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第14話:液状

 運営様よりR18指定を受けたため、大幅修正をいたしました。(2019年3月3日ひなまつり)


 元の小説は修正作業が終わり次第、『ノクターン』に掲載予定です。



 それはある朝のこと。


 いつものようにイングリッドの寝室にて、夜と朝の境まで激しいチュッチュによって疲れ果てたイオリーンとハルカトーゼが、ベッドから目を覚ますと、二人の間には巨大な繭があった。


 ……なんで繭?



「何よコレ?」

「繭だと思う」


 いたってシンプルなハルカトーゼの答えに、見れば分かると返すイオリーン。


 繭のある場所――二人に挟まれる位置には、昨晩までイングリッドが寝ていたはずなのだが、姿は見えない。となるとこの繭こそがイングリッドなのだろうか?


 謎の繭を叩いたり舐めたりしていると、リビングからクラミルが朝食を持ってやってくる。



「三人とも、朝ご飯の準備が出来ましたよー♪

 今日の朝ごはんは、毎度お馴染みパパスコ社の『シュー生地の美味しいパン』ですよー♪

 しかも、生チョコ味と濃厚ミルク味の二種類をご用意しました♪」


「私は濃厚ミルクね」

「生チョコ」



 起きてすぐの美味しそうな洋食。クラミルの用意した中から今の気分にベストチョイスなパンを素早く選ぶ二人。


 イオリーンはイングリッドの分泌する触手液を吸うのが好きなため、ミルクは彼女の定番。


 ハルカトーゼはロボットであるため、オイルなどを定期的に摂取しており、色がミルクよりはチョコの方が似ているのでチョコ派である。ちなみにイングリッドの触手液は体表に塗りたくられるのが好き。


 触手の力で劣化した部品を修理されたからか、ハルカトーゼとイングリッドの相性は更によくなったようだ。



「で、クラミル。朝パンのチョイスはともかく、ベッドに繭があるんだけど。

 イングリッドの姿も見えないんだけれど、この繭がそうなの?」


「あ~、それですか。

 イングリッド様は触手型クリーチャーの血を引いているので、定期的に繭に籠って体細胞を作り直しているんですよ。

 一応言っておきますと、無理矢理こじ開けようとすると液状化したイングリッド様が出てくるので繭を壊さない方がいいですよ。

 死にはしませんけど」


「(モグモグ)」



 ベッドの上で朝食のパンを食べ始めるハルカトーゼはさておき、クラミルの淡々とした口調。


 イオリーンは、クラミルの「壊さない方がいい」という発言から、別にこれを壊してしまっても構わんのだろうと判断し、ついつい破壊衝動を抱いてしまった。


 いつもいつも自分が良いようにされてばかりなので、ちょっとしたお返しのようなものだ。


 このことが、まさかあのような結末につながるとは夢にも思わなかった、と続くことになるのだが、それはイオリーンの洞察力が未熟であるが故だろう。


 当然のように、イオリーンは繭を破壊したのだ。バールのような物を突き立てることで。



「あ……」


 クラミルが異変に気づいて止めようとしたが、時既に時間切れ。

 割れた繭からはドロドロとした緑色の粘度の高い液体が流れ出てくる。


 聞いていた以上に液状化したイングリッドはスライムもかくやという有様であり、死にはしないと聞いていても「やっちゃった!?」と衝撃を受ける程の驚きを受けるのだった。


「ひゃうわぁ!?」


 突如、ドロドロの液体は意志を持ってイオリーンに襲いかかった!


 液状である為、ぶつかったところで痛みはないし、酸でもないので肌が焼けることもない。


 しかし、この液体はイングリッドなのだ。

 体細胞を作り直している間は原生生物めいた知能の低さ、というよりは一番強い欲求――愛に支配された行動を取る。


 おお、見よ! 自我の希薄な状態とはいえ流石のイングリッド!!

 瞬時にイオリーンの全身を包み込むと、顔とも分からない部分がほっぺにチュッチュしまくっていくではないか。


「んぅ、こら離しなさいよイングリッド~!」


 何処からかは、あえて説明しないがイオリーンは寝起きであり、パジャマも着崩れている。つまりは可愛らしい! 美少女のイオリーンが、だ!


 そんな状態でイオリーン好き好きの権化にして百合の猛者たるイングリッドに包まれれば、まるで全身が敏感に刺激され燃えるもの。

 イオリーン自身も興奮してきてしまう。


 全身を優しくマッサージする液状イングリッドが進入する。



「(嘘……、私感じちゃってる!?)」



 寝汗や皮脂までが食べられていく本能のままのイングリッド。まるで子供のようにイオリーンに甘えてくるその様は、可愛らしくさえある。


 イオリーンの全身を這うようにしてチュッチュし、全身の感覚全てをプルプルと震わせて感激する液状イングリッド。


 どうやら、このような姿になっても彼女は自分のアイデンティティを見失っていないのだろう。

 きっと口があれば「美味い!」と叫んでいたに違いない。


 溢れる傍から吸い尽くされ、そうして時間にして10分ほど。


 寝汗も吸い尽くされ、寝起きの体をまんべんなく洗うがごとく、イングリッドはイオリーンの体表をかけ巡った。


 そうして、イオリーンの体感時間で言えば10時間ほど経った頃、行為は終わりを迎えた。



「ふへぇ~……」


「あ、ようやく終わりましたね。

 だから言ったじゃないですか。やめた方がいいって」


「軽率」


 ベッドの上で朝食を食べ始めていたハルカトーゼのため、朝食パンのおかわりを両手に持つクラミルは感想を言う。


 まったく、この展開を予想していたのならもう少しきちんと止めればよかったのだが、イングリッドの従者という時点で想像がつくだろう。


 クラミルもまた、いたずらが大好きなのだ♪


 液状イングリッドから解放されたイオリーンはそのままベッドにうつ伏せに倒れると失神。

 全身をチュッチュぺろぺろされ、普段とは違った愛され方に心身共に疲れたのだろう。幸せそうに白目をむいている。


 そしてイオリーンの体を堪能した液状イングリッドはと言うと、



「ワタシ、参上!」



 何事もなかったかのように体を固めていき、そこには圧倒的質量の胸を、重力を無視して張る普段通りの彼女の姿があったのであった。もちろん復活したばかりなので全裸なのだが、すぐに普段着のビキニを着こむ。



「イングリッド様は生チョコと濃厚ミルク、どちらにします?」


「両方だ♪」


 ベッドに倒れたままのイオリーンに毛布を掛けてあげると、寝室に持ち込まれたテーブルセットの椅子に、飛びあがってダイナミック着席。


 その時、クラミルが濃厚ミルクを、ハルカトーゼが生チョコの「美味しいシューパン」を投げ渡したものを同時にキャッチする。


「うん、やっぱりクラミルが買ってきてくれたしてくれるパパスコ社のパンは美味い♪」


「お褒めにあずかり感謝の極み♪」


「(モグモグ)」


 三人は愉快に朝食を食べ、一人朝食を食べられなかったイオリーンだが、その寝顔は何とも満たされた顔をしていたそうな。


 チャンチャン♪


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