから。

 綺麗系ではなく可愛い系の金髪美少女。それでも大人っぽい美しさがどこかにあるような気がするから、男子生徒たちを魅了するんだろうね。

 本当に可愛らしい子だから、ファンになる気持ちもよくわかる。

 別世界に住んでいるかのような可愛らしさだから、彼女にしたいとは思うこともなく、アイドル的に見てファンとして応援していきたいのだろう。

 そんな存在の彼女に、声を掛けられてしまっても俺は困ることしか出来まいよ。どうしよう。


 ①逃げる ②話す ③追い返す


 ーここも②を選びましょうー


 彼女が時間を許すならば、彼女との会話を楽しみたい。

 たった一度で良いから、彼女と会話を交わしたいと思っていたんだ。会話とは呼べないような、そう、それはたとえ挨拶だとしても構わないから、一度だけね。

 だってこんないかにもな美少女、中々いないからね?

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