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挿絵(By みてみん)


フリンジとエンドでユーウェインの森を探索させたところ、森の中で結構な数の魔物が繁殖している事が分かった。

エルフのツガイの木はまだ見つけていないけれど…この規模の森なら20本くらいはあるのかなと思う。


自力で全てを見つけるのは大変なので、どうせ森に勝手に棲みついているであろう森番エルフを探し出し、ソイツらを監視させれば、ソイツらが見つけている分の木は見つかる筈。


しかし、広い森の中、魔物も人も敵を警戒して足音を潜めて活動している。

森番を見つけたら全てのツガイの木を見つけるのは秒読みに入るが、森番を見つけるまでが長い。


とりあえずは、ツガイの木を1本見つけておかなければならない。

森番エルフは一つの森を二、三ヶ月かけて巡回している。

ツガイの木を1本見つけておくと、二、三ヶ月のうちに森番エルフが巡回して魔道具の魔石を交換しに来る。


使い魔は基本的に

「自分自身の身を守る行動」

だけは指示しておかなくても自動でやってくれるが…

それ以外の行動には全て指示が必要。


使い魔には

「ツガイの木の魔道具の魔石を取り替える人の後を尾けて住まいを見つけろ」

と指示しておかねければ

「ただ見ているだけ」

となる。


感覚共有も『監視の魔法陣』も、後からこちらが出したい指示を使い魔へ届けてはくれないのだ。

なので全ての指示は

「使い魔を送り出す時に」

しておかねければならない。


基本的に

「探索は日帰り」

「真っ暗になったらオグデンの森へ戻り、そこから私の元へ戻って来るように」

という指示は毎回欠かせない。


そうした指示を忘れて送り出すと指示された事柄だけを延々何日も実行し続ける。

なので別の使い魔に

「戻って来いと伝えろ」

とメッセージを託して遣わすと、やっとそれで戻ってくる。

(他の使い魔を通じた指示伝達は可能)


一旦、手元を離れると、使い魔達にどんな事態が降りかかるのか分からない。

その点を考慮して指示を与えておく必要がある。

(そのうち「遠距離テレパシー」の魔法陣でも仕入れたいところだ)


面倒なのは

「森に入るのはエルフだけじゃない」

という事。

木こりや冒険者、盗賊も森に入る。

不可視の使い魔には森に入る人がエルフか否かの区別は付かない。


北部に盗賊はいないが、南部・東部南方・西部南方には結構な数が生息しているのでイレギュラーが多い。

テント暮らし、馬車暮らしでも凍死しない地方では盗賊を駆逐する事は本当に難しい。


しかしそれなら

「寒い土地なら盗賊の脅威が無いのか?」

と言えば、そうでもない。


ダゴネットの森がある西部北方は家内でも薪が不足すれば凍死者が出るような土地柄だが…

そういう土地柄だと盗賊団は「村毎乗っ取る」ような略奪へ走る。


森の中にある木こりや木工職人の集落は、そうやって全滅させられて

「密かに盗賊の棲家に変わっていた」

という事件がこの国では過去に何度も起きている。


その点は北部が異常なのだ。


特にローガン伯爵家の領地がある北部西方では、盗賊が集落毎乗っ取るような真似をしたら…

盗賊団全員、女子供に至るまで車裂きの刑にされるという話だ。

斬首や絞首刑のような、直ぐに死ぬ刑と違って、車裂きの刑はそれ自体が拷問。

まさに地獄絵図が展開されるのだという…。

(そこまでしてきたから盗賊が二の足を踏む土地柄になったのだと言われる)


そうした苛烈な仕打ちはヴァンパイアハンターに対する返り討ちもまた同様。

ローガン家の吸血鬼達は北部吸血鬼の中でも特に排他性が強く、自領から離れる事もない。

そして入り込んできた外敵への粛清は凄惨を極める。

超加速を100倍で使いこなせる化け物が十数人控えていて、尚且つ身体強化や攻撃耐性の倍率も2倍とか4倍とかではなく10倍。

(話に聞く所ではローガン家の吸血鬼達は回復力が低いのだけが唯一の弱点なのだという)


ローガン家の吸血鬼に達は侵入してきた外敵を瞬殺できる力が充分過ぎる程に有るのだが侵入者を瞬殺はしない。

何故瞬殺しないのかは、当然、地獄を味わせながら処刑するため…。


彼らは自領から出ないので自領以外の人間達にその存在を知られてもいないが…

残虐さで言うなら、亜人というよりは魔物に近い。


エルフがファレル家やモルガン家の吸血鬼ばかり狙うのはローガン家の吸血鬼を狙うリスクが半端ではないからだ。

そもそも情報が無い。


不気味だ。

同じ吸血鬼から見ても怖過ぎる。関わり合いになってはいけない。

 

ともかく北部のような異常な土地柄以外では盗賊はどこからともなく湧いてくるもの。


(ここは私の森なのに…)

とエルフにも盗賊にも腹が立ってくる。


それにしてもなかなかツガイの木は見つからない。


(今日は見つからないみたいだな。まぁ、初日だし…)

焦る必要はない。


これまでもツガイの木を1本見つけるのに一、二ヶ月かかっていた。

そこで待ち伏せて森番エルフが来るのに二、三ヶ月。

森番エルフが全ての木を見て回るのに二、三ヶ月。

平均半年かけて、その森のツガイの木の所在を全て把握するという事をしてきた。


超加速による攻撃に対して自動展開する障壁は間に合わないという事は明らかになっている。

いずれ使い魔に超加速をかけて攻撃して回るという手段で一斉粛清する日が来るのかも知れない。


エルフ達のツガイの木の位置を把握しておく事は保険のようなもの。

じっくり手間をかけて位置把握した方が

「苦労した」

という怒りが溜まるので…

いざという時に思いきりよく木を攻撃できる気がする。


(今日はもう日が暮れてる。そのうち夜目が利かなくなってフリンジとエンドも帰って来るだろう…)


この森に関しては森の中の集落跡や城砦跡にも興味がある。

集落の家々や城砦が破壊されているのは

「盗賊や魔物に棲み付かれないように」

という配慮ゆえだろう。


(過去の人達がどんな暮らしをしてたのか気になる…)

ので、先ずは集落跡や城砦跡を探索させてみても良いのかも知れない…。



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