第一話 何も起こらないまま、死にました
星の数ほどある作品の中からこのページまでたどり着いて頂き、ありがとうございます!
この作品は、私にとっての処女作です。
正直に言うと、これまで書き物らしい書き物をしたことはありません。
文章の力も、構成の腕も、自信はまったくありません。
それでも、ふと思い立ったのです。
「書きたい」と。
考えに考えた末ではなく、突然の衝動でした。
だからこそ、この気持ちを形にするために、こうして投稿することを決めました。
未熟な文章かもしれません。拙い表現も多いかもしれません。
けれど、この作品には、私が初めて文字にした小さな想いが詰まっています。
どうか、その気持ちだけでも受け取っていただけたら嬉しいです。
朝霧ミツキは、自分の人生を「単調」だと思ったことがなかった。
朝は決まった時間に起き、同じ電車に乗り、同じ席に座る。
職場では淡々と仕事をこなし、定時になれば帰る。
特別な成果もなければ、大きな失敗もない。
不満がなかったわけではない。
けれど、それを口にするほどの熱意もなかった。
――今日も、昨日の続き。
そう思いながら歩いていた通勤途中、
視界がふっと暗くなった。
次に意識を取り戻したとき、
ミツキは柔らかな草の上に寝転んでいた。
鼻先をくすぐる、青い匂い。
空は高く、どこまでも澄んでいる。
「……え?」
声は、思ったよりもしっかり出た。
身体に痛みはなく、頭もはっきりしている。
ゆっくり起き上がると、自分の服装が変わっていることに気づいた。
スーツではない。
見慣れない、素朴な布の服だ。
周囲を見回す。
なだらかな丘の向こうに、小さな村が見えた。
木造の家が並び、煙突から細い煙が立ち上っている。
音が、ない。
車の走る音も、アナウンスも、人を急かす気配も。
「……静か」
その瞬間、不思議なほど冷静に理解した。
「……ああ。私、死んだんだ」
恐怖はなかった。
悲しみも、後悔も、強くは湧かなかった。
神の声も聞こえない。
使命を告げる存在もいない。
スキルやステータスの表示も、当然のように現れない。
あるのは、穏やかな風と、
遠くから聞こえる、誰かの生活音だけだった。
――何も、起こらない。
それが、この状況を一番正確に表している気がした。
丘の上から村を見下ろす。
誰かが歩いている。
誰かが立ち止まり、空を見上げている。
誰一人、急いでいない。
「……行くしか、ないよね」
理由はない。
目的もない。
ただ、そこに道があり、
人の気配があったから。
ミツキは、静かに歩き出した。
この先で何が起こるのか、まだ知らない。
けれど――
この「何も起きない場所」が、
自分にとって初めて息ができる場所になることだけは、
なぜか予感していた。
書いてみると、最初に考えていた構想がどんどん大きくなり、
キャラクターたちが自分の意思で動き出すのを感じました。
「私はこうしゃべる!」
「俺はこういうことを言うやつだ!」
書きながら、彼らの声に引っ張られるように、自分もワクワクしていました。
物語はひとまず完結していますが、この勢いのまま、続けて投稿していこうと思います。
読んでくださった皆さんが、少しでもその楽しさを感じてもらえたら嬉しいです。




